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- 山岳コースのグリーンは芝目が強いって本当? どうしたら芝目を読むことができるのか
山岳コースは、アップダウンやうねりが大きく、難易度が高めと言われています。グリーンの芝目も強いとされていますが、本当のところはどうなのでしょうか。
山岳コースは芝の特性が強く現れやすい
山地を切り開いて作られたゴルフ場は「山岳コース」と呼ばれ、全体的にアップダウンが激しかったりアンジュレーションがきつかったりと、難易度が高めなコースとされています。
グリーンの高低差も大きいため、多くのプレーヤーが頭を抱える山岳コースですが、別の意味でも難しさを助長させているそうです。
実は、山岳コースのグリーンは芝目も強いといわれています。果たして本当なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「ゴルフ場の芝は生きた植物なので、人為的に管理されていても、自然の摂理による影響を非常に強く受けます。一般的に芝は『水の流れる向き』『風向き』、そして『日光が差す方角』によって伸びる方向が決まります」
「特に水は最も重要な要素なので、芝も水が流れる方向に向かって葉先を伸ばそうとします。山岳コースは全体的に傾斜が急で、水が流れる方向も限定的になるため、グリーンの芝目も通常のゴルフ場と比べると強くなりやすいのです」
「また、山地では頂上からの吹き下ろしによって風向きが一定になりやすく、芝は風下となる低地に向かって伸びる傾向にあります。パッティングをする際は、山を背にして順目になっていることが多い点を覚えておくと、芝目を読むのが少し楽になると思います」
「植物は日光を得やすい『太陽の軌道』に向かって成長する性質も持っています。山岳コースに限らず、グリーンの芝目は太陽の通る南や西に向かって伸びていることも、知っておいて損はないでしょう」
なお、一部の山岳コースや丘陵コースでは、芝目がどちらを向いているかすぐにチェックできるよう、グリーンの周辺に木の棒を設置したり小さな木を植えたりして、グリーンで一番高い地点がどこなのかを指し示している場合もあるそうです。
芝目の強いグリーンではゴルフ場も対策を取っている
また、富士山に近いゴルフ場では、「富士山から順目になっている」という噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。実際、芝の知識が豊富な人でも真偽のほどは意見が分かれるようですが、標高の高い山の裾野(すその)にある以上、少なからず影響は出ているのが事実です。
そして、ゴルファーの中にも富士山による芝目の向きを気にする人が多いことから、「富士山はこっち」などと書かれた看板を設置しているところもあるそうです。
では、そのような山岳コースのゴルフ場では、グリーンの管理はどのように行われているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「全てのパッティングがフェアな条件となるよう、芝目ができるだけつかないようにグリーンのメンテナンスを徹底することが、コース管理者には求められます」
「たとえば南に向かって伸びているようであれば『南から北』は刈り込みを2回にするのに対し、『北から南』は1回に抑えるといった工夫が必要です。山岳コースの場合は一定方向へのクセがよりつきやすいので、ただ刈るだけでなく『刈高』に関しても考慮しなければなりません」
「芝と芝の間に間隔を持たせ、密集を防ぐ刈り方で行うなど、通常のコースとは多少異なるメニューで作業をしています。それらに加え、トーナメント仕様の速いグリーンを提供しようとしたら、通常よりも手間や費用はかかるでしょう」
グリーンの芝目を読むのに苦労するゴルファーは多いですが、芝が伸びる方向には一定の法則性があります。その法則性を知っておけば、アプローチの精度向上やパット数の減少につながるかもしれません。
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