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- 昨年はゴルフ場の入場者数が「1000万人超え」練習場はコロナ禍前に比べ「3割近い利用者増」に
最近、ゴルフ場も練習場も活況を呈しているとはよく言われますが、実際、数字で見るとどうなのでしょう? 経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計」の2021年の年間数値の速報で見てみます。
新規参入と休眠復活を合わせるとゴルファーは60万人増えた
コロナ禍で3密を避けられる屋外スポーツとして、ゴルフが引き続き好調です。経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計」にゴルフ場と練習場が含まれており、売上高等の経営動向の数値がゴルフの好調さを裏付けています。

さらに、先頃、2021年年間の速報が公表され、それによると21年ゴルフ場の入場者数は1002万8048人で、20年対比10.4%(修正値)の増加になっています。
20年は1回目の緊急事態宣言が4~5月に発令され、入場者数にブレーキがかかりました。ゴルフ場の感染対策徹底により回復しましたが、年間891万2524人で19年(コロナ前)の929万6106人より減少しました。
しかし、21年はコロナ禍前の19年に比べても7.8%の増加で、丸1年間コロナ禍が続いた21年はコロナ禍以前よりも入場者が増えたことになります。
ゴルフ練習場はゴルフ場よりも好調が続いていて、21年の年間利用者数は2494万8425人で前年対比11.1%増加。コロナ禍前の19年と比べると27.9%の大幅増となっています。
これは、前述した通り、3密を避けられるスポーツとしてゴルフが認められ、特にゴルフ未経験の若い世代の新規参加が影響していると思われます。
矢野経済研究所の調査によれば、コロナ禍で新規参入ゴルファーや休眠復活ゴルファーが60万人増えたと推計されています。
世界の舞台で日本選手が大活躍したことも追い風に
こうした好調ぶりは、21年が観るスポーツとしてのゴルフにも注目が集まる1年であったことが後押ししたのではないかと推察されます。
4月にはマスターズで松山英樹が日本男子として初のメジャー優勝。さらに、秋に日本で行われたZOZOチャンピオンシップで米PGAツアー7勝目を飾りました。女子も6月に全米女子オープンで笹生優花が畑岡奈紗とのプレーオフを制し、日本の女子選手として海外メジャー3勝目の快挙を達成しました。
7月から8月に霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された東京オリンピックのゴルフ競技では、女子では稲見萌寧が銀メダル。男子は松山英樹が銅メダル争いのプレーオフで惜しくも敗れメダル獲得はなりませんでしたが、プレーオフ平均視聴率が20.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、ゴルフ競技は大いに盛り上がりました。
さらには、11月にアラブ首長国連邦で開催されたアジアパシフィックアマチュア選手権で中島啓太が優勝。今年のマスターズと全英オープンの出場権を獲得しました。
女子も同じく11月にアラブ首長国連邦で開催されたアジアパシフィック女子アマチュア選手権で橋本美月が優勝。オーガスタナショナル女子アマチュア選手権、AIG(全英)女子オープン他の出場権を得ました。
このように21年は世界の舞台で日本選手が大活躍した1年だったのです。
21年レジャー白書(公益社団法人 日本生産性本部)によると、20年のゴルフ参加率は5.3%しかありませんでした。しかし、昨年は選手の活躍も貢献して、ノンゴルファーからもゴルフの注目、認識が広まったと考えられます。
これに関しては、Tポイントの調査でゴルフをしない人のコロナ禍で変わったゴルフの価値観トップ3は、「(1)密を避けて楽しめる (2)感染対策が万全なスポーツ (3)プロの活躍で注目が増した」という結果も出ています。
ゴルフの好調は日本だけのものではなく、世界的な現象です。米国のゴルフ調査会社データテックによると、21年のゴルフのラウンド数は19年(コロナ禍前)に比べて18%増加と推定されています。米国では00年からラウンド数が毎年1%近く減少し続けてきたが、コロナ禍でこの状況が変わり、ラウンド数はピークの00年レベルに一気に戻ったと言います。コロナ禍により屋外スポーツであるゴルフの良さが、世界的に見直されているのです。
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