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- 「インターロッキング」「オーバーラッピング」… グリップの握り方それぞれデメリットはあるの? “転向”はしないほうが無難?
グリップの握り方は「インターロッキング」「オーバーラッピング」の2種類が大勢を占め、これらに「ベースボール」を加えた3つがよく知られています。ゴルファーのタイプ別に見ると、どれがオススメなのでしょうか。
ベースボールグリップも「悪い握り方」ではない
ゴルフのグリップの握り方にはいくつかの種類が存在します。ジュニアからゴルフを始めた人に多いとされる「インターロッキンググリップ」は左の人差し指と右の小指を絡ませるように握ります。最も多数派とされている「オーバーラッピンググリップ」は、左の人差し指の上から右の小指を被せるようにする握り方です。

そして、「ベースボールグリップ」は野球のバットと同じく10本全ての指を使います。これら3種類が主要な握り方とされていますが、どれが自分に合っているのか分からない人も多いかもしれません。
では、グリップの握り方はどれがオススメなのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。
「子供や女性、お年寄りなど握力が弱かったり手が小さい人は、ベースボールグリップで握ることをオススメします。ベースボールグリップは、その名のとおり10本の指で握るため、弱い力でも簡単にグリップ力を高めることができます」
「また、ドライバーなどで遠くに飛ばしたい人も、ベースボールグリップで握れば右手の力を最大限クラブに伝えられるので、飛距離の向上につながります」
「一方で、インターロッキンググリップは方向性を安定させるのに優れており、握力が強くて飛距離は出せるけれども曲がりやすい人にオススメです。また、左手と右手の一体感が強まるため、スイング時に両手が離れてしまうこともありません」
「そしてオーバーラッピンググリップは、使える右手の指が左手より1本少なくなるため、左手主導のスイングが作りやすくなります。ビギナーはドライバーのスライスで悩むことが多いですが、それは右手主導のスイングによってアウトサイドインの軌道を描いていることも原因のひとつです。そのため、こちらも方向性を安定させたい場合に向いています」
ビギナーの中には「ベースボールグリップは初歩的な握り方だから、できるだけ早めに卒業しましょう」と言われた経験がある人もいるかもしれません。しかし、プロゴルファーの時松源藏(昨年までの登録名は隆光)は昔からベースボールグリップで握っており、実際に数々の試合で良い結果を残しています。
なお、ベースボールグリップと同じく10本の指で握る「テンフィンガーグリップ」という握り方もありますが、前者が左手の親指を伸ばさずに「グー」をしているのに対し、後者は左手の親指をクラブに添えるように立て、右手のひらで左手親指を包むように握る点で若干の違いがあります。
ちなみに、右手の握力が強すぎるゴルファーの中には、インターロッキングやオーバーラッピングで指を2本絡めたり重ねたりする人もまれにいるそうです。
3種類の握り方のそれぞれのデメリットは?
では、「ベースボール」「インターロッキング」「オーバーラッピング」の主要な3種類の握り方には、それぞれどのようなデメリットがあるのでしょうか。山本氏は以下のように話します。
「まず、ベースボールは『悪い握り方』ではありませんが、多くのレッスンやスクールではインターロッキングやオーバーラッピングが勧められがちで、お手本となる事例が少ない点がデメリットです。また、スイングの途中で左手と右手が離れやすくなって一体感が感じられず、コントロール性能はあまり優れていません」
「次にインターロッキングは左の人差し指と右の小指を強く絡ませることから、小指が圧迫されて痛いと感じてしまう人も多いでしょう。私ももともとはインターロッキングで握っていましたが、ずっと続けていたら手が痛くなったので、途中からオーバーラッピングに変更しました。両者は『方向性を良くする』点でメリットが共通しているため、レッスンで教えている人にも途中で変えた人が少なくありません」
「そして、オーバーラッピングにおいては右手の小指だけが浮いている状態になっているため、違和感を感じたり、右利きの場合は右手が使いづらくなったりする点がデメリットといえるでしょう」
山本氏によると、グリップの握り方を途中で変えること自体はOKなようです。しかし、「インターロッキングからオーバーラッピング」のように左右固定していたものをほどくより、「ベースボールからインターロッキング」のように、もともとバラバラだったものを固定させる方が窮屈さを感じる場合が多く、難しくなるそうです。
また、プロや上級者の中には「クラブの番手ごとに握り方を変えている」という人もいます。とはいえ、状況に合わせてショットのレパートリーを柔軟に調整できる人がやるべきことであり、基礎を身につけるのが最優先となるビギナーは基本的にどのクラブでも握り方は変えない方が良いとされています。
一言に「グリップの握り方」といってもさまざまな種類が存在しますが、それぞれにメリット、デメリットや向いている人の特性があります。まずはいろいろと試してみて、最もしっくりきたと感じた握り方を実践してみるといいでしょう。
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