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- 簡単そうで実は難しいウェッジのフルショット 勝負を分けた渡邉彩香のあの1打【石井 忍のここスゴ!】
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子ツアーのアクサレディス終盤まで優勝争いを演じた渡邉彩香です。
渡邉彩香のミスショットから学ぶウェッジのコツ
2022年JLPGAツアーの第4戦アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIで優勝したのは、開幕戦を制した20歳の西郷真央選手でした。首位と2打差の3位でスタートした最終日は、5バーディー・1ボギーの68。逆転で通算2勝目を挙げました。

そんな西郷選手と終盤まで優勝争いをしていたのが、14年大会でプロ初勝利を挙げている渡邉彩香選手です。単独2位で最終日をスタートした渡邉選手は、首位の西郷選手と2打差で17番(パー4)を迎えます。
17番は403ヤードの右ドッグレッグ。渡邉選手は、持ち前のドライバーの飛距離を生かし、絶好のポジションへ運びます。セカンドショットの残り距離は130ヤードでした。
17番のグリーンは3つ葉の形をしており、それぞれ異なった3段グリーン。最終日は右奥にピンが切られていました。このシチュエーションで、渡邉選手はウェッジのフルショットを選択し、ピンをデッドに狙います。
しかし、ピンの手前にキャリーしたボールは、バックスピンがかかって段に弾かれ、下の段まで転がり落ちてしまいます。
下の段からのロングパットが残り、結果的に3パットのボギー。終盤まで優勝が狙える位置にいた渡邉選手でしたが、最終ホールもボギーとして、1オーバーの73。通算5アンダーの13位タイまで順位を落として大会を終えました。
ウェッジのフルショットというと、「振り幅をコントロールせず、短いクラブでしっかりスイングできる。ミスが少なそう」と思うかもしれません。しかし、このショットには、実は2つの危険な要素があります。
ひとつはバックスピン量。短い番手でしっかり振るほど、スピンが利きすぎてしまい、ボールが戻りすぎることがあります。
しかも、今回の渡邉選手は優勝争いの最中で、いつも以上に気合いが入っていたはず。そんなシチュエーションでのウェッジのフルショットは、なおさらスピン量が増えてしまうというわけです。
もうひとつの危険な要素は、クラブの重さです。短いクラブほど重量が重くなり、しっかり振るほどクラブをコントロールしづらくなります。振り遅れれば右にミスが出るし、ヘッドが走りすぎれば左にミスをしてしまうのです。
ひとつ上の番手を選択してコントロールして振る
こういったミスを防ぐには、ひとつ上の番手を選択して、コントロールして振ることが大切。クラブを短く持ち、コックを使わずに胸板、手元、ヘッドを同じ運動量で動かしてスイングしましょう。
「ティショットで会心の当たりが出て、ウェッジのフルショットでグリーンを狙える!」という時は要注意。
ひとつ上のクラブでサラッと打てば、バーディーチャンスに付けられる可能性が高くなるはずです。
渡邉彩香(わたなべ・あやか)
1993年生まれ、静岡県出身。2014年のアクサレディスでプロ初勝利。持ち前のドライバーの飛距離を武器に、翌年はツアー2勝を挙げて賞金ランキング6位と活躍。その後、スランプに陥るが、2020年のアース・モンダミンカップで復活勝利を挙げた。ツアー通算4勝。大東建託所属
石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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