- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- 語源の「yip」ってどういう意味? ゴルフが起源の“イップス”になりやすいのはどんな人?
特定の場面になると、体がまるで自分のものではなくなったかのようになる「イップス」。他のスポーツでも耳にしますが、ゴルフが起源とされています。では、ゴルフにおけるイップスはどのような原因で発症するのでしょうか。
「子犬がキャンキャンほえる」を意味する“yip”が語源
スポーツを楽しむ人やアスリートの間で「イップス」は発症し、特定の場面になると体が思い通りに動かせなくなる症状を指します。
「イップス」の語源は、主に1930年代に活躍したアメリカのプロゴルファー、トミー・アーマーがパッティングに悩み「子犬がキャンキャンほえる」を意味する「yip」を元に症状を例え、この名称になったとされています。
野球でもある出来事から、ピッチャーがボールのリリースポイントがわからなくなり、デッドボールを連発してしまうケースが有名かもしれません。
では、ゴルフにおいてイップスはどのような原因で発症するのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。
「一般的に、イップスは今までできていたことが突然できなくなる症状を指しますが、厳密に言うとメンタル面が原因となる『心の病気』です」
「プロの場合は、徹底的にショットやパッティングなどの分析をしていたにもかかわらず、失敗への恐怖心からいざ本番となると、体が動かなくなってしまうケースが見受けられます。やはり、周りからの期待がプレッシャーになることもよくありますし、試合の結果次第で今後の人生が大きく変わる状況にある人も多いので、プロほどイップスに陥りやすいです」
「アマチュアゴルファーの中にも、同じような症状になってしまう人がいます。一見、プロと同じかと思われますが、原因はメンタルからくるものではなく、フィジカル面やスキル面で体が動かなくなっている場合がほとんどです」
「実際に『イップスになった』という人のスイングを見てみると、明らかに百発百中ダフったり、曲がったりするような打ち方をしていて、思った通りにうまくいかないショットに恐怖心を抱いて悩んでいることが多いです」
代表的なイップスの症状として「バックスイングまでは問題なく動かせるけど、ダウンスイングに入った瞬間に止まってしまう」や「アプローチでシャンクを連発する」「数十センチの短いパッティングでも手が硬直し、必要以上に強く打ってしまう」などが挙げられます。
特に、完璧主義者や真面目な人、リスクを考えすぎてしまう人がイップスになりやすいと言われているようです。
プロは最悪の場合、選手生命が絶たれることも
では、イップスは治せるものなのでしょうか。
「プロの場合は、精神的なところから病んでしまっている正真正銘のイップスなので、長期間にわたって心のケアをしていかなければなりません。もはや『不治の病』と言っても過言ではなく、選手生命を絶たざるを得ない場合もあります」
「対して、アマチュアゴルファーに見られるイップスに似た症状は、ほとんど心の病気には該当しないため、レッスンなどを通してスイングの仕方を改善すればしっかりと治すことができるでしょう。すぐに治るとは限りませんが、失敗体験ばかりだったショットを少しずつ成功体験へと上書きできれば、自然と『怖くない』と思えるようになってくるはずです」
ヨーロピアンツアーで活躍した、とある女子プロゴルファーは「パッティングの名手」とも呼べるほどの実力を持っていましたがイップスに悩まされた選手の一人でした。
ほかのショットは非常に調子が良く、パッティングも練習であればどんなに難しいラインでも軽々と入れてしまうにもかかわらず、本番でグリーンに立った瞬間に手が動かなくなるというイップスに苦しめられたそうです。
そこで、当時付き合っていた彼氏に給料を支払ったうえで代わりに仕事を休ませ、練習ラウンドの際に全てのグリーンで待っててもらうという方法で対処しようとしました。
「グリーンに行ったら大好きな彼氏がいる! グリーンではいいことが起きる!」と自分に言い聞かせ続けること数年、彼女は見事にイップスを克服できたという例もあります
アマチュアゴルファーの中にも、イップスのような症状で悩んでいる人もいるかもしれません。しかし、適切な指導を受ければ回復する見込みはあるので、諦めずに向き合えば必ず乗り越えられるでしょう。
最新の記事
pick up
ranking