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- 2週間の練習で優勝争い「プロの世界を舐めて勘違いしてました」金田久美子が高校時代の自分を叱る
女子プロゴルファーの金田久美子こと“キンクミ”。派手なファッションから“ギャルファー”と呼ばれますが、その外見からは想像もできないほどゴルフにストイックです。そんな彼女の連載がスタート。幼少期やツアーの話、プライベートまで様々なテーマで本音を語ります!(構成:キム・ミョンウ)
家出した中学3年の時に父が倒れ…
中学に入ってからもゴルフの練習ばかりやっていた記憶しかないってくらい、お父さんと二人三脚でした。小学校の頃から友達と遊ばせてくれなかったんです。友達との誕生会とかも参加したことがないし、学校の行事にも参加できない。たまにしか学校に行かないから友達ともしゃべれない。だから本当に楽しくなくて……。家に帰ったらすぐにゴルフ練習場に連れていかれて、土日は必ずラウンド。
中学3年のときに真剣にやめようと思ったことがあって、家出したことがありました。ゴルフをやめる決心を伝えようと思った前日にお父さんが倒れたんです。お兄ちゃんから電話がかかってきて、その事実を知りました。「まさかあの元気なお父さんが……」って最初は冗談かと思ったのに、本当に倒れてしまって。病院に行ったら起きるのも難しくて、話もできない状態でした。
でも私を見てから最初の一言が「ちゃんと練習しているか?」だったんです。さすがにそれには驚きました。余程、私がちゃんとゴルフをしているか気になっていたんでしょう……。このままだと、心配かけさせて、お父さんが死んじゃうと思って練習を頑張るようになりました。
プロ入りしてからは「大人になろう」と必死だった
高校生を卒業してから、プロテストは1打足りなくて合格できなかったんですが、QTはトップで通過して2009年からツアーに参戦しました。正直、私はプロの世界を舐めていました。今だからぶっちゃけられるのですが、アマチュアの頃、普通にやっていれば、プロでもすぐに勝てると思ってました。
先ほど中3でお父さんが病気になって練習を頑張った話をしたばかりで申し訳ないのですが、実は高校生の頃はあまり練習に真面目ではなかったです(苦笑)。思えばプロトーナメントの推薦をもらって2週間前に「ヤバイ」ってなって練習するのですが、それでも何度か優勝争いできてしまったんです(06年ニチレイレディス4位タイ、07年ベルーナレディース4位タイ)。
本当にこんな感じで成績が出るのかって、若いときは本当にプロの世界なんて何も知らないから勘違いばかり。これでストイックに練習したら、何回勝っちゃうんだろうって思っていたくらいでした。こんな感じだから09年のプロ1年目は予選落ちが続いて、プロの洗礼を浴びました。
周囲はみんなうまいし、本当に厳しい世界でした。成績が出ないから「なんで、なんで、なんで!?」という毎日で焦っていました。
でも、そういう経験をしてから気持ちがガラッと変わりました。アマチュアの時はやらされている感があったのですが、プロになってから「ちゃんと練習しなきゃ下手になる」って本気で思ったんです。アマチュアの頃はお金をもらえるわけでもないし、自分の名誉しかなくて、注目されるのも好きじゃないので、ゴルフをする意味を見出すのが難しかった。
でも試合には勝ちたい。だったらプロゴルファーが仕事なら、ちゃんとしなきゃいけない。スポンサーやファン、お世話になっている人のためにも結果を出そうと思うようになりました。必死に子どもから大人になろうとしてましたね。今はもうちゃんとした“大人”になれたかな。
金田 久美子(かねだ・くみこ)
1989年生まれ、愛知県名古屋市出身。3歳からゴルフを始め、8歳の時には世界ジュニア選手権で優勝。タイガー・ウッズに並ぶ記録で“天才少女”として注目を浴びる。アマチュアとして出場した2002年のリゾートトラストレディスで、12歳9カ月での最年少予選通過記録を樹立。08年のプロテスト初挑戦は1打足りずに不合格も、同年のファイナルQTをトップ通過してツアー出場権を得る。プロ3年目のフジサンケイレディスクラシックで初優勝。愛称は“キンクミ”。その風貌から“ギャルファー”の異名を取った。スタンレー電気所属。
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