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- アイアンセットって多くても3番からだけど… 「1番」や「2番」も存在するの? 難しすぎてプロでも打てない!?
アイアンセットは基本的には5番から、どんなに多くても3番からとなっています。では、アイアンにも1番や2番は存在するのでしょうか。
かつては1番・2番アイアンは一般的なクラブだった
ゴルフクラブと一口に言っても非常に多様な種類がありますが、ドライバーやフェアウェイウッドなどのヘッドが大きくて飛距離を稼ぐことができる「ウッド」と、グリーンまでの残りの距離に合わせてさまざまな番手から選ぶ「アイアン」の2種類が大半を占めています。

アイアンは複数本をセットで販売するのが基本ですが、セット外の別売りでも3番からしかなく「少し中途半端なのでは」と感じたことがある人もいるかもしれません。アイアンにも1番や2番は存在するのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。
「かつてはアイアンにも1番や2番はあり、特に飛距離が出せることから1番は『ドライビングアイアン』とも呼ばれました。今となっては用品店でもほとんど見かけませんが、私がまだジュニアだった40年ほど前までは割と一般的なクラブでした」
「現在は5番アイアンや7番アイアンから始まるセットが普通ですが、当時はそのような売り方はあり得ないもので、『ロングアイアン』に分類される3番アイアンからのセットが当たり前でした」
「また、フェアウェイウッドも通常であれば3〜4番で短くても5番までしかなく、そうするとウッドとアイアンとの間で飛距離の差が開き過ぎてしまうので、飛距離による選択肢を増やすために用いられたのがドライビングアイアンや、そのもう1つ下の番手である2番アイアンでした」
「ちなみに、40年ほど前はアプローチウェッジはまだ開発されていなかったので、アイアンを今より多く入れていてもクラブ全体の本数は変わっていません」
「アイアンといえば、最も中心となる7番なら飛距離が150ヤード前後とされているので、そこまで飛ばないイメージを持たれるかもしれません。しかし、ドライビングアイアンの場合は少なくとも200ヤード以上飛ぶので、アイアンの中では異質な存在と考えることもできるでしょう」
なお、かつての分類では1〜3番が「ロングアイアン」、4〜6番が「ミドルアイアン」、そして7〜9番が「ショートアイアン」とされました。当時はロングアイアンから入っているのが当たり前だったそうです。
ドライビングアイアンの次に飛距離が長い2番アイアンも最近ではほとんど見かけませんが、例年、全英オープンなど風が強いリンクスでの試合では、ティーショットでボールを上げないために入れる選手がよく見られます。リンクスは地面が硬いため、低い弾道でもランで飛距離を稼げることもあるようです。
当時でも上級者しか扱うのは困難だった
では、ドライビングアイアンはなぜゴルファーに使われる機会が減ってしまったのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「7番アイアンのロフト角はおよそ30度前後ですが、ドライビングアイアンはその半分の15度前後しかなく、フェースも一目瞭然でかなり鋭く立っています」
「さらに、番手が上がるとシャフトも段々と長くなってくるので、当時でさえも3番アイアンを使いこなせる人が少なかったことを考えると、ドライビングアイアンを手なずけることができたのは本当に一握りのゴルファーに限られていました」
「しかし、そのままではフェアウェイウッドとアイアンとの間の飛距離の差をいつまでも埋められないので、誰でも容易に200ヤード前後を飛ばせるように作られたのが7番ウッドやユーティリティーです」
「メリットがあるとすれば『ユーティリティーと比べると弾道が曲がりにくい』という点ですが、ヘッドスピードが毎秒50メートル以上ないとボールもなかなか上げられないはずなので、いずれにしてもアマチュアには不向きなクラブといえるでしょう」
ビギナーの中では、ユーティリティーが打ちやすくて一番得意なクラブという人も少なくないですが、アマチュアがミドルアイアンとウッド系の中間の飛距離を簡単に出せるようになったのは、およそ30年前のゴルファーたちにとっては夢のような話でした。
その代わりにドライビングアイアンは、ほとんどの人が手を付けようとしない「絶滅危惧種」となってしまいましたが、今でも一部では「真の上級者の証」とされているようです。
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