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ハイテク系でもミズノは打感に妥協なし! 番手別設計の鍛造アイアン「M-13」と「M-15」 異なるやさしさを試打比較

2025.10.20 鶴原弘高
アイアン ギアくら ゴルフギア ミズノ 試打

ミズノプロの名を冠した「M-13」と「M-15」は、どちらもミズノの軟鉄鍛造アイアン。一番の特徴は番手ごとに素材やヘッド構造を変える番手別設計を採用しているところです。ゴルフライターの鶴原弘高が2つのモデルを番手別に打ち比べて、どこが異なっているのか、どんなタイプのゴルファーに適するのかを考えました。

ミズノ独自のクロモリ鍛造とS25CM鍛造を複雑にミックス

 アイアンの番手別設計は、各番手に求められる弾道を打ちやすくするために採用されているヘッドの設計手法です。簡単に言えば、ミドルからロングの番手では球を上がりやすくしてキャリーを出せるように。また、ショートの番手では抑えた球でピンを直線的に狙いやすくなるように作られます。

 ミズノプロの「M-13」と「M-15」は、番手によってクロモリ鍛造とS25CM鍛造を使い分けながら、各モデルの各番手でヘッド構造まで変えるという非常に凝った作りになっています。

左から「ミズノプロ M-13」と「ミズノプロ M-15」
左から「ミズノプロ M-13」と「ミズノプロ M-15」

「M-13」
ロングアイアン(#4~5):クロモリ鍛造のフルポケットキャビティ
ミドルアイアン(#6~8):クロモリ鍛造のマイクロスロット構造
ショートアイアン(#9~GW):S25CM鍛造の1ピース構造

「M-15」
ロングアイアン(#4~7):クロモリ鍛造の中空構造+タングステンウエート
ミドルアイアン(#8):クロモリ鍛造の中空構造
ショートアイアン(#9~GW):S25CM鍛造の半中空構造

左から「ミズノプロ M-13」と「ミズノプロ M-15」の構えた見た目
左から「ミズノプロ M-13」と「ミズノプロ M-15」の構えた見た目

 近年、いろんなメーカーから番手別設計のアイアンが登場していますが、ミズノは今作で“打感に妥協しない”ことを声高にアピールしています。上記のような複雑なヘッド構造になっていても、打感を良くするための独自の手法として、1本の軟鉄鍛造の丸棒からネック部とフェース部を一体成型する「グレインフローフォージド」や「銅下メッキ」などが今作の2モデルでは採用されています。

 では、打ってみるとどう感じるのか。今回の試打では「M-13」と「M-15」の5番、7番、GW(ギャップエッジ)を打ち比べました。

7番のロフト角が32度の「M-13」

「M-13」のヘッドサイズは76.4ミリ(カタログ値)。構えてみると、ほどよく小ぶりで、トップブレードも薄め。オフセット(グース)の度合いも控えめになっています。一般的には「シャープでキレイな顔のアイアン」と評されるような見た目のモデルです。

 7番アイアンから打ってみると、クロモリ鍛造とは思えないぐらいソリッドな打感。著者が試打計測すると、7番のスピン量は約5400回転。スピンが適度に入ってくれるので、グリーンにボールを止めやすい弾道を打つことができました。ヘッド挙動も安定していて、操作はできるけれど、それほど難しさは感じさせません。「M-13」はソールのリーディングエッジ側に削りが入っているので、地面への突っかかりが少なく、ソールの抜け感がいいのも特徴です。強めのダウンブローで打つ人とも相性が良さそうです。

 GWに持ち替えると、筆者はまずヘッドが小さいことに面食らいました。単品ウェッジとのつながりを考えると、このぐらいのヘッドサイズが適切なのかもしれませんが、昔ながらのミズノのアイアンセットのウェッジとはずいぶん異なっています。9番から下の番手はS25CM鍛造の一体成型となっているため、打感に関しては言わずもがな。ミズノらしい心地よい絶品打感が味わえました。

 5番アイアンの振り心地は、7番アイアンと同様です。適度な操作性が備わっていて、軽快に振り抜けます。球の上がり方も良くて、純粋に打ちやすさが感じられました。

7番のロフト角が29度の「M-15」

「M-15」のヘッドサイズは78.9ミリ(カタログ値)。「M-13」よりも大ぶりですが、構えてみるとヘッドサイズの違いはあまり気になりません。それよりもトップブレードの厚さが「M-13」よりも目立っています。このほうが安心できるという人もいるでしょうし、シャープ感に欠けると思う人もいそうです。

 7番アイアンで比較すると、「M-15」は「M-13」よりも3度のストロングロフト設定になっているため、当然のことながら「M-13」よりも飛ばしやすいです。試打計測すると、著者の場合は「M-13」よりも約8~10ヤードの飛距離アップが見られました。

 中空構造とヘッドに内蔵されたタングステンの効果だと思いますが、ロフトに対しての打ち出し角が高く、スピンもほどほどに入ります。ストロングロフトでも高弾道を打ちやすいのが「M-15」の長所といえそうです。

 ただし、フィーリング面では気になったところもありました。中空構造を採用している「M-15」はフェースに弾きがあって、いわゆるミズノのフォージドらしい打感ではありません。加えて、筆者の場合はスイング中にヘッドを重く感じてしまい、ヘッドスピードを上げづらかったです。やさしく球が上がってくれるヘッドですが、軽快に振り抜ける感覚とはトレードオフになっているようでした。

 とはいえ、5番アイアンに持ち替えて打ってみると、7番で感じたような重いヘッドの感覚が薄まりました。番手別設計ゆえに、ゴルファーによっては番手によって振り心地がガラッと変わったように感じるのかも知れません。

「M-15」のGWは、ヘッド内部にポケットがある半中空の構造になっていますが、打感についてはまったく問題ありません。ミズノの軟鉄鍛造らしい心地よいフィーリングがありつつ、抑えた球でピンを狙っていけます。

できれば購入前に番手別の試打をすべき

 筆者の場合は「M-15」の7番を試打したときに、どうしてもヘッドの重さを感じてしまいました。ヘッド重量自体が重くなっているのではなく、ソール部や後方に局所的に配置されているタングステンの重さを感じてしまっているようです。

純粋なヘッド性能だけではなく、振り心地がスイングに与える影響もしっかり確かめて決めよう
純粋なヘッド性能だけではなく、振り心地がスイングに与える影響もしっかり確かめて決めよう

 こういったフィーリングの違和感は、ゴルファーのスイングタイプにもよっても変わってきます。まったく気にならない人もいるでしょうし、筆者のように実際にヘッドスピードを上げづらい場合もあります。

 これはミズノのアイアンに限った話ではありませんが、番手ごとの最適弾道を打たせてくれる番手別設計は、ゴルファーにとってはいいことづくめに思えても、番手ごとに“振り感”が変わってしまう弊害があるのも事実です。そんなフィーリングに打ち慣れていくのか、いっそ別のモデルを選ぶかはゴルファー自身のチョイスになります。

 もし番手別設計のアイアンに興味があるなら、7番アイアンだけでなく、購入前にいくつかの番手を試打しておくことをオススメします。自分がヘッドの弾道補正能力だけを享受できるのか、もしくは打ち慣れる必要があるのか、それを確かめておいて損はありません。フィーリングは、個々のゴルファー自身が持っているもの。他人の評価は気にせず、必ず自分自身で確かめてみてください。

【取材協力】フライトスコープジャパン

「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール
「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。
公式サイトhttps://flightscope.co.jp/

【写真】こだわりの鍛造製法がわかる貴重なカットも! ミズノの鍛造アイアンを製造している“中央工業”をみる

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