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プロが距離計を使って失格! 分かりにくい「プレーの援助」OKとNGの境界線はどこ?

中日クラウンズである選手が使用して失格となったレーザー距離計。アマチュアは基本的に使って問題ないですが例外も。分かりにくい「プレーの援助」がOKかNGかの境界線をまとめてみました。

アマチュアでも競技では「スロープモード」をオフに

 4月28日~5月1日に行われた国内男子ツアーの中日クラウンズで、ある選手が同ツアーでは原則使用禁止になっている「距離計測機器」のレンジファインダー(レーザー距離計)を誤って使用し、失格になりました。

男子プロの試合でも、練習ラウンド中は距離計の使用が認められている 写真:Getty Images

 同機器の使用はジェネラルルール(日本ゴルフ協会発行のゴルフ規則)では禁止されておらず、国内では女子ツアーがジェネラルルール通りに使用を認めています。

 一方、男子ツアーはローカルルールで原則使用禁止。ただし、キャディーを付けずセルフでのラウンドを認めるトーナメントでは、例外的に使用が許されています。

 なお、レンジファインダーの使用を認めるジェネラルルールですが、やっかいなことに、一般に内蔵される「高低差」を計測・表示する機能(スロープモード)の使用は禁止になっています。ですから、一般アマチュアでもジェネラルルールによって運営される競技でプレーする際は「うっかり、いつもの設定のまま使ってしまった」ということのないよう、あらかじめスロープモード機能はオフにしておきましょう。

 ここからは「距離計測機器」のようなプレーの「援助」に関して、ルール上認められていること、反対に禁止されていることをまとめてみました。

 ゴルフルールでは「規則10.2」の「アドバイスと他の援助」の項に、援助に関する規則が記されています。その最初にあるのが、「プレーの線」を教えることについての規則です。

 まず、グリーン外では、プレーヤーは自分のキャディーはもちろん、それ以外の人にも、「プレーの線」を教えてもらうことができる、とあります。

 例えば、ティーショットを曲げ、次はピン方向が見えない斜面の下からリカバリーショットを打つとき、プレーヤーはキャディー以外の人にも「すいませんけど、ピンの方向を教えてもらえますか?」とお願いし、ピンとボールを結んだ「プレーの線上」に立ってもらうなど、狙う方向を示してもらうことができます。

 もちろんその人には、規則上、ストロークする前にその場を離れてもらわなければなりません。違反した場合は、「一般の罰」で2ペナです。

 同様に、グリーン外では、プレーの線を示すモノを置くことも認められています。ただし、これもストローク前に取り除かなければなりません。

 この「プレーの線を示してもらう援助」ですが、グリーン上では、プレーヤーのキャディーだけが許されます。

 キャディーがプレーヤーに「カップ2個左、この辺りを狙ってください」と、パッティングのラインを示すのは、ルール上、認められている「援助」だからです。また、その際にグリーン面に直接触れることもできます。

 ただし、プレーヤーがストロークを行っている間は、キャディーはプレーの線上やその近くにいることが禁止されています(例外:キャディーがピンに付き添う場合は無罰)。

 プレーヤーがラインを決めたあとは、キャディーはプレーの線から遠く離れなければなりません。

 グリーン上、パッティングのラインを示す位置に意図して物を置くことは禁止です。その目的で物を置いた場合は、ストローク前に取り除いたとしても違反で、やはり2罰打が付加されます。

スタンスを決めている間はキャディーに傘を差してもらえる

 ルール違反になる「物による援助」は他にもあります。

 レッスンの過程やスイングのチェックで、スタンスの向きを確認するためにアライメントスティックや使用しないクラブをスタンスに沿って置くことがあります。

 旧ルールでは、ストローク前に取り除けば無罰でしたが、現行ルールでは即違反です。規則文には、「プレーヤーが規則に違反してスタンスをとった場合、そのスタンスを解いたり、その物を取り除いたとしても罰を免れることはできない」と規定されています。

 ですから、スタンスの向きを確認するのは、ストローク後にしてください。ただし、スロープレーにならないように。

 プレーヤーは「物理的な援助」を受けながらのストロークは禁止されています。

「物理的な援助」とは、例えば、雨のなかでキャディーに傘を差してもらうことです。

 プレーヤーがパッティングのラインを読んだり、スタンスを決めている間は、キャディーに傘を差してもらえます。しかし、ストロークの最中は、その援助を受けることができません。

 また、まぶしい日差しや強い風からプレーヤーやボールの転がりを守る目的で、キャディーなどの人やモノを立たせたり、置くこともできません。

 もう一つ。雨の日のゴルフにはタオルは欠かせませんが、そのタオルをグリップが滑らないようにと、グリップに巻いてストロークをすることは、ルール上認められおり、違反にはなりません。

 しかし、バンカーのへりにボールがある場合など、地面にひざまずいてストロークするときに、ひざが濡れたり汚れたりしないようにと、タオルを地面に敷いて、その上にひざを置いた場合は、ルール上「スタンスの場所を作った」ことになり、2罰打のペナルティーになります。

 同様に、サボテンなどトゲのある植物のそばからストロークする際、そのトゲをタオルで覆うと、「ストロークに影響を及ぼす状態を改善する行為」となり、やはり2ペナです。

 ところが、同じ効果でも、前者では膝にタオルを巻いてからひざまずく、後者ではトゲが当たりそうな体の箇所にタオルを巻いてスタンスをとることは、ルール上、許されています。

 ともに滅多にないケースですが、ゴルフ仲間との会話のネタにはなるかもしれません。そして、そういう知識が思いがけず役に立つことがあるのも、ゴルフの面白いところです。

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男子プロの試合でも、練習ラウンド中は距離計の使用が認められている 写真:Getty Images

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