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- 稲見萌寧の勝利に貢献 「ミズノプロ」新作アイアン3機種を試打比較 技術レベルや飛びだけで選ぶと間違う!?
ミズノから「ミズノプロ」の新作アイアンとして、「Mizuno Pro 241」「Mizuno Pro 243」「Mizuno Pro 245」の3モデルが発売されています。ヘッド素材、構造、ロフトが異なる3モデルをゴルフライターの鶴原弘高が試打比較。各モデルの特徴を検証しつつ、対象ゴルファーを探りました。
「鍛造するのは軟鉄だけじゃない」新たな時代へ
ミズノのアイアンに、ちょっとした変化が起きています。ミズノの新作アイアンの広告では、「世界がまた、鍛造に恋をする」というキャッチコピーが使われています。鍛造という言葉は従来どおりなのですが、軟鉄という言葉が省かれているのです。
なぜかというと、近年のミズノでは軟鉄だけでなく、クロムモリブデン鋼(クロモリ)という素材を使った鍛造アイアンを開発して積極的に売り出しているからです。クロモリは高強度な素材のため、フェースを薄く作って反発を上げ、ボール初速を向上することが可能になります。アイアンにも飛距離性能が求められる今の時代に、クロモリはアイアンに非常に有効な素材なのです。
新しいミズノプロの3モデルのうち、「Mizuno Pro 243」と「Mizuno Pro 245」には軟鉄ではなくクロモリが使われています。どちらのモデルもネックからフェースをクロモリ鍛造で一体成型しているのが特徴で、これはミズノだけの特許技術にもなっています。
一般的に高強度の素材をフェース素材に使うと、弾きが強いぶん打感が硬くなり、ゴルファーに与えるフィーリングが悪くなってしまうものです。果たして、新しいミズノプロの飛距離を含めた性能や打感は、どうなっているのでしょうか。
3モデルのヘッド構造やロフトの違いは?
「Mizuno Pro 241」は、ミズノ独自の軟鉄素材を使った鍛造アイアンです。“一枚モノ”なんて呼ばれることもありますが、単一素材のヘッドとなっていて、形状的にはマッスルバック。ある意味では、旧来からのミズノらしい“プロや上級者のためのモデル”と言っていいでしょう。前作にあたる「Mizuno Pro 221」よりも少しだけヘッドの輪郭にシャープさが増して、よりアスリートライクなモデルになっています。7番のロフト角は34度。
「Mizuno Pro 243」は、7番以上の番手がクロモリ鍛造の一体成型で作られているモデル。「マイクロスロット構造」と名付けられたポケットキャビティになっていて、ポケット部はバッジで埋められています。番手別のヘッド設計が採用されていて、8番以下は軟鉄鍛造のヘッドになっており、いわば1つのアイアンセットでコンボセットのようになっているのも特徴です。7番のロフト角は32度。
「Mizuno Pro 245」は、中空構造を採用しているモデル。ネックからフェース部がクロモリ鍛造となっていて、ボディ部分にはステンレススチールが使われています。中空のヘッド内部には前作「Mizuno Pro 245」よりも増量されたタングステンが搭載されていて、さらなる低・深重心化が図られています。バックフェースの見た目は「Mizuno Pro 241」とソックリですが、構えてみるとヘッドサイズは大きめ。トップブレードも厚く、オフセットも適度に付けられています。7番のロフト角は30度。
“腕に覚えあり”の人に使ってほしい「Mizuno Pro 241」
「Mizuno Pro 241」は、マッスルバックが好きな人の期待を裏切らないモデルです。構えたときからシャープ感があり、実際に打ってみても操作性が高い。ヘッドサイズは小ぶりなのですが、他社にはもっと小さいヘッドのアイアンもあるので、筆者としてはちょうど良いヘッドサイズに感じられました。
打感は、文句なしに良いです。前作の「Mizuno Pro 221」よりも打点裏側を厚く設計したということもあり、とにかくミズノの極上打感を味わいたいという人にオススメです。
新しいミズノプロのアイアンすべてに言えることですが、ソールのトウ側とヒール側が大きめに丸く削られていて、旧来のミズノのアイアンよりもソールの接地面積が少なくなるように設計されているのも特徴的。抜けの良さにこだわるゴルファーにも手にしてみてほしいです。
ちなみに、標準装着されているシャフト「ダイナミックゴールド HT」は、モデル名のロゴが熱圧着(ヒートトランスファー)されているだけで、シャフト性能は従来の「ダイナミックゴールド」と変わりありません。
現代的なスイングに合いそうな「Mizuno Pro 243」
■「Mizuno Pro 243」試打クラブのスペック:7番(32度)、ダイナミックゴールド 120 S200
クラブを手にした瞬間から、ヘッドの重さを少し感じるのが「Mizuno Pro 241」です。打ってみると、スイング中にもソールのトウ側あたりに重みが感じられて、ヘッド左右の慣性モーメントが高められているように思われます。積極的にフェースターンさせてボールを打っていくゴルファーよりも、ヘッドの開閉を抑えた現代的なスイングのゴルファーのほうが相性は良さそうです。マッスルバックの「Mizuno Pro 241」よりも弾道の安定性がありつつ、ドローやフェードの打ち分けにも十分に対応します。
飛距離は、筆者が打つと「Mizuno Pro 241」よりもキャリーで7~8ヤード飛ばすことができました。ロフト角は「Mizuno Pro 241」よりも2度ストロングですが、打ち出し角は「Mizuno Pro 241」と変わらず、スピン量が2度のロフト分だけ減っていました。
クロモリ鍛造の打感は、「グシッ」とボールを押しつぶしているようなフィーリングが得られ、その奥底に薄肉フェースゆえの若干の弾きがあるかなという程度です。十分に柔らかい打感に仕上げられていて、打感に関しては間違いなく前作「Mizuno Pro 233」よりも良くなっています。
ルックスが良いだけでなく、やさしさを満載した「Mizuno Pro 245」
■「Mizuno Pro 245」試打クラブのスペック:7番(30度)、ダイナミックゴールド 95 S200
「Mizuno Pro 245」は中空構造で大きめのヘッドですが、スイングしてみると意外なことに兄弟モデルの「Mizuno Pro 243」よりも軽快さが感じられます。ヘッド自体の挙動がニュートラルで、「Mizuno Pro 243」よりもフェースターンをさせやすく、そのおかげで球もつかまえやすいです。
飛距離は、「Mizuno Pro 243」よりもキャリーで7~8ヤード飛ばすことができました。このモデルは、ミズノが“ミズノ鍛造アイアン史上で最高反発を達成”をアピールしていて、実際に弾道計測数値を確認してみると、確かにボールスピードが速い! ロフトのわりに打ち出し角は高めになるので、この性能であればコースで使っても最大限に飛ばしつつグリーンに止まる球を打てるでしょう。
一見するとマッスルバックのようなルックスですが、打ってみると飛ばせるし、高弾道を打ちやすく、直進性も高く、非常にやさしいです。打感については「Mizuno Pro 243」と同じく、クロモリ素材ながら「グシッ」とボールを押しつぶしているような感触。こちらも前作「Mizuno Pro 225」よりも打感が向上しています。
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