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- スロープレーにならなければOK? カート移動が主流の現代で“あえて”の「歩きラウンド」はアリ??
多くのゴルフ場で導入されている乗用カート。コースを回る際はほとんどのゴルファーが利用しますが、中にはカートに乗らず歩いてプレーをする人も。歩きでのラウンドにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
歩きでのラウンドはかなりの運動量に
コースを回る際、現在は乗用カートが普及していることもあって、ほとんどのゴルファーはカートに乗って移動することが多いでしょう。
ところが、プロのトーナメントの様子からも分かるように、長い歴史を見ればゴルフは歩いてラウンドをする形が基本です。では、カートに乗らずあえて歩いてラウンドすることにメリットはあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「移動にカートを使用しないことで運動にもなり、健康意識の向上がメリットとして挙げられるでしょう。実際、カートが用意されているゴルフ場であっても、『私はカートに乗らず歩きます』と徒歩移動を選択するゴルファーも少なからずいますね。日本のゴルフ場の場合、総ヤーデージの平均は18ホールで合計6200ヤード前後と言われており、換算するとおよそ5.7キロメートルになります」
「しかし、これはあくまでもすべてのホールを直線的に結んだ場合の数値です。実際は左右に大きく曲がったり、グリーンをオーバーしたボールを打つ時は再度戻ったりすることもあるので、結構ジグザグな線を描きながら歩くことになるでしょう」
「そのため、最終的には総ヤーデージよりも長い10キロメートルほどにもなり、一般的な大人の歩数では13000歩前後にも及びます。1日で10キロメートルも歩く人はそれほど多くないはずですから、歩いてのラウンドはかなりの運動量を期待できるかもしれません」
飯島氏は続けて、歩いてラウンドすることで「コースの状態がどのようになっているかを把握しやすくなる」と言い、以下のように話を続けます。
「別の品種の芝が混ざっているかどうかをチェックするという意味でも、コースを歩いて回る価値はあると思いますね」
「一般的にラフには野芝と呼ばれるものが用いられていますが、中にはバミューダ芝を品種改良して作られた『ティフトン』という芝が使われていることもあります。ティフトンは別の芝よりもボールが沈みやすい特徴を持っているため、インパクトの時に芝が絡みつきやすくプロでも上手に打つのが非常に難しいです」
「局地的に異なる品種の芝が生えているのに気が付かないと、いつも通りの打ち方では大きくミスしてしまう可能性があります。そのため、コースを歩くことで芝の観察や特性の勉強にもつながるでしょう」
注意すべきはスロープレー
飯島氏は一方で、歩いてのラウンドには注意すべき点もあると話します。
「歩いてコースを回ることは、必然的にカートに乗って移動する時よりもスピードは遅くなるため、よりキビキビと動くことが重要ではないかと思います。例えば、4人のうち3人はカートを使って1人だけ歩いている組があったとしましょう。歩いている人に打つ順番が回ってきたとしても、その人がボール地点に到達していなければ先回りしたほかの3人は待機しなければならなくなります」
「また、電磁誘導式のリモコン操作で動くカートならまだしも、自走式のカートしかないゴルフ場では同伴者の誰かに運転をお願いしなければなりません。さらに、フェアウェイへの乗り入れがOKなコースでは、歩いてプレーしている人のために近くまで寄ってクラブを届けたりと、同伴者に手間をかけてしまうことも考えられます」
「同伴者の誰か1人に過度な負担がかかるようなことのないよう、歩いてラウンドをする場合は事前に役割分担や仲間内でルールを決めてからスタートしたほうがいいでしょう」
テキパキとプレーを進められる上級者であれば、歩いてラウンドすることが直接スロープレーにつながるとは限りません。しかし、ラウンドに不慣れなビギナーはショットの方向性が定まらずボールがあちこちに飛んでいく可能性が高いため、常に歩きでのラウンドは体力を消耗するだけでなく、スロープレーに陥ることも考えられます。
ダフったりチョロをしたりしてボールが全然飛ばなかった時などは、次の地点まで歩いたほうが早いケースはあるものの、基本的にはカートに乗って移動したほうがプレースピードは速くなるでしょう。これらのことからも、後続の組が待っていたり遅れが発生しているようなケースであれば、歩きではなく乗用カートを活用して、スロープレーの防止に努めるべきと言えそうです。
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