最短で上達したいなら「両方」がベター!? レッスンを受けるなら「屋外打ちっぱなし」と「インドア」のどっちがいい？

　ゴルフの練習場には屋外のいわゆる“打ちっ放し”と、専用のスクリーンに向かって打つ“シミュレーションゴルフ（インドアゴルフ）”の2種類があります。

　どちらの練習場でも多くの施設でレッスンが開催されていますが、練習環境が異なるので「レッスンの内容も変わることがあるの？」と思う人もいるかもしれません。

　では、打ちっ放しとシミュレーションゴルフを比較した場合、レッスン方法に違いはあるのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。

「私は打ちっ放しとシミュレーションゴルフの両方でレッスン経験がありますが、『屋外か屋内か』という明確な違いから、指導方法も変わってくるのではと思っています」

「シミュレーションゴルフの場合、打球は目の前のスクリーンに反映されるもののリアルな弾道をチェックできないため、“トラックマン”に代表されるような精密な測定器を通してスイングやショットの特性を分析します」

「そして、モニターに表示されたヘッドスピードや打ち出し角といった数値をもとに、レッスンプロが補足の解説を加えながらミスショットの原因や改善策を説明していきます」

「打ちっ放しの場合は、リアルな打球を見ながら指導できます。また気温や風の向き・強さといった気象条件にも左右されるという特徴を生かし、コースに出た際に使える打ち分けやクラブ選択のアドバイスも可能です」

「正確なヘッドスピードや打ち出し角を割り出すのは難しいですが、その代わりにさまざまな視点からレッスンできるので、打ちっ放しの方がより高度な指導技術が求められる場合も少なくないのです」

　とはいえ「打ちっ放しとシミュレーションゴルフのどちらが上達しやすいかは人によって異なるため、一概にどちらがレッスンに適しているか断言できるものではない」と三浦氏は付け加えます。

　なかには「シミュレーションゴルフしか行かない人」や反対に「打ちっ放ししか行かない人」もいるかもしれませんが、できることならどちらも経験したほうがいいのでしょうか。三浦氏は以下のように話します。

「どちらでレッスンを受けるかは自由ですが、お金と時間に余裕があるのならシミュレーションゴルフと打ちっ放しの両方に行ってみるといいです。さらにそれぞれで練習の目的を切り替えることをオススメします」

「たとえば前者は、スイング作りや“基礎練習”を積み重ねる場所としてうってつけです。対して後者は、打球の曲がり幅や風による影響を把握したり、遠く離れたターゲット方向に正しく打ったりする“実践練習”の場として捉えてみましょう」

「打ちっ放しの練習においては、『飛距離が出る・出ない』にこだわらないことが大切です。飛距離は風の影響や体のコンディションによっても変わります。『目標の距離まで飛ばすにはどの番手でコントロールするのがベターか』などを、柔軟に考えながら打った方がいいと思います」

　シミュレーションゴルフで練習する際は、「天候に左右されない」という利点を生かし、同じ飛距離や方向性のショットをどれだけ繰り返せるか、弾道計測機の結果のバラつきをいかになくせるかといった点に重きを置くと効果的だといいます。

　最近は、都市部を中心にシミュレーションゴルフが増えている傾向もありますが、屋外の打ちっ放しでしか体験できないレッスンもあるということも知っておくと、練習場選びの基準になるかもしれません。