一般アマチュアは1インチで5ヤード前後落ちる
プロゴルファーの中には今平周吾のように常にクラブを短く握る選手もいますが、アマチュアの場合、短く握るのは飛距離を落としたいときや確実にミートしたいとき、という人が多いでしょう。
短く握る際は1インチ(約2.5センチ)が目安としてよくレッスン記事などに出てきますが、実際のところ、1インチ短く握ると飛距離はどれくらい落ちるのでしょうか。自身の生徒には5ヤードほど落ちると教えているという牛島英軌プロ(熊本県・ウッディゴルフレンジ)に、短く握ることのメリットと注意点について詳しく聞きました。

「一般アマチュアの方で1インチ短く握ると5ヤード、プロやトップアマで3ヤードほど落ちるのが目安だと考えています。飛距離が落ちる仕組みは、短く握ることで単純にスイングの円弧が小さくなり、ヘッドスピードが落ちて飛距離が落ちるというもの。だから、厳密にはどれくらい飛距離が落ちるかは人によって個人差があります」
「私の場合、7番アイアンの飛距離は170~175ヤードを基準にしていますが、短く握るだけなら3~5ヤード減。ただ、実際は7番アイアンで160ヤードから175ヤードを打ちます。短く握るだけでなく、インパクトの強さを変えるなどのオプションも加えて10〜15ヤードの幅を打てるようにしているからです」
牛島プロいわく、アマチュアが短く握るメリットはビトウィーン(中間)の距離などが残ったときに、スイングを変えずに飛距離を落とせる点。また、ミート率が上がることもメリットだと言います。
「短く握ったときの注意点としては、スイングを変えないことです。『この番手じゃ大きいなあ』と思ったとき、飛距離を落とすために短く握っているのに、さらにスイングをゆるめてしまうことがよくあります。それでは必要以上に飛距離が落ちたり、ミート率も下がってミスの確率がかえって高まってしまいます」
「ただし、短く握るとスイングのタイミングが変わるので、ある程度の練習は必要です。短く握った状態でハーフスイングから徐々にフルスイングに近づけていく練習をぜひやってもらいたいですね」