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- “中央部分に芝が生えている”カート道はなぜ生まれた? 間の芝地にボールが止まったらどうするの!?
ゴルフコースの端には、乗用カートを通すための道路があります。全舗装されたものがある一方で、中には線路のように2本のコンクリートブロックが敷かれ、その間から芝が生えているものも存在します。
「道路の間に芝を植えた」のではなく「芝だったところに道を作った」
ゴルフコースの端には、乗用カートを通すための道路(カート道、カートパスなどともいう)が設置されており、スムーズなプレーを実現する「縁の下の力持ち」的な役割を担っています。

そんなカート道の中には全体がコンクリートやアスファルトで舗装されているものもあれば、線路のように2本のコンクリートブロックが敷かれ、その間から芝が生えているものもあります。これはどうしてなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「一見すると、カート道の中に芝が植えられているようにも見えますが、実際は元々芝しかなかったところに後付けで、2本のレールの形をした道を設置したというのが正しいです」
「イギリスのスコットランドで誕生したゴルフは、全て歩いてラウンドするところから始まったので、明治時代に日本で建設されたコースの大半は、それにならって歩きを前提とした配置となっていました」
「一方、アメリカでは比較的早い段階から乗用カートを用いた合理的なプレースタイルが定着していました。日本でもバブル経済のときに急速に導入が進められたのですが、カートを走らせる作りではなかったため、芝地の一部を舗装する改良が行われました」
「そこで、路面を2メートルくらいの幅でアスファルト舗装する方法に加え、2本のレールのような形のブロックを埋め込むという方法を取るところもありました」
「これには『カートが通る部分全体を舗装するよりも人工物が見える範囲が小さくなり、ティーイングエリアからの景観が損なわれない』『万が一ボールがカート道に着弾しても、硬い舗装でイレギュラーな弾み方をするリスクを減らせる』といった狙いがあります」
2本のコンクリートブロックを敷く方式は、時代が進んで電磁誘導を採用することになってからも使われました。中央の芝の下に設備に必要な配線を埋め込めばいいので、結果的に全舗装にするよりも効率的だったといいます。
ちなみにカートでのラウンドが古くから浸透しているアメリカの場合、特に雨量が多い地域についてはカート道が排水路としても機能するよう、ホールの傾斜の付け方にも工夫があるそうです。
アメリカではカートに乗ったままフェアウェイに乗り入れるラウンドが一般的ですが、道に向かって傾斜をつけると排水がスムーズに行われ、フェアウェイの地面が乾きやすくなって早く乗り入れを再開させることができるのです。
ブロックの間の芝地にボールが止まったらどうすればいい?
では、もしも2本のコンクリートブロックの間の芝地にボールが止まってしまったら、そのまま打ってもいいのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「全舗装の道を敷いているところも含めてほとんど全てのゴルフ場では、カート道にボールが止まったら救済措置を行うことがローカルルールで定められています」
「まず、カート道を避けて完全にショットができ、ピンに寄らない範囲でボールがあった位置から最も近い場所をニヤレストポイントとし、そこにティーやグリーンフォークを立てて目印を作ります」
「この際、進行方向の右側がニヤレストポイントで、カート道のすぐ近くにマークすると、右打ちならアドレス時に足がカート道にかかってしまうので、足を置くスペースを考慮しておく必要があります」
「ニヤレストポイントを起点に1クラブレングス以内でヒザの高さからドロップすれば、救済措置は完了です。なお、ここでいう“1クラブレングス”とは、2019年のルール改正により『パター以外で最も長いクラブの長さ』となったため、基本的にはドライバーを物差しとしましょう」
また、愛知県や岐阜県など東海地方の一部のゴルフ場では、カート道がフェアウェイのど真ん中を通っているところもあるようです。これにはセルフプレーで回った際に左右どちら側からでも出られるようにすることで、カートとショット位置との往復を減らし、スロープレーの防止効果が見込めるメリットがあるとされています。
飯島氏は「フェアウェイの真ん中を貫くようにカート道があると、中央が芝になっているとはいえティーイングエリアからの見栄えが悪くなりやすい」「舗装された箇所にボールが着弾したらイレギュラーなバウンドをし、場合によってはランの距離が異常に伸びてアンフェアになりやすい」といったデメリットも考えられると話します。
カート道は単なる「カートが走るための舗装された道路」ではなく、見映えの良し悪しやプレー中のトラブルを防ぐといった配慮までなされているのです。そのことを豆知識として知っておくと、ラウンド中のちょっとした話題に使えるかもしれません。
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