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- 長さを変えたいから…はカン違い! アイアンの「番手ずらし」って“誰得”なの?
「番手ずらし」というアイアンシャフトの調整方法をご存じでしょうか。今回はこの少しマニアックなチューニング方法の一つ「番手ずらし」について人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
アイアンシャフトの大半が番手別設計
アマチュアゴルファーが自らアイアンの「番手ずらし」を発注することはあまりないと思いますが、我々フィッティングやクラフトを担当する人間からすると番手ずらしは、個々のプレーヤーにより合いやすいシャフトを選定するのにかなり有効な方法です。今回はこの少しマニアックなチューニング方法の一つ、番手ずらしについて解説します。

まず、近年のアイアンシャフトの大半が番手別設計となっています。5番アイアンのヘッドには5番アイアン用のシャフトを、7番アイアンのヘッドには7番アイアン用のシャフトを装着するのが基本です。
アイアンの番手ごとの長さの差は0.5インチがスタンダードで、ヘッド重量は約7グラムずつフローしていきます。具体的には、5番アイアンが38インチでヘッド重量が257グラムだったとすると、6番アイアンは37.5インチでヘッド重量は264グラム、7番アイアンは37インチでヘッド重量が271グラムといった具合です。
アイアンシャフトメーカーは開発段階でこの長さとヘッド重量の違いを計算しながら番手別設計のシャフトを製造し、出来る限り全ての番手のしなり幅や振り心地を統一するように設計しています。番手ずらしはこのメーカーの緻密な設計を逆手にとって行うチューニング方法です。
長さやシャフトの特性を変えずに少しだけ硬さを変化させる
では具体的にどういったことをするかというと、たとえば7番アイアンのヘッドに6番アイアン用のシャフトを装着する場合、これは軟らかい方への番手ずらしとなります。先ほどメーカーサイドは開発段階でヘッド重量と長さを計算して番手別設計のシャフトを製造していると話しました。
つまり6番アイアン用のシャフトは6番アイアンのヘッド重量を計算して設計されていますが、7グラム重い7番アイアンに装着すると当然シャフトにかかる負荷が増え、しなり量が増します。結果、少し軟らかいシャフトになるのです。逆に7番アイアンのヘッドに8番アイアンのシャフトを装着する場合は、硬い方への番手ずらしとなります。
ちなみに番手ずらしという言葉を勘違いしている人が多いのですが、軟らかい方へずらしても硬い方へずらしても長さは変えません。先ほどの37インチの7番アイアンの例だと、6番アイアン用のシャフトに替えても、8番アイアン用のシャフトに替えても基本的には37インチで作成します。長さやシャフトの特性を変えずに少しだけ硬さを変化させる、これこそが番手ずらしの最大の魅力なのです。
軟らかい方へずらすのが一般的
どういったゴルファーに番手ずらしが有効かというと、簡単に言えばSフレックスだと硬すぎて、Rフレックスだと軟らかすぎるという人です。もちろんSRというフレックスがあればそれを選べば良いのですが、全てのシャフトに中間の硬さがあるとは限りません。
つまりSR相当の硬さが合うけれど選んだシャフトにSRというフレックスが存在しない時に、番手ずらしという手法を使うのです。シャフトにもよりますが、1番手ずらすと半フレックス程度の硬さの違いが出ます。つまりSシャフトを1番手軟らかい方へずらせばSR相当の硬さになるのです。
この例だと、Sを軟らかい方へずらすべきなのか、Rを硬い方にずらすべきなのか迷うかもしれませんが、そんなときは振り心地を参考にしてください。同じモデルのシャフトでもSとRでは若干振り心地が変わる可能性があります。
ただし、我々クラフトする人間からすると軟らかい方へずらすのを奨励しています。これは単純にカット幅の問題で、硬い方へずらす際は一番手短いシャフトを装着することになります。すでに装着済みのシャフトを再利用する場合は必然的に短くなってしまいますし、新品のシャフトを用意したとしてもカットできる幅が少ないので微妙な調整がしにくくなります。SとRの振り心地がそこまで気にならない場合は、軟らかい方への番手ずらしを奨励します。
今回は少しマニアックな「番手ずらし」のお話しでした。ただ、プロや上級者は技術もさることながら、こういった細かい調整をすることで自分にピッタリのアイアンシャフトを選定しています。番手ずらしという調整方法があることを知っておくだけでもシャフト選定の幅が広がりますので、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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