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- 「難しそう」と敬遠するなかれ! 実はスコアメークしやすい“マッスルバックアイアン”のススメ
「マッスルバックアイアン=難しい」と考えているゴルファーは多いと思います。しかし、芯でとらえる頻度が多くなってきた中級者以上であれば、マッスルバックアイアンのメリットは大きいといいます。そこで、自身もマッスルバックアイアンを愛用するゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉勇人店長にその理由を聞きました。
「ミスがミスになる」のはスコアメークのうえで重要
マッスルバックアイアンは、「難しい」「上級者向け」という印象を持っている人がほとんど。実際、マッスルバックユーザーといえば松山英樹選手やタイガー・ウッズ選手らのイメージですし、アマチュアではトップアマ級の人が使うものという印象。
多くのアマチュアゴルファーは「高嶺の花」だと思っているのではないでしょうか。
しかし、ゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉勇人店長は「マッスルバックアイアンは必ずしもトップ選手だけのためのものではない」と話します。自身、マッスルバックを愛用する小倉店長に、その真意を聞いてみました。
小倉店長が愛用しているのはマスダゴルフの「ファストマッスルアイアン」というマッスルバックアイアン。バックフェースのくぼみも内蔵ウェイトもない、もっともシンプルなフラットバックモデルです。
小倉店長は、シングル級の腕前ではありますが競技で活躍するようなトップアマというわけではなく、ドライバーの飛距離は250ヤード前後と、特段飛ばし屋というわけではありません。しかし、マッスルバックは「私にとってはとてもやさしい」といいます。
「マッスルバックは、ミスヒットしても曲がらないとか芯を外しても飛ぶというような『お助け効果』はまったくありません。その意味ではキャビティアイアンよりも寛容性が低いのは事実です」
「しかしこの『芯を外したら確実に距離が落ちる』というのは、ゴルファーにとっては『ミスしても飛びすぎない』という大きなメリットにもなり得る。その意味で私にとっては安心して打てるやさしいアイアンなんです」(小倉店長)
「ミスしたら確実に飛距離が落ちる」
これはデメリットに感じるかもしれませんが、実はアイアンにとって大事な機能だと小倉店長はいいます。というのも、フェースがかぶって当たるミスヒットの場合、芯の広いアイアンだとロフトが立つぶん左方向に強い球が出て飛びすぎるミスになり得るのです。
そうなると、アプローチの難しいグリーン奥に外れやすく、スコアを大きく崩すリスクにつながります。その点マッスルバックの場合は、フェースがかぶってロフトが立って当たっても、芯を外したぶん飛距離は確実に落ち、ミスはグリーン左手前。ゴルフのセオリーとしては、ミスするならこちらのほうが安全なのです。
とくに小倉店長はややアウトサイドイン軌道のフェードヒッター。フェードの人にとってこの左への飛びすぎるミスはとても危険でイヤなものなので。これを防げるというのはとても大きなメリットなのです。
「もちろんスイートエリアが狭いぶん、打点のミスをカバーしてくれないクラブなので、芯で打てる確率の低いビギナーにはオススメできません。でもある程度芯でボールをとらえる確率が上がってきた中級者以上で、『意図せず球がつかまりすぎてしまったときに大叩きをする』という経験が増えてきたなら、マッスルバックのメリットを享受できる可能性はあると思います」(小倉店長)
なお、さらに芯の広い超飛び系アイアンとなると、フェースが開くミスでさえ、飛距離が落ちずに右方向に強い球が出てしまうこともあります。
その意味では、気持ちよく飛ばすということよりもスコアメークを考えてクラブ選びをする人、飛びすぎることをイヤなミスだと感じることが多い人にとっては、マッスルバックは一考の余地があるといえるかもしれません。
実は球が上がりやすくグリーンに止められるクラブ
とはいえマッスルバックというと「パワーがないと使えない」と思っている人も多いかもしれません。しかし小倉店長はこの点も否定します。
「マッスルバックアイアンは、ほぼ例外なく『やさしい飛び系アイアン』と比べてロフト設定が多くなっています。飛び系アイアンが7番アイアンで30度以下のものが多いのに対して、マッスルバックは33~34度と1番手以上ロフトが寝ています」
「しかも形状的にバックスピン量も多くなりやすいので、意外に球が上がりやすいクラブだということは知られていません。飛び系アイアンでは5番アイアンが打てなくても、マッスルバックなら打てるというケースはむしろ多いと思います」(小倉店長)
もちろん、飛び系アイアンとマッスルバックが同じ番手で同じ距離を打てるわけではないので注意が必要ですが、同じ距離をマッスルバックのほうがよりスピンの多い球で打てることはあり得ます。
飛び系アイアンなら150ヤードを8番アイアンで打てるけれども球が止まりにくいのに対して、マッスルバックなら150ヤードを6~7番アイアンで打ちますが球は止まりやすい、というイメージ。
「グリーン付近に運ぶ」のなら前者にメリットがありますが、「ピンを狙う」ことを考えると後者に大きなメリットがあるというわけです。
「加えて、重心距離の短いマッスルバックは弾道の操作がしやすいのが大きな特徴です。真っすぐの球ばかりではなく球を曲げたり抑えたりして操ってゴルフをしたい私のようなゴルファーにとって、飛び系のキャビティーではそれができず、むしろ難しく感じてしまうんです」
「また、フェースローテーション量が多く、やさしいアイアンだと右方向へのプッシュが出がち人にとってもマッスルバックの重心距離の短さはメリットになります」(小倉店長)
そして小倉店長は、マッスルバックの打感も、何物にも代えがたい大きな魅力だといいます。芯でボールをとらえたときのぶ厚く気持ちいいフィーリングは、マッスルバックでしか味わえません。
「難しい」という印象の強いマッスルバックですが、飛びすぎるミスが出ない、球が止められる、操れるというのは、スコアメークにおいては重要なポイント。これらを重要だと感じられる人は、食わず嫌いをせずに試してみてはいかがでしょうか。
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