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- 「右を向くクセ」の即効矯正法 フェアウェイ端っこまで大胆に左を向く
ビギナーに限らず、アマチュアの大半が多かれ少なかれアドレスで右を向いてしまうと言われます。直すにはコースで行う対処療法と、地道に身につける根本治療の2種類があります。
真っすぐ打てても毎回ラフという人は多い
どうしてもショットが右へしか行かない。
ビギナーによくある悩みですが、見かねた先輩や仲間から「さっきからずっと右を向いて打っているよ」と教えてもらった経験はありませんか?
スイングに原因があってボールが右へ飛ぶ以前に「最初から右を向いているからボールが右へ飛ぶ」のが“ビギナーあるある”です。
なぜビギナーは右を向いてしまうのでしょうか。
本来ボールと目標とを結んだライン、両ツマ先を結んだ体のラインとは、1メートルくらい離れていて線路のようにどこまでも平行のまま目標へつながります。ところが、目標は体のラインより右にあり、どうしても体のラインを目標に合わせてしまうため線路自体が目標より右を向きやすいというのが定説です。
とはいえ、体のラインがたった数センチ右を向いているだけで毎回右のラフ、ひどい時は林やOBまで行ってしまうのは腑に落ちません。
理論と経験に基づいた独自のメソッドで数えきれないゴルファーをレベルアップに導いてきた南澤聡プロに、定説は正しいのか間違っているのか解説していただきました。
「ビギナーが右を向く原因として定説は間違っていませんよ。どうしても体のラインを目標に合わせてしまう。その結果、ほとんどのビギナーは両ツマ先を結んだライン(=体のライン)がおよそ10%右へ向いています。線路の理屈でいうと、10%右へ向いた線路は、先へ行くほど目標ラインから右へ大きく離れていきます。スタンスのズレはわずか数センチでも、150ヤード先で15ヤード、200ヤードなら20ヤード、250ヤード飛べば25ヤードと、遠くなるにしたがい誤差が大きくなるのです」
ボールから目標を結んだラインと体のラインは1メートルくらいしか離れていないですから、200ヤード先に目標をとった場合、本来、ズレは1%に満たないはずです。それが10%にも広がってしまうのですから、いかに人間の感覚や体の動きと現実には開きがあるかということです。
コースやホールにもよりますが、フェアウェイの幅は40ヤード前後が一般的といわれます。例えば、ドライバーショットが200ヤード飛ぶ人がフェアウェイのセンターに目標を設定した場合、右への誤差が10%あると着弾地点では20ヤードになり、ラフに捕まってしまいます。
さらにビギナーは打球がスライスしやすい。効き目が左目の人は右サイドの視界が広いため右を向きやすい。こうした要因が加わると打球は10%以上右へ飛び、林やOBまで行ってしまうことがあります。
ドライバーなら20ヤード以上左でちょうどいい
南澤プロは、右へ向きやすい習性に対処するには2つの方法を身につけることが大事だといいます。一つはラウンド中に有効な即効ポイントで、飛距離の10%左を向いて構える心がけです。
「ドライバーが250ヤード飛ぶ人は、その10%にあたる25ヤードほど、フェアウェイセンターより左に目線と肩のラインを合わせましょう。フェアウェイの左サイドに向く感じです。10ヤード、15ヤードでは足りませんよ。また150ヤード先のグリーンを狙うときはグリーンセンターの15ヤード左、つまりグリーンの左サイドを向く。100ヤード先を狙うなら10ヤード左、ピンフラッグの長さが標準2.5メートルと考えてピン3~4本分は左を向く」
「ビギナーの打球はスライスすることがほとんどなので、それを見込んで狙う距離の10%分は、しっかり左を向いてください。左を向き過ぎている違和感があっても、実はそれが正しい向きですから慣れるしかありません」
もともと右を向いている人は感覚がズレてしまっていて、それを真っすぐだと思っています。そういう人も、すべてのショットで目線と左肩のラインを目標より10%左に向けるようにすれば、しだいに感覚が合ってきます。
打つ距離の10%左を向く。これを繰り返すことによって経験値が得られ、真っすぐ向けるようになると南澤プロは強調します。
右手からアドレスに入ると右を向きにくい
さて、もう一つはルーティンを確立することで右を向く習性を根本から直す方法です。ルーティンが確立していない人は、いきなりアドレスに入って構えたときの目線で目標を見るため、定説どおり右を向いてしまうからです。
“ビギナーあるある”から抜け出して正しい方向を向くためには、ある程度時間はかかりますが、ボールをティーアップしてからアドレスをとるまでのセットアップ手順をしっかり身につけなければなりません。
「耳にタコ」という人もいるかもしれませんが、基本のルーティンは、ボールの後方に立つ→目標とボールとを結ぶラインを思い描く→ライン上でボールの50~60センチ先にスパット(芝の色が変わっているところなどの目印)を見つける→スパットにクラブフェースを向ける→スパットとフェースの向きとを結んだラインと体のラインが平行になるよう、左足、右足の順にスタンスを決める、です。
この手順を確実に早く自分のものにするため、南澤プロは3つの大事なポイントを挙げてくれました。
1.「まず、ボールの後方からアドレスの位置へ移動する時は、右手1本でクラブを持ちフェース面をスパットに合わせていきます。体が開いて左サイドの視界が広がり、右を向きにくいからです」
2.「次にフェース面に目がついていると仮定し、その目をスパットへ、ひいては目標へ向けるイメージでセットしましょう。目標をいちいち見なくても、フェース面が示すラインと平行に体のラインを合わせればいいのです」
3.「最後、練習ではアドレスしたら両ツマ先のラインにドライバーを置き、後方に回ってシャフトが向いている方向を確認してください。どれだけ右を向いているか自覚する。シャフトを真っすぐ向け直す。それにツマ先を合わせて真っすぐ正しく立つ。この確認手順を繰り返すことによって経験値が上がり、基本のルーティンが確実に身につきますよ」
右を向いてしまう習性をラウンドで即座に直したければ目標より10%左を向き、根本的に直すには練習場で基本のルーティンをしっかり身につける。これならきっと誰でもできるでしょう。
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