- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- ゴルフ場の「コース管理」は芝が枯れている冬もめちゃめちゃ忙しい! 芝刈りだけじゃない多岐にわたる仕事内容とは?
コース管理者は、基本的に営業開始前と終了後に作業を行うことが多いですが、ときどき日中でも仕事をしている場合があります。一体なぜなのでしょうか。
夏はもちろん冬もコース管理は大変
ゴルフ場が年間を通していつもきれいな状態で保たれているのは、「コース管理」と呼ばれるスタッフのおかげです。
通常、コース管理のスタッフはプレーヤーがコースに出る前の早朝に出勤し、修繕が必要なところがないかどうかチェックしているので、プレー中に頻繁に見かけることはあまり多くないはずです。
ところが、時として日中にもコース管理のスタッフがコースに出て作業をしていることがありますが、一体なぜなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「日本にある多くのゴルフ場では、1番ホールから回り始める『アウトスタート』と10番ホールから始める『インスタート』の2種類の方法でスタートします。いずれにおいても、中盤あたりのホールにゴルファーが到着するまでには結構時間がかかります」
「そのため、営業を開始した後でも7〜9番ホールや16〜18番ホールにかけての間あたりでは、プレーヤーが来るまでのタイムラグを利用して、コース管理作業をギリギリまで行っているときがあります」
「冬になると、グリーンが凍結してボールの跳ね返りや転がりに影響が出てしまう可能性があります。主に関東以北のゴルフ場では、営業が終了してから翌日にオープンするまでの気温が一気に低下する時間帯は、カバーをかけて芝が凍り付かないようにしているのです」
「ところが、グリーン全体をおおっているカバーには一晩で大量の霜がおりている場合もあり、それを少ない人数のコース管理で全ホールぶんを外してたたんで回収するとなると、結構な重労働で時間もかかります。さらに、そこから芝の状態をチェックして、必要であれば刈り込みを行わなければなりません」
「グリーンでの作業が終わったらフェアウェイやバンカーなどコース内のほかのエリアの点検が待っています。結果として、全体の見回りが終わるまでの間に営業が始まってしまうケースも珍しくありません」
「本来なら前日の営業が終了する間際からグリーンの補修を実施すれば、翌日はほかの場所の作業にあたることができます。しかし冬は前述の理由でグリーンの管理に手間がかかりやすいため、オープン後も作業している場合は多いと思います」
「グリーン芝が局所的に痛むのを防止するためカップを切る位置は毎日変えられますが、作業は一般的には早朝に行われます。冬以外の季節でもある作業ですが、1〜2分で終わるようなものではなく、それを18ホール分やらないといけないと考えると、それなりに時間がかかることは予想できます」
グリーンのメンテナンスで手いっぱいになってしまうことから、別の場所の修繕は最初の組がスタートしてから始まる場合もあるようです。
営業開始後にもさまざまな業務がある
では、営業開始後に行わなければならない作業とはどのようなものなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「日本のゴルフ場のフェアウェイやラフは、コーライ芝や野芝といった暖地型の芝が使用されており、冬は休眠状態になって成長がストップするので、芝刈りをする頻度は減少します。その代わり落ち葉が多くなり、放置しているとプレーに支障が出かねないので、ブロワーなどを使って取り除く必要が生じます」
「ほかにも、フェアウェイの下を通っている暗渠排水管(あんきょはいすいかん)の点検や修理地の処理などの仕事もあります。もちろん、夏は夏で伸び盛りの芝を刈らないとまともにプレーできなくなったり、スプリンクラーで水をまかないと芝が赤く焼けてしまったりするので大変ですが、冬もコース管理者はさまざまな仕事をこなさなければならないでしょう」
木々の剪定やコース管理用の機械整備、害獣対策の設備強化など、営業開始までの数時間ですべてを終わらせることは不可能です。ゴルファーがラウンドを楽しんでいる間も、横で作業を続けるのは仕方がないのかもしれません。
コース管理のスタッフ人数は、かつてはゴルフ場1カ所につき20人前後とされてきましたが、現在では半分程度にまで減っているともいわれています。少数精鋭で18ホールを維持するため尽力してくれているので、ラウンド中にコース管理のスタッフを見かけたら、ねぎらいの言葉をかけてあげるといいでしょう。
最新の記事
pick up
ranking