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- 「なんかカッコ悪い」って敬遠していない!? パターに苦手意識がある人こそ試したい長尺パターの魅力とは?
一般的にパターは14本のクラブの中で最も短いですが、なかには「長尺パター」と呼ばれるシャフトが長い特殊なものがあります。アマチュアで使っている人はかなり珍しいとされていますが、実際、長尺パターを使用する人は減ってきているのでしょうか。
ストロークで無駄な強弱が生まれにくい
パターは14本のクラブの中で最も短いのが一般的ですが、なかには「長尺パター」と呼ばれるグリップが2つに分かれた、シャフトの長い特殊なものも存在します。

プロのトーナメントでも見かける機会はあまりないですが、アベレージゴルファーともなると使っている人はもっと少なくなるでしょう。「長尺は昔の人が使っているイメージが強い」という人もいるかもしれません。
では実際、長尺パターを使用する人は減ってきているのでしょうか。クラフトマン兼レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「長尺パターとは、一般的なパターのシャフトが34インチ前後であるのに対し、45インチ前後と10インチ以上長く取られているものを指します」
「確かに使っている人は少ないですが、クラブの技術的な進歩やスイング理論の変化など、トレンドによって使用率が変化するものではありません。長尺は少数派でありながら、それなりに一定のニーズは維持しているというのが正しい言い方かもしれません」
「長尺パターはクラブの重量が重くなるので、ストロークの際に無駄な強弱が生まれにくく、振り子のようにスイングが安定しやすくなるのが最大のメリットです。一般的なパターよりライ角がアップライト(大きめ)に取られているのも特徴との一つです。前傾姿勢が浅くなって腰に対する負担が減るという点から、腰痛を持っている人にもオススメでしょう」
さらに、プロの中には今まで一般的なパターを使っていたもののイップスになり、ストロークを根本から変える目的で長尺パターに切り替える選手もいます。
一方でデメリットとして「ボールとカップとの距離感が分かりにくい」「前傾姿勢が浅いと体全体で風を受け止めるようになるため、風が強い日は不安定になる」「持ち運びがしづらく、一般的なキャディーバッグには入らない」などが挙げられます。
クラブを体のどこかに固定させるのが「アンカリング」
昔の使ってた人が多いイメージもある長尺パターですが、どのようなプロが使用しているのでしょうか。
「現在はシニアツアーで活躍しているベルンハルト・ランガーは長年にわたって長尺を愛用しています。マスターズで2度の優勝、さらに全米シニアツアーで最多優勝回数を記録しています。ほかにも、アダム・スコットは、ソールに16個ものウエートが内蔵されているかなり奇抜な見た目のものを使用しており注目されています」
「飛ばし屋として有名のブライソン・デシャンボーは、一般的な長さのパターと長尺パターの中間の長さである『中尺パター』を使用しています。前腕をグリップに密着させて打つ『アームロック』と呼ばれる方法を採用していることでも有名です」
「長尺の方が安定感は優れていますが、ある程度練習に時間をかけないと使いこなすのは難しいです。そのため、長尺よりは短い中尺にすれば特別な練習をあまりしなくても済み、加えてアームロックで打つことにより、一層安定したパッティングができるようにしているのでしょう」
長尺パターの使用に関して注意したいのが「アンカリング」という打ち方です。主に長尺を使用する選手が採用し、クラブを体のどこかに固定させて使用することを指します。
安定感がありすぎるあまり、プロでもアンカリングを採用している選手ばかりが優勝してしまうという事態が過去にありました。そのため2016年にこの打ち方がルール改定により禁止になりました。
あくまで打ち方の一種が禁止になっただけで、長尺や中尺パターそのものが使えなくなった訳でなく、現在でも愛用者たちはアンカリングに気をつけながら使用を継続しています。むしろ、近年では「繊細さが求められるパッティングがしやすくなる」として人気が再燃しつつあるようです。
「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、実際に長尺パターは大きな見た目のクラブでありながら緊張などによって生じるブレや無駄な力を取り除き、ショートパットでも安心感を与えてくれると言われています。パットが苦手な人こそ長尺を検討してみるのもアリかもしれません。
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