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- アマチュアでも違いが分かるの!? スペック表にある「バランス」の重要性とは
ゴルフクラブのカタログを見ると、「ロフト」や「ライ角」、「ヘッド体積」など様々な項目が表記されています。その中には「バランス」という項目があり、アルファベットと数字で表された単位で表記されています。意外と分かりにくい「バランス」について調べてみました。
アルファベットと数字が進むほど重い。ヘッド側の重さを示すスペック
クラブスペックに表記されている「バランス」。スイングウエートとも呼ばれ、C9とかD1とか独特の記号で表記されていてよく分からない。どう読み解き、クラブ選びにどのように生かせばいいのでしょうか。
まずば「バランス」とはそもそも何なのか、ゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉勇人店長に説明してもらいました。
「バランスは、大雑把に言えば『振り心地』を示すスペック。『C9』とか『D2』のようにアルファベットと数字の組み合わせで表記され、アルファベットが10の位、数字が1の位となる2桁の数字だと考えるとわかりやすいと思いますが、この数値が大きくなるほどクラブのヘッド側が重く、振り心地が重くなることを意味します」
アルファベットはAに近いほど軽くZに近いほど重いことを意味し、数字は小さいほど軽く大きいほど重いことを示します。
一般的なゴルフクラブのほとんどはCからDの間に収まっており、C0→C1→C2と数字が増えるにしたがって重くなっていき、C9の次に重いのがD0、そしてまたD1→D2……、と進んでいくわけです。
これは専用の「バランス計」という機器で計測して算出します。グリップエンドから14インチの部分を支点にして天秤のようにバランスを取って計測するシステムとなっています。
「あくまで目安ですが、ヘッドに4グラムほど鉛を貼るとバランスが1ポイントくらい重くなり、シャフトの手元側を1インチ切って短くすると4ポイントほど軽くなります。バランス値の変動は鉛を貼る位置やシャフト重量などによって前後しますし、これは50グラム前後のグリップを装着する前提での話なのであくまで参考程度ですが、バランスの数値を調節したいときはこれがひとつの基準になります」
「バランス」はシャフトが多様化した現在では参考程度にとどめるべきスペック
このような独特の計測方法で表記されるバランスですが、いまはあまりこだわりすぎないほうがいいと小倉さんは言います。
「ひと昔前、バランスはとても重視されていて、全部のクラブを同じバランスにそろえる人も多くいました。とくに『俺のクラブは絶対全部D1』というような感じで『D1』にこだわる人もめずらしくありませんでしたね。しかし私は、いまのクラブはそれほどバランスにこだわりすぎないほうがいいと考えています。なぜならこの概念は、ドライバーからパターまですべてのクラブに同じシャフトが使われていた時代に考え出されたものだからです」
当時はクラブのシャフトはほぼすべてダイナミックゴールドの重いスチールシャフト。ドライバーヘッドはパーシモンで、長さも43インチ前後でした。
しかし現在、ウッド類はカーボンシャフトが主流で、アイアンシャフトも軽量スチールからカーボンまでさまざま。ドライバーは460cc・45インチが一般的になってほかのクラブよりも突出して大きく長くなっています。
このようにクラブが進化・多様化した現在では、従来の計測方法は本来の意味を失っていると小倉さんは言います。
「ピンやテーラーメイドなどの慣性モーメントが大きく重心が深いドライバーは、バランスを計測するとD4~D5出ているものもめずらしくありません。ではこれがすごく振りにくいかというとそうとは限らないのです。14本全体を見たときに、それだけ極端にバランスが重いとか軽いというクラブがあったり、よくミスが出るクラブだけ突出しているというような場合は警戒してもいいかもしれませんが、わざわざそろえたりする必要はほとんどないと考えていいでしょう」
「振り心地」を考えるうえでは、総重量のほうがはるかに重要だと小倉さんは言います。
13本のクラブセッティングのなかで、長いものほど軽く、短いものほど重いという重量の階段がバランスよく整っているほうが、全体の振り心地が揃いやすいというのです。
「バランス値が多少デコボコでも、クラブの長さとこの重量フローの流れがきれいに整っていれば13本の振り心地はそろいます。逆にドライバーよりFWのほうが軽いとか、UTだけ極端に重いとか、総重量のフローが崩れていたり長さが逆転していたりすると、仮にバランスだけ整えても振り心地はそろいません」
「振り心地に影響するのは次点でシャフトのキックポイント。バランスを気にするのはその次、しかも長さを考慮したうえでのことですので、あまり神経質にならないほうがいいと思います」
バランスのスペックはあくまで参考程度と捉えて、14本のセッティングは総重量の流れを気にすることが、気持ちよくスイングできる秘訣のようです。
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