今のは「空振り?」それとも「素振り?」境界線はどこにある | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

今のは「空振り?」それとも「素振り?」境界線はどこにある

「空振り」も、「素振り」もクラブを振ったのにボールが飛ばないという意味では同じ動きに見えます。しかし、空振りは1ストロークとみなされ、スコアに1打加算されてしまいます。境界線が分かりにくい両者の違いはどこにあるのでしょうか?

ボールを打つ意識があったかどうかが分かれ目

 ゴルファーなら誰もが1度は経験したことがある「空振り」。初心者はもちろん、ある程度ゴルフ歴が長い人であっても、プレッシャーのかかる場面などで起こしてしまうことがあるミスです。

たとえ空振りしたとしても、このくらい堂々たるフィニッシュをとって、堂々と「空振りです!」と宣言するが良いでしょう 写真:AC

 この空振りですが、ショット前の準備として行う「素振り」と同じ動作にも見えます。両者にはどんな違いがあるのでしょう?

 そもそも空振りとは、プレーヤーがボールを打つためにクラブを振ったにも関わらず、ボールに当たらなかった状態を指し、1打プレーしたものとみなされます。OBなどのように罰打が付加されるわけではありませんが、ボール位置がそのままでスコアに1打が加算されるため、ペナルティーを受けたのと同じような状況になるわけです。

 ゴルフのストロークは、「球を打つために行われるクラブの前方の動き」と定義されます。そこで大事なのが“ボールを打つ意思”があったかどうか。ボールが飛んだかどうかは関係なく、このボールを打つ意思の有無が空振りと素振りの境界線になります。

 つまり、ボールを打つ意思がなく、準備としてスイングする「素振り」はストロークしたとはみなされず、スコアが加算されることはありません。

 素振りには、筋肉の緊張を緩和して力みを取ったり、クラブの長さや重みを感じるといったショットの成功率を高めるための重要な役割があります。ラフや傾斜地で行えば、ライの状態をチェックすることもできますし、スコアアップのためにはぜひ取り入れたいものです。

 実際、多くのプロゴルファーもショット前のルーティンとして素振りを取り入れています。これは、プレッシャーのかかる場面でも、普段通りのスイングがしやすくなるためです。メンタル面を考えても、素振りは重要な動作と言えるでしょう。

ボールを打つ意思があるかどうかは誰が判断する?

 空振りと素振りの違いは、ボールを打つ意思があったかどうかですが、その意思の有無は誰がジャッジするのでしょう?

 基本的に、意思があったかどうかは本人にしか分かりません。そのため、空振りをジャッジするのは基本的に自分自身。審判のいないゴルフは、プレーヤー自身が正直かつ誠実にルールを順守することで成り立つスポーツなのです。

 もしラウンド中に空振りをしてしまった場合は、潔く申告すべきでしょう。1打加算されることを考えるとごまかしたくなる気持ちも生まれるかもしれませんが、正直に申告できるゴルファーの方が人として好感をもたれるでしょう。嘘や言い訳を重ねて素振りと言い張っても、同伴プレーヤーからの不信感という1打以上の代償を払うことになるかもしれません。

 多くのアマチュアゴルファーを指導する三浦辰施プロは、空振りと素振りを見極めるポイントがあると話します。

「ボールを打つ意思がある場合は、テークバックを取るために必ずアドレスで制止する場面があると思います。もし長くアドレスを取ってから振っていたなら、それは空振りである可能性が高いでしょう。とはいえ、コンペなどでは、空振りしたとしても、あえて指摘する人は少ないです。やはり、空振りをしたなら本人がしっかり申告するのがマナーだと言えますね」

 空振りと誤解されないために、素振りは行う位置に注意すると良いかもしれません。飛球線に対してボールの後方に立つなど、しっかり距離を取ってクラブを振れば、ボールを打つ意思のない素振りであると一目瞭然です。

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