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- スイング効率が違う!? 大人になってからゴルフを始めた人がジュニア経験者に追いつけない理由とは?
一昔前のプロゴルファーには、大人になってからゴルフを始めてもトッププロまで上り詰めた選手が数多くいます。しかし、最近は男女ともにジュニアゴルファー上がりの選手はランキング上位を占めています。これにはどのような理由があるのでしょうか?
ジュニア上がりの人と同じスイングはできない
インドアゴルフスタジオの運営者の方と先日お話しする機会があったのですが、大人になってからゴルフを始めた人とジュニアからゴルフを始めた人のスイングの違いに関する話題で盛り上がりました。
その方はプロ野球選手を目指して強豪校で野球に打ち込んでいましたが、大学時代にゴルフの面白さに気づき、プロゴルファーになろうと方向転換しました。しかしプロテストには合格できず、さまざまなゴルフビジネスを手がけるようになったそうです。
大人になってからゴルフを始めた人とジュニアからゴルフを始めた人のスイングの違いを、その方は次のように語ります。
「大人になってからゴルフを始めると、ゴルフクラブを重たい物だと感じませんから、腕の力でクラブを振ろうとします。ジュニアからゴルフを始めた人たちは、クラブを重たい物と感じるところからスタートしているので、重たい物を速く振るにはどのように動いたらいいかが体に染みついています」
「私もその感覚を身につけようと必死に練習しましたが、ジュニアから始めた人と同じレベルで身につけることはできませんでした。これを野球に置き換えると、大学に入ってから野球を始めた人間が少年野球から始めた人間と同じ感覚を身につけるのは無理ですよね。ジャンボさん(尾崎将司)が大人になってからゴルフを始めてトッププロになったので、自分にもできるのではないかと思いましたが、もうそういう時代ではなくなっていました」
尾崎将司選手は1964年に徳島県立海南高等学校のエースとして春の選抜高校野球に優勝し、1965年に西鉄ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)に入団しましたが、1967年に引退してプロゴルファー転向を決意しました。1970年のプロテストに合格すると、日本プロゴルフ界の歴史を次々と塗り替えました。
ジャンボ軍団の一員である飯合肇さんも大学まで野球に打ち込んだ後ゴルフに転向し、トッププロに登り詰めました。ただし、その後は大人になってからゴルフを始めた選手がツアーで活躍する姿はほとんど見られなくなりました。
ジュニアから始めたスイングは飛距離も精度も比べ物にならない
ジャンボさんや飯合さんが活躍した時代はジュニアからゴルフを始めた選手がほとんどいませんでした。中学を卒業してゴルフ場に就職したことをきっかけにゴルフを始め、プロゴルファーになった人が多かったので、大人になってからゴルフを始めても間に合いました。でも今は、大人になってからでは間に合わないそうです。
「私は野球をしていましたから体格には恵まれているほうですが、そういう問題ではないんですよね。今の若い選手たちは、体は小さくてもビックリするほど飛びます。男子プロはみんな300ヤードくらい飛ばしますし、女子プロも身長150センチの選手が240ヤードくらい飛ばします。しかもミスヒットがほとんどなく、毎回同じ飛距離が出ます。要するに運動効率がめちゃめちゃいいスイングなんです」
「大人になってからゴルフを始めた人でもスイングの運動効率を高めることはできますが、ジュニアから始めた人たちと同じレベルまで高めることができるかといったら、ちょっと難しいと思います」
これはツアープロの練習を間近で見ているとよく分かりますが、選手たちはOBや池やバンカーなどのハザードがなければ基本的にほとんどのショットを狙ったところに打つことができます。
野球のピッチャーでたとえると、10球投げたら10球ともストライクが入ります。100球投げたら何球かはボールになるかもしれませんが、ストライクを投げるのが難しいと感じることはありません。
一方で、大人になってから初めて野球ボールを握った人が始球式に登場すると、ワンバウンドすることもあれば、キャッチャーがジャンプしても取れないような大暴投もあります。大人になってからゴルフを始めるのは、そのような状態からスタートするようなものです。
そこから2~3球に1球ストライクが入るようになれば100切りが狙えますが、10球投げて10球ストライクが入るレベルになるのは相当大変だろうと日々痛感しています。
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