- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- パットの打ち出しでつまる…跳ねる… それ、パターの“ロフト”を理解できていないからかも!?
パターにロフトがあることをご存じでしょうか?フェース面が地面に対してほぼ垂直に見えるため、もしかしたらロフトが0度と思っているゴルファーも少なくないと思います。本日はパターのロフトについて人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
パターのロフトは規定で10度以下と決められている
パターにロフト(シャフトの垂線とフェース面の作る角度)があることをご存じでしょうか?フェース面が地面に対してほぼ垂直に見えるため、もしかしたらロフトが0度と思っているゴルファーも少なくないと思います。本日はパターのロフトについてお話しします。

この話をするにあたっては、まずパターのロフトに関するルールを知っておかなければなりません。そもそもパターのロフトは規定で10度以下と決められています。ただ一般的に市販されているモデルのロフトは大半が3度前後なので、ルールに抵触することは少ないのが現状です。
なぜパターにロフトが必要かというと、グリーン上ではボールがわずかに沈んでいるからです。グリーンの芝はかなり短く刈り込まれているので少しイメージしにくいかもしれませんが、たとえば真っ平らなコンクリートの上にあるのと、芝の上にあるのではほんのわずかな差とはいえボールは沈んでいます。真っ平らなコンクリートの上ならロフトが0度のパターでもしっかりとヒットすればボールは素直に転がりますが、少しでも沈んでいるボールをそういったパターで打ってしまうと、芝に引っかかってしまいます。するとボールの勢いが弱くなったり、ボールが反動で跳ね上がったりして思った所に転がしにくくなります。つまりパターにロフトが必要な理由はボールの打ち出し角を確保して、インパクト時の芝の抵抗を減らすためなのです。
基本はハンドファーストでダウンブローにインパクト
とはいえ、必要以上に高い打ち出しはバウンドして距離感や方向性が悪くなります。最適な打ち出し角の正解は研究者によって多少異なりますが、最近の研究では1.5度前後のインパクトロフトが最も良い打ち出しになるといわれています。
ただし、これはグリーンの芝の長さにも影響します。プロの試合のようにかなり短く刈り込んだグリーンとアマチュアゴルファーが普段プレーする環境ではグリーンの芝の長さが全く異なります。前者の場合はそもそもボールがそこまで沈まないので打ち出しは低くても大丈夫ですが、後者の場合はかなり沈んでいることもあるので、ある程度の打ち出し角が必要です。こう考えると、少なくともグリーンの条件を一定にしない限りは、最適な打ち出し角の正解が決まることはないといえるでしょう。
正解がないとは言いましたが、それでも多くの研究者によって現状の最適解が見つかりつつあります。先ほど最近の研究では1.5度前後のインパクトロフトが最も良い打ち出しになると話しました。近年市販されているパターロフトが3度付近なので、少しハンドファーストに構える方が良いということになります。
また、最近密かな流行りのアームロックパターは、そもそもハンドファーストに構えることが前提なので、ロフトが7度前後のものが多いです。左腕からヘッドまでが一直線になり、インパクトでは必然的にロフトが立って入ります。ロフトは一般的なパターよりついていますが、その性能上インパクトでのロフトはかなり立つので、やはり1.5度付近に収まってくると考えられます。
パターのロフトを含めて何度が正解ということは確実にいえませんが、少なくとも今の主流は、少しハンドファーストでダウンブローにインパクトする方が結果に繋がりやすいといえます。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
最新の記事
pick up
ranking