メジャー開催コースのグリーンが枯れていた
国内女子メジャー第2戦の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」をインターネット配信で視聴したら、グリーンの芝生のあちこちが枯れており、ベストコンディションではないことが一目で分かる状態で、何ともいえない気持ちになりました。
今夏の猛暑の影響で芝生が深刻なダメージを受け、何とか回復を試みたものの、ベストな状態に戻すことができなかったのでしょう。
「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」は毎年9月に開催されることは決まっていますが、開催コースは年ごとに変わります。今年の大会がパサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)で開催されることは2022年2月に発表されました。

したがってコース関係者は1年以上前から準備を進めてきたわけですが、グリーンコンディションをベストな状態に仕上げることができず、無念さと申し訳なさで夜も眠れない日々を過ごしているのではないかと胸が痛みます。
毎年決まった時期に決まったコースで開催されるトーナメントであれば、過去の経験に基づいて対策を立てることができるのかもしれませんが、数年に1回ビッグトーナメントを開催するのはプレッシャーもありますし、それ以上に近年の異常気象に対応するのが難しくなっています。
パサージュ琴海アイランドGCは2010年5月に男子メジャーの「日本プロゴルフ選手権」、2015年9月に女子メジャーの「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」を開催しています。
メジャートーナメント開催実績があるのに対応できなかったのは、2010年と2015年の経験がまったく通用しないほど気象条件が大きく変わっているわけです。
グリーンが枯れているとプレーをする人は非常に難しい
トーナメント開催コースのグリーンが枯れているのは非常に珍しいケースですが、一般営業のコースのグリーンが枯れているのはこのところ日常茶飯事です。
猛暑と豪雨が交互に訪れる今の日本の夏はベント芝の育成にとって非常に過酷であり、コース管理スタッフもこれまでの経験が通用しなくなっているので、何をどうしたらいいか分からない状況に陥っているようです。
ただ、プレーをする立場からすると、芝生が枯れているよりもキレイに生えそろっているほうがいいに決まっています。芝生が枯れていたり、土がむき出しになっていたりすると、「このグリーンコンディションで通常の料金を取るのかよ」と思います。

パッティングの距離感も、土がむき出しになっている箇所はボールと地面の摩擦が少なくなって滑るように転がりますから、なかなかイメージがつかめません。
また、土がむき出しになっている箇所は芝生が残っている箇所よりもくぼんでいますから、ボールの転がりが滑らかではなくなります。傾斜とは逆方向に転がるケースもあり、非常にトリッキーです。
筆者は今回、プレーヤーではなく視聴者ですから、グリーンコンディションをとやかくいう立場ではないのですが、選手たちの中には「このグリーンコンディションでメジャー優勝者を決めるのはどうなのか」と内心では感じている者がいてもおかしくありません。
一方で、選手たち自身も今夏の猛暑を肌で感じています。体調不良で試合を欠場したり、途中棄権したりした選手も多数いますから、コースコンディションの不備を表立って非難するわけにもいかないでしょう。
しかしながら、今夏の猛暑は来年になれば落ち着くという保証はどこにもありません。むしろ今年以上の猛暑が襲ってくる可能性のほうが高いでしょう。そう考えると、来夏こそグリーンコンディションを維持するための抜本的対策を立てなければ、これから毎年苦い経験を繰り返すことになるかもしれません。