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- 「宮殿かよ!」というオーバースペックなゴルフ場のクラブハウス… バブル期はなぜ豪華な造りが求められたの?
ゴルフ場のクラブハウスには、洋館や豪邸を彷彿させる非常に豪華な見た目のものも多いです。どのような背景から豪華な造りが求められたのでしょうか。
バブル経済がもたらした「会員権神話」の遺産
ゴルフ場の“顔”とも言えるクラブハウスは、ゴルファーたちの憩いの場としての機能も果たしています。また、なかには洋館や豪邸を彷彿させる、非常に豪華な見た目を売りとしているゴルフ場も少なくありません。

ビギナーの場合、その外観に圧倒されるかもしれませんが、どうしてここまで豪華で凝ったデザインを採用しているのか疑問に思う人もいるでしょう。
では、ゴルフ場のクラブハウスはどのような背景から豪華な造りが求められたのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように説明します。
「1980年代後半のバブル経済によって資金が潤沢となったゴルフ場業界では、新規開発の機運が高まりました。しかし、日本の狭い国土の中でゴルフ場が乱立すると他の事業などに回せる土地が少なくなってしまう恐れが出てきました」
「そのため、バブル期の後半には主に関東近郊で建設計画が凍結されるケースも出てきました。一方、規制がかかる直前に開発許可を得たゴルフ場は、競合相手がいなくなったのをチャンスと見て『投資対象にもなるし、決して価値が下がるものではない』と、会員権を高額で売るようになります」
「そして、超高額な会員権を買ってもらうからには、クラブハウスの造りもそれに見合うようなものである必要があると考え、より豪華な仕立てになっていったのです」
「バブル崩壊以降は多くのゴルフ場が資金難に陥ってしまい、さらに追い打ちをかけるがごとくゴルフ人口も減少傾向となったため、ゴルフ場の新規開発はほとんどなくなりました。あの頃と同じようなクラブハウスはもう造れないかもしれません」
当時は建設途中、または建設が未着手の状態であっても会員権募集が認められており、度重なる計画変更と周囲からの期待が積み重なって、クラブハウスは当初の計画よりも豪華かつ巨大化していきました。
なかには、出来上がる前から雰囲気を味わってもらおうと、イメージ図などが記載されたパンフレットを桐箱に入れてアピールしたところもあったようです。
さらに飯島氏によると、「会員権はゴルフ経験の有無に関係なく、一般的な投資対象の一つされていたため、ゴルフを全くやらない人も争奪戦に徐々に加わっていった」そうです。
しかし、バブル崩壊がきっかけで会員権価格は暴落して運営が難しくなり、会員から集めた預託金を返還できないゴルフ場が続出して破綻にまで至る「預託金償還問題」に発展したというのが、「ゴルフ会員権神話」の末路と言えるのです。
クラブハウス内のサービスは今と昔で質が変わった?
では、ゴルフ場の設備やサービスで昔と今で大きく変わったものは、他に何があるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「レストランに関して言うと、『料理の美味しさ』という面ではそこまでレベルは下がっていないと思いますが、人件費の高騰などによって接客サービスの仕方は変化しました」
「例えば、かつてはグラス1杯の水を頼むにもウエイターやウエイトレスの方が持ってきてくれましたが、現在は各テーブルにピッチャーが置かれ、飲みたい人がセルフで注ぐ方式になっています。ほかにも、コーヒーやソフトドリンク類はファミレスのような“ドリンクバー”方式にしたり、オーダーはタブレットで行って配膳はロボットで運ぶといったスタイルも登場しているのが、ゴルフ場レストランの現在の姿と言えます」
「また、高度な調理スキルを持った人がいなくても質の高い料理を提供できるよう、“セントラルキッチン”と呼ばれるシステムを採用しているゴルフ場も増えつつあります。セントラルキッチンであれば、下ごしらえが済んでいる食材を温めたり盛り付けたりするだけですぐに完成するので、提供時間の短縮だけでなくアルバイトのスタッフでも対応できる点で、これからのレストラン運営には向いていると言えるでしょう」
さらに、バブル期におけるゴルフ場のレストランではおつまみやスナック類をワゴンに乗せて各テーブルを回るというサービスもあったようですが、こちらも今ではほとんど見られない光景になっています。
当時の栄華を知っているゴルファーのなかには、「あの頃の豪華なクラブハウスが見られなくなってしまうのは寂しい」と感じる人も少なくないはずです。しかし、その一方で「クラブハウスは必要最低限の設備があればいい」という意見があるのも事実であり、今後もゴルフ場やクラブハウスに対するコンセプトや価値観は変わっていくかもしれません。
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