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1カ月後のマスターズ、ウッズとミケルソンは「出る?」「出ない?」【舩越園子の砂場Talk】
いよいよ開幕まで1カ月を切ったゴルフの祭典、マスターズ。松山英樹の連覇に期待したいところだが、今、米国ではゴルフ界をけん引してきた二人のスターが姿を見せるか否かに議論が集まっている。
それぞれの事情でマスターズに姿を現すか否かが議論の的
「ゴルフの祭典」マスターズ開幕が1か月後に迫ってきた。
日本人として初めてマスターズを制し、グリーンジャケットを羽織った松山英樹が、今年の大会でディフェンドできるかどうかに注目が集まる一方で、米ゴルフ界の興味関心は、2人のビッグネームの動向に集中している。
言うまでもなく、タイガー・ウッズとフィル・ミケルソンの2人だ。
マスターズ5勝のウッズが、果たして今年、オーガスタナショナルにやってくるのか。米国のゴルフファンは、やきもきしている。
その意味では、今年のマスターズにウッズは「姿は現すだろう」と見られている。
しかし、たとえマスターズ観戦のためにオーガスタナショナルに赴いたファンであっても、ウッズの姿を間近で目にすることは、おそらく難しそうである。
昨年2月の交通事故で右足に重傷を負ったウッズは、その後、懸命なリハビリを重ね、昨年12月、バハマで開催されたヒーロー・ワールドチャレンジで、事故後、初めて公の場に登場。会見に臨んだ上で、大会ホスト役だけを務めた。
その2週間後には「親子大会」のPNCチャンピオンシップに長男チャーリーくんとともに出場。ウッズ自身もショットやパットを打ち、事故後の回復ぶりを披露した。
しかし、プロアマ戦でも2日間の本戦でも、ラウンド終盤はロングショットをチャーリーくんに任せ、ウッズは小技とパットにとどめていた。乗用カートを使用していても最後まで筋力とスタミナを持続できなかったその様子は、4日間72ホールを歩いて回り、熾烈な戦いに臨むには、ほど遠いことを示していた。
「姿だけでも」「パー3コンテストだけでも」望まれるウッズ
暦が2022年に変わってからも、ウッズの試合出場は一度もない。2月に開催された「ウッズの大会」ジェネシス招待でも、大会ホスト役だけを務め、「今はゴルフコースを歩いて回るために右足や肉体全体を強化中だ」と語った。
米メディアによれば、フロリダ州ジュピターにある豪邸の裏庭のショートコース練習場でも、自宅近郊のホームコースでも、昨今、ウッズが練習している姿はまったく見られないとのこと。
それが、チップ&パットの練習すら控えて筋力トレーニングに集中していることを示しているのか、それとも小技練習すらできないほど体力気力が低下しているのかは不明だ。
そんなウッズが、1カ月後に迫るマスターズにプレーヤーとして出場する可能性は限りなく低いと考えざるを得ない。
水曜日のパー3コンテストなら「プレー可能なのでは?」という声も米ゴルフ界では聞かれているが、ウッズ自身はパー3コンテストへの出場可否にはまったく言及していない。
唯一はっきりしているのは、火曜日の夜に催されるチャンピオンズディナーにウッズが出席する予定であること。
今年は松山がホストを務めるチャンピオンズディナー。出席する過去のマスターズ覇者たちは、ウッズを含め、みな車でマグノリアレーンからクラブハウス前までやってきて、そのまま建物内へ入ってしまうため、一般のファンが彼らの姿を目にするチャンスはほとんどないと言っていい。
しかし、「今日はタイガーがオーガスタにやって来る」という予感や気配を感じるだけでも、ゴルフ界にとっては刺激や励みになるのではないだろうか。
最近の言動に疑問符だらけのミケルソン
それでは、ミケルソンは今年のマスターズに出るのか、出ないのか? それもまた気になる。
ミケルソンはサウジ・マネーによって創設されようとしている新ツアー側に傾倒する姿勢を見せ、たびたびPGAツアーを批判する発言をしていたが、ある米国人ゴルフライターがミケルソンの半生記を出版する目的で行った昨年11月のインタビューの中で、PGAツアーと新ツアー側の人々の双方を侮蔑する発言をしていたことが今年2月に判明。ミケルソンは翌週、謝罪声明を出したが、ミケルソンと契約していた主要なスポンサーは次々に契約を解消あるいは停止した。
さらにPGAツアーは、「ミケルソンの大会」として親しまれていたザ・アメリカンエキスプレスからミケルソンとミケルソン財団を完全に切り離す強硬措置を取った。
しばらくはツアーから離れ、休養を取ると宣言したミケルソン。果たして、カムバックするのかどうか。カムバックするのなら、いつになるのか。過去3勝を挙げたマスターズには、今年、出るのか、出ないのか。そんなふうに今のミケルソンは、人々から首を傾げられることばかりの状況にある。
米メディアの中には、ミケルソンがすでにPGAツアーから出場停止処分を受けていると見る向きもある。30年もお世話になってきたPGAツアーのことを「欲深い人々」などと言い放ったミケルソンの言動が、PGAツアーのメンバーとしてふさわしくないと見なされ、サスペンション(出場停止)相当とされた可能性は十分にある。
出場停止が本当なら前年王者として全米プロに臨むことも難しい
しかし、PGAツアーは罰則や罰金の処分を決して公表しないため、選手側が発表したり、漏れ聞こえたりしない限り、真相は分からない。出場停止処分になっているとすれば、少なく見積もって3カ月の処分だとしても、マスターズ出場もディフェンディングチャンピオンとして全米プロに臨むことも絶望的となる。
ミケルソンとの契約を解消あるいは停止したスポンサー企業が、具体的にどの点を問題視したかも明確化されてはいない。
ミケルソンがサウジ側の人々と親密にしていたことが問題視されたのか。古巣であるPGAツアーを愚弄したことが原因なのか。PGAツアーのみならず新ツアー側に対しても「恐ろしい人々」などと語り、双方のツアーを侮蔑したミケルソンの姿勢がケシカランということなのか。
あるいは、そうした発言の際にミケルソンが社会人として使うべきではない口汚いスラング(俗語)を使ったことが、スポンサー企業のブランドイメージを損なうものと見なされたのか。それとも、それらすべてをひっくるめて「スポンサー契約を結ぶに値しない選手」と判断されたのか。
PGAツアーの選手たちの中からは「ついにフィルの素顔が暴かれた」「もはやフィルは新ツアーに移るのみ」といった声が上がり、「新ツアー側からも拒絶されるのでは?」という見方まで出てきている。
まさに八方塞がりの様相だが、これまでミケルソンの一連の動向を痛烈に批判してきたローリー・マキロイが、いの一番に優しい視線を向けたことは、唯一の朗報である。
「フィルがゴルフ界のアンバサダーとなって果たしてきたものは多大だ。選手たちみんながフィルのカムバックを望んでいると僕は思う。ミスは誰もがおかすもの。だから、誰もがおかしたミスを許してほしいと願い出ていいはず。そして、許されていいはずだし、そうやって誰もが前進すべきだ。フィルは、きっと戻ってくる」
今は、そうなることを信じる以外にできることが見当たらない。
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