スタート直後もう尿意が！ 何番まで我慢すればいい？ 覚えておきたいゴルフ場の一般的なトイレ配置

　ゴルフは、スポーツの中でもプレーが終了するまでの時間が特にかかるとされ、昼の食事休憩を除いても前半と後半がそれぞれ2時間15分あるため、少なくとも合計で4時間半以上は屋外で活動することになります。

　長時間をコース内で過ごしていると、途中どこかでトイレに行きたくなることがあると思います。

　では、プレー中にお手洗いに行きたくなった場合はどのようなタイミングで済ませるのがベストなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏（株式会社TPC代表取締役社長）は以下のように話します。

「日本のゴルフでは、1番ホールからラウンドを始める『アウトスタート』と、10番ホールから始める『インスタート』の2種類のスタート方法がありますが、いずれにおいても出発前にクラブハウスで済ませておくのが、同伴者を待たせる必要がないため最もベストなタイミングでしょう。しかし、万が一プレーを開始してからお手洗いに行きたくなった場合は、アウトコースとインコースそれぞれの中間地点、前者は4〜5番ホール、後者は14〜15番ホールのティーイングエリア付近に茶屋や売店のような小休憩ができる施設があり、その中にトイレが設置されています」

「ほかにも、ハーフターンの食事中にお酒を飲む人が多いゴルフ場では、プレーを再開して大体3ホールくらい経過すると利尿作用で急にお手洗いが近くなりやすいので、利用客の要望で茶屋や売店とは別で簡易トイレを置いているところもあります」

「また、お手洗いに行くといっても1〜2分で済ませられるものもあれば、突然お腹が痛くなったり、どうしても時間がかかってしまう時もあるかと思います。そのような際は、後ろの組が近づいている可能性も考えて、いくらイレギュラーな形とはいえスロープレーを防止するためにも、同伴者の了承を得たうえで次のホールは諦めてスキップするなどの形で対応した方が無難だと思います」

　以前は、直前のホールで最もスコアが良かった人が次のホールのオナーとなり、最初にティーショットを打つと定められていました。ただし、近年ではプレーファスト促進のためにスコアの優劣に関係なく準備ができた人から打つべきという「レディーゴルフ」が推奨されています。

　そのため、直前のホールで1番に上がった人がトイレに行く際は「先に打ち始めてもいいですよ」と一声かければ、同伴者が待機する必要もなくなるでしょう。

　しかし、なかにはトイレでもない場所で用を足してしまう信じられないほどマナーの悪い人も少なからずいると飯島氏は話します。

「仮にプレー中に尿意を催したとしても、できる限りトイレまで我慢してほしいですが、ごく一部の年配ゴルファーには林の中に入っていわゆる『立ち小便』をしてしまう人もいます。今は禁止しているゴルフ場もあるので滅多にないかもしれませんが、昔はゴルフ場の茂みでこっそり用を足す人は結構いたという認識があります」

「特に、昭和初期に生まれた世代では小さい頃から街中でも立ち小便をするのが、もはや一般的となっていたのではと思います。かつてはよく見受けられた、電柱や塀に鳥居の絵を描いた『立ち小便禁止』のマークも今では珍しくなったことからも分かるように、現代の若い世代には公然でなりふり構わず用を足すことは理解できない話でしょう。ところが、少し前まではそのようなマナーに対する意識を疑ってしまいかねないゴルファーはざらにいました」

　スタッフがコースを巡回しに来る機会もそれほど頻繁ではないため、隙があればすぐに木陰に入って用を足すことも決して不可能ではないかもしれません。しかし「ゴルフが紳士・淑女のスポーツである」以前に公衆マナーとして問題があるため、たとえ同伴者が見て見ぬふりをしていたり気が付かれなかったりしたとしても、絶対に避けるべきです。

「手を洗ったら洗面台周りを水浸しにしない」など、トイレを使ううえで守るべきことに気をつけるのは、基本的なマナーです。それらに加えてどのようなタイミングで行くべきかについても気にかけるようにすれば、同伴者や周囲のゴルファーにも配慮の行き届いた、より良識のある人と思われるはずです。