「最終組だからスロープレーしても問題なくない?」 後続がいなくても“プレーファスト”はマストなの!?

「最終組でラウンドするときは、後続組を気にして迅速にプレーをする必要はないのでは?」と思ったことがあるかもしれません。

「ペース・オブ・プレー」は日頃から心がけるべき

 ゴルフのラウンドがスタートする時間は基本的に8〜9時ごろですが、最終組は10時過ぎになる場合もあります。

スロープレーは普段のラウンドでは御法度 写真:PIXTA
スロープレーは普段のラウンドでは御法度 写真:PIXTA

「10時過ぎスタート」は朝が苦手な人にも人気な時間帯ですが、後続組がいないので急ぐ必要がない点も魅力の1つです。

 一方で、ゴルフではスロープレーによって後ろの組に迷惑をかけてはいけないといわれていますが、この常識は最終組であっても当てはまるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
 
「確かに最終組だと後続を気にする必要がないので、たとえばカートパスから離れたところに落ちたボールまでの間や、ホール間インターバルなどでわざわざ走る必要はないと思います。そのような部分に魅力を感じ、日頃から最終組の枠を進んで予約している人もいるかもしれません」

「ただし『後ろが詰まっていないから思う存分素振りができる』『納得いくまでパットのライン読みができる』といった考え方がクセになってしまうと、途中の組でラウンドした際に、急にテキパキとプレーすることは難しいでしょう。後続がいないときも過度なスロープレーはせず、日頃からゴルファーとして最低限の『ペース・オブ・プレー』は守るべきだと思います」

「またスタートが遅くなると必然的に日が傾き始めるタイミングも早くなり、終盤のホールに近づくにつれて辺りも暗くなってきます。そのため最終組であったとしても、ある程度のプレーファストを心がけないと、安全上の観点から18ホールを完走できなくなる可能性も出てくるので注意しましょう」

プレーファストはゴルフ場のためでもある

さらに飯島氏は「ゴルフ場のためにも、最終組はスロープレーをしてはならない」と話します。

「営業終了後にはグリーンキーパーが入り、コース管理の作業を始めます。これは多くのゴルファーが知っていることだと思いますが、実際には時間を有効に使うため、営業中でも全ての組が通過したホールから順番に作業をスタートしています。なので最終組がのんびりプレーしていると、そのホールのメンテナンスに取り掛かる時間が遅くなって作業が遅延したり、手入れできない箇所が増えていきます。そうなると、コースも段々と荒れやすくなっていきます」

「翌日の営業開始前にも作業を行うことはありますが、なかには『朝はグリーンの芝刈りやカップ切り』『夜はフェアウェイやラフの芝刈り』と時間帯で作業場所を分担しているゴルフ場も多いです。ほかにも『リップ』と呼ばれるバンカーの縁の部分をきれいに整えたり、コース内にいくつも植えられている樹木の剪定をしたりと、芝以外の設備の手入れもしなければなりません。グリーンキーパーの仕事時間を確保するためにも、ゴルファーはスタートした順番に関係なく、プレーファストを肝に銘じておくようにしましょう」

「過去には、プロのトーナメントでも最終組でスロープレーをしたことで、ペナルティーを受けた事例があります。2018年に開催された『ワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップ』において、最終組として回っていた申ジエ選手、鈴木愛選手、イ・ジョンウン選手の3人全員が競技委員から警告を受けました」

「当時、試合を運営する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)では、2番目以降に打つ選手がストロークに要していい時間を50秒から40秒に短縮したばかりでした。競技委員は『規定の時間よりも、あまりに打つまでに時間がかかっていた』として忠告に踏み切ったようです」

 最終組でラウンドすると気持ちに余裕が生まれて、素振りやライン読み、クラブ選択に時間をかけたくなるかもしれません。しかし18ホールを回り切れなくなる可能性や、コース管理の時間が十分に取れなくなることを避けるために、スロープレーは極力避けるようにしましょう。

【イラスト解説】こんな行動はNO! あなたはスロープレーを助長する“迷惑ゴルファー”になっていないか!?

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スロープレーは普段のラウンドでは御法度 写真:PIXTA
レーキをかける場合は柄をなるべく平行にしてならす 写真:Getty Images
レーキはバンカーの外に置くのが最も一般的 写真:AC
バンカーの内側にフチと平行に置くパターン 写真:AC
レーキのヘッドをバンカー内に入れ、柄の部分をフチと垂直に置くパターン 写真:AC

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