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ラウンド中のひとネタ! ピンフラッグって最初は「旗」ではなく「カゴ」だったって知ってた?

2025.03.29 ピーコックブルー
ゴルフ場 トリビア

グリーンに立っているピンフラッグは、カップがどこにあるかを指し示すものですが、実はプレーヤーがより狙いやすくなるよう、長い年月をかけて改良が重ねられた歴史を持っています。

“ウィッカーバスケット”

 グリーンのカップには、遠くからでもその位置が分かりやすいようにピンフラッグが立てられていますが、実はプレーヤーが目指すべきターゲットとしてしっかり機能できるよう、長い年月をかけて改良が重ねられた歴史を持っています。

 では、ゴルフの歴史の中でピンフラッグは、どのような変遷をたどっていったのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

メリオンゴルフクラブの“ウィッカーバスケット” 写真:Getty Images
メリオンゴルフクラブの“ウィッカーバスケット” 写真:Getty Images

「ピンフラッグの起源とされているのは、競技ゴルフ発祥の地でもあるイギリス・スコットランド地方のコースで使われていた柳のツルを編んで作られたカゴで、“ウィッカーバスケット”と呼ばれていました。かの地のゴルフ場は、海岸線の荒廃地を利用して造成されたいわゆる“リンクス”であり、常に強風が吹きすさび雨も横殴りで降るような、非常に過酷な環境下に置かれているのが特徴的です」

「そうした環境では、カゴがすぐにボロボロになってしまってカップがどこにあるか分からなくなるため、1800年代の終わりごろから耐久性に優れたウィッカーバスケットを使うようになったのです」

「それ以外にも、スコットランドの漁師がロブスターを捕獲する仕掛け用のカゴを、竹竿に被せてカップに刺したことが起源だという話もあります」

「いずれにしても、女性が主に使うハットの留め具に姿かたちが似ていることから“ピン”と名付けられたといわれ、後にカゴが旗に変わった際に“ピンフラッグ”へと進化したとされています」

 なお、ウィッカーバスケットが使用されていた時代にはプレーヤーが事前にスタッフに申し出をすれば、サンドウィッチなどの軽食を途中で用意してもらえるサービスがあり、カゴの部分をランチボックス代わりにしていたという逸話もあるそうです。

 現在では世界中のほとんどのコースでピンフラッグが使われていますが、アメリカのペンシルベニア州にある「メリオンゴルフクラブ」では、伝統を重んじるため1912年の開場以来、110年以上もの間ずっとウィッカーバスケットを使っています。2013年に全米オープンの会場となった際にも、その伝統はしっかりと守られていました。

「ピンフラッグ」になった後も改良は続けられてきた

 では、ウィッカーバスケットがピンフラッグに変化した後は、どのような改良が行われていったのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「現在ピンフラッグに使われている旗は、縦が345mmで横が500mm程度の長方形が一般的ですが、かつては三角形の“ペナント型”が主流でした。

 ペナント型は、表面積が四角形よりも小さくて端に行くほど絞られているので空気抵抗を抑えることができ、長い間強風にあおられても傷みにくいというメリットがあります。しかし、その代わりに視認性が悪くゴルファーからの評判が芳しくなかったなどの背景から、次第に長方形の旗へと置き換わっていったのです。

 旗をピンにつなぎとめる方式は、3点を紐で結ぶ方法と、旗の1辺にチューブを取り付けてピンの上から被せる方法の2種類があります。前者は風の影響で紐が擦り切れたり、“スイベル”という金具が別途必要となったりする点で、少々扱いが面倒でした。そのため、最近は根元の劣化がしづらく取り外しも簡単な後者がポピュラーになっています。

 ちなみに「セント・アンドリュース・オールドコース」では、沿岸の強風対策として旗をメッシュ状とすることで、耐久性と視認性を両立しています」

 もちろん旗だけでなく、ピンにも改良の手が加えられています。視認性を向上させるべく、真ん中に向かって直径が少しずつ太くなっているピンは、当初はプロの試合で使われていたことから“トーナメントピン”と名付けられましたが、現在は一般的なゴルフ場でも多く採用されています。

 また、今やゴルファーの必需品となっているレーザー距離計ですが、普及し始めたころはレーザーの照射能力が芳しくなかったため、先端に金属板を設置して跳ね返りを補助する機能が付いたピンも開発されました。

 ゴルファーはどうしてもカップに目を奪われがちですが、ピンフラッグにも意識を向けてみると、「今の姿がもっとも機能的で理にかなっているんだな」という風に感じられるかもしれません。

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