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- いつ来てもおかしくない大地震や長期化する台風シーズン… 災害避難場所としてゴルフ場が優れている理由とは?
ゴルフ場は避難所向き施設
去る2023年9月1日、東京を中心におよそ10万人の死者・行方不明者を出した関東大震災が発生してからちょうど100年を迎えました。メディアでは防災に対する特集が組まれ、近い将来、発生する可能性が高まっている巨大地震に注目が集まっています。
日本は世界でも屈指の「地震大国」です。普段生活している最中でも、揺れをほとんど感じない程度の地震は頻繁に起こっているといわれ、数年おきに非常に大きな地震が各地を襲っています。また、地球温暖化の進行によって台風が一層強力に、発生時期の長期化も問題視されています。
大きな災害が起こった場合、公園や学校のような広い場所が地域の避難場所となっています。近隣住民や帰宅困難者を受け入れ、災害の危機から命を守るために避難することができます。
ゴルフ場も非常に広大な敷地を有していますが、多くの人たちが一時的に避難できる場所として使用することは可能なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「空間が開けているゴルフ場は、地震発生時でも上からガラスやコンクリートの破片が降ってくることは考えにくく、火災も発生しにくいので、避難所にはかなり向いていると思います。なかでもグリーンは、本来の土の上に客土が積まれているという構造なので、結果的に客土がクッション材の働きをして揺れをある程度和らげてくれる機能があると思います」
「グリーン以外の場所でも、タープやテントを張ることで一時的な生活が可能だと思います。クラブハウス内の電気・ガス・水道が生き残っていれば、数日間にわたって避難してきた人たちを泊めることも可能でしょう。さらに、日本の多くのゴルフ場では井戸水が通っており、水問題にも強い特徴を持っています。飲み水はもちろんのこと、浴場にも提供できればかなり快適になるはずです」
他にも、駐車場やフェアウェイは救助者や救援物資を運搬するためのヘリポートに活用でき、避難所以外の機能も果たせるでしょう。体育館のような一般的な避難所では、においや鳴き声などの懸念からペットと一緒に寝泊りするのが難しいのですが、ゴルフ場は屋外であるためその心配がなく、ペットにかかるストレスも軽減できるとされています。
避難所利用を想定した取り組みがはじまっている
最近では、オフィスビルの地下空間に帰宅困難者の受け入れを想定し、相当数の非常食を保管しているという事例があります。ゴルフ場にも非常食は置いているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「ゴルフ場によっては、県や市町村からの要請を受けて非常食を備蓄しているところもあるかと思います。そのような防災グッズを用意する際は、利用客から普段より徴収している『ゴルフ場利用税』から資金を出して購入していることも少なくありません」
「本来であれば、施設のメンテナンスや獣害対策といったゴルフ場の運営のために直接投資したり、ジュニアゴルファーの育成のようなゴルフそのものの振興のために使ったりするのが望ましいかもしれません。しかし、ゴルフ場利用税によって財政状況が潤い、大量に確保しておいた備蓄品がいつかやってくるかもしれない大災害の時に役立つのであれば、地元への還元になりうるといってもいいでしょう」
実際に、東日本大震災や熊本地震をきっかけに地元自治体と協定を結び、災害時には避難所として開放することを決定したゴルフ場が増加しました。特に、ゴルフ場が市街地の近くにも密集し「ゴルフ銀座」とも呼ばれている千葉県や神奈川県、兵庫県においては多くの避難者が押し寄せて来ても大丈夫なように訓練が実施されています。
群馬県では、2019年に発生した台風19号の際に最大でおよそ3万6000人が一時的な避難生活を余儀なくされたこと、そして翌年に新型コロナが流行したことを受けて、災害と感染症がバッティングした場合を考慮し、ゴルフ場で3密対策をして避難所に活用できるような取り組みを進めています。
災害はいつどこで発生するか分からない上に、インフラの復旧までに時間がかかるとすれば、避難所で何日間か過ごさなければならないことが想定されます。近くにゴルフ場があれば、避難所としても使用し得ることを覚えておくとよいでしょう。
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