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- ドライバーは「カキーン」って音がした方がいいの? “打音の良さ”とショットの良し悪しは関係ある!?
プロゴルファーがドライバーショットをする際、周囲に響き渡るくらいの大音量で「カキーン!」という打音を鳴らすのに憧れを抱く人もいるかもしれません。ドライバーショットでは、「カキーン」と音がした方がいいのでしょうか。
最近のドライバーはナイスショットでなくても音が鳴る
アベレージゴルファーがドライバーで打ってもそれなりに小気味よい金属音は鳴りますが、プロゴルファーともなると周囲に響き渡るくらいの大音量で「カキーン!」という打音が鳴ります。
![良い音がするのがナイスショット? 写真:PIXTA](/wp-content/uploads/2024/12/241210_dakan.jpg)
最初はびっくりしますがその迫力と爽快感に魅力を感じ、「自分ももっと音が出るようなショットがしたい」と思った人もいるかもしれません。
では、ドライバーショットでは「カキーン」と音がした方がいいのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「昔のドライバーは、ナイスショットとミスショットとで打音が明確に異なっていて、前者ならキレイな『カキーン』という音が響き渡りますが、後者ならあまり気持ちの良くない鈍い音が鳴っていました」
「しかし近年のドライバーの多くは“サウンドチューニング”と呼ばれる細工が施されており、ナイスショットでなくてもある程度打音が響くように作られています」
「というのも、今まで“打感の良さ”は手元に伝わってくる振動や『芯を食う・食わない』などで判断されていると思われていたのですが、ゴルファーの多くは“打音”の良し悪しを特に重視していることが調査によって判明したのです」
「各メーカーはナイスショット時とミスショット時での打音の変化を極力減らし、ドライバーに苦手意識を持っている人でもドライバーを扱う楽しさを感じてもらえるよう、心地よい音が出やすいモデルを開発していきました。現在は『カキーンという音が鳴った方がいい』という考え方は通用しなくなっているというべきでしょう」
また、ドライバーの打音はどれも同じと思う人もいるかもしれませんが、ヘッドの内部構造によってメーカーやモデルごとに打音はかなり違いがあるとされます。
たとえばゼクシオのドライバーは、強度を高めるために骨組みや補強板を付ける“リブ構造”を採用しています。日本人は欧米人と比べるとヘッドスピードが遅くなりがちですが、リブ構造だとヘッドの剛性が強まり、中で音が反響するようになります。
テーラーメイドでは打音を追求するべく専門のサウンドエンジニアリングチームを結成し、高すぎもせず低すぎもしない、ちょうど良い高さの金属音を作り出しています。
ドライバーの音はゴルファーのメンタルにも影響する
では、ドライバーの打音はスイングなどにも影響を与えるのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「ミスショットをしたときに鈍い音が鳴ると、『次はしっかりボールに当てて良い音が鳴るようにしなきゃ』と焦りの気持ちが生じ、無意識のうちにスイングがどんどん委縮してしまうでしょう」
「人間は、音を含めた五感によって心理状態が非常に左右されやすい生き物です。『鈍い音=ミスショット』という認識が脳裏に植えつけられると失敗への恐怖心が増大し、チャレンジ精神にあふれたプレーができなくなってしまう可能性があります」
「たとえあまり良いショットでなかったとしても、ボールが弾け飛んでいくような良い音が鳴り響くドライバーであればミスへの恐怖心も克服できますし、より多くのゴルファーから信頼を集められます」
「ただ、ドライバーに慣れてヘッドスピードが上がったり、飛距離よりコントロール性に重きを置き始めたりすると、『カキーン』という音は『ただまっすぐ前に飛ぶだけ』とイメージされやすくなります。そのため、上級者の間では音量が控えめで、なおかつ『バシュッ』といったボールが潰れたような感じがする、やわらかめな音質が好まれる傾向が強いです」
「またドライバーを選ぶ基準としては、ナイスショットとミスショットの飛距離や曲がり具合の差がどのくらい小さいか、そのドライバーがミスをどれだけカバーしてくれるかを第一に考えてほしいです。しかし、音もメンタルに相当な影響があることを加味すると、打音の良さを2番目に考えるのもいいと思います」
なお、今まで使っていたドライバーの打音が突然変わったように聞こえた場合、ヘッドにヒビが入ったり割れたりしている恐れがあるので、使用を中止して用品店で見てもらうのをオススメします。
最近のドライバーは、誰もが心地よい音を体感しやすい工夫がなされているということです。ドライバーに苦手意識がある人は、打音に意識を傾けながら練習していくのもアリかもしれません。
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