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- もはやアマチュアに5番アイアンは必要ないのか? ユーティリティーにすべき人とその理由
今回は人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに、5番の代わりになるクラブについて教えてもらいました。
近年はアイアンのロフトが立ってきている
アイアンセットといえば、5番からピッチングウェッジという6本セットがこれまでのスタンダードでしたが、近年は6番アイアンからのセットも増えてきました。中には7番アイアンからというセットもあり、以前よりミドルアイアンの需要が少なくなってきています。今回はその理由と、代わりになるクラブについて紹介しようと思います。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

そもそも5番アイアンのセットが少なくなってきた理由は、アイアンのロフトが立ってきたことが一番に挙げられます。10年以上前の5番アイアンは、ロフトが27度前後の製品が多かったですが、近年は25度以下のモデルがほとんどです。もちろん、素材や構造が進化したことで、以前よりロフトが立っているにも関わらず、ボールを上げる性能は兼ね備えています。それでも、やはりロフトが立っていると、球を上げたり、捕まえたりするのが難しいということに変わりはありません。
同時にそのロフトの距離を補う「フェアウェイウッド」や「ユーティリティー」が登場したことが、5番アイアン離れを加速させたと言っても過言ではないでしょう。特にユーティリティーの台頭は大きく、以前は20度前半のロフトが主流だったユーティリティーも20度後半のロフトは当たり前、さらには30度以上のモデルも登場しております。
アイアンに比べてソール幅が広く、低重心なユーティリティーは球が上がりやすく、なおかつミスヒットにも強いという特徴を兼ね備えています。すると、わざわざロフトが立った難しい5番アイアンを使わなくても、その距離を簡単に補ってくれるユーティリティーに移行するのはある意味で必然と言えます。
アイアンと同じロフトだとユーティリティーのほうが飛ぶ
では、5番アイアンの代わりになるユーティリティーのロフトですが、5番アイアンのロフトより2度程度寝ているモデルが良いでしょう。ユーティリティーはアイアンよりクラブの長さが長いので、それだけヘッドスピードが出やすくなります。ほとんどのゴルファーが、5番アイアンと同じロフトのユーティリティーを使うと、5番アイアンより飛びすぎてしまい、6番アイアンとの距離差が出すぎてしまいます。ですから、自分のアイアンのロフトを知っておくことは重要になります。
ただし、全員がユーティリティーに移行した方が良いのかと言えば、もちろんそんなことはありません。男子プロが未だに5番アイアンをキャディバッグから抜かないのは、彼らにとってはアイアンの方が扱いやすいからです。というのもある程度ヘッドスピードがあり、しっかりとダウンブローで打ち込むことが出来れば5番アイアンでも十分な打ち出しの高さを確保できる上にバックスピン量が増えます。スピン量が増えると、それだけグリーンに止めやすくなります。
ユーティリティーは打ち出しの高さは確保できますが、低重心なのでアイアンに比べるとスピンが入りません。グリーンコンディションがシビアになればなるほど、スピンでボールを止めることが要求されます。プロや上級者が5番アイアンを抜かないのは、彼らにとってはアイアンのほうが、メリットが大きいからです。
ユーティリティーに移行すべきかは落下角度を参考に
5番アイアンを入れた方が良いか、ユーティリティーに移行した方が良いか悩んでいる人は、測定器で落下角度を見るのが一番です。落下角度はボールが頂点から地面に落ちてくる時の角度のことで、これが40度を下回るとパーオン率が一気に下がると言われています。自分が5番アイアンを使えるかどうかは測定器でこの数値に着目して、40度以上なら使っても良いと判断すべきでしょう。
逆に40度を下回る場合はユーティリティーを使用した方がスコアメークしやすくなります。もちろんこれは6番アイアンでも同様に言えることなので、6番でも40度を満たない場合はその距離を打てるユーティリティーという選択肢も考えるべきです。ミドルアイアンのセッティングに悩んでいる人はぜひ参考にしてみて下さい。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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