- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- カラーから寄せるときは“どんなときも”パターが正解なの? ウェッジと比べた“損得勘定”を状況別に聞いてみた
日本語でいうと「襟」を意味するカラー。カラーからピンへ寄せていく場合、ウェッジとパターのどちらを選択した方がいいのでしょうか。
パターがもっともやさしく、もっとも堅実
多くのゴルフ場では、グリーンの周囲をぐるりと囲む「カラー」と呼ばれるエリアが設けられています。カラーの幅は一般的に50〜70センチ程度でそろえられ、芝はグリーンより長く、フェアウェイより短い程度に刈り込まれています。

カラーはグリーンとジェネラルエリアの緩衝地帯であると同時に、グリーンからラフなどにこぼれ落ちてしまうことを防ぐセーフティーネットでもあります。ちなみにカラーとは、日本語でいうと「襟」を意味します。
では、もしもカラーにボールが止まった場合、ウェッジとパターのどちらを選択するのがベターなのでしょうか。レッスンプロの小松拓夢氏に話を聞いてみました。
「カラーは“グリーンオンにはならない場所”ですが、どのような状況であったとしても、パターがもっともやさしく、もっとも堅実な選択肢になると思います。とくにビギナーの場合は、パターの一択と断言できるでしょう」
「カラーの先はグリーン面しかなく、短く刈り込まれた芝はグリーンに近しいので、もっともピンに寄せやすい方法は“転がし”になります。そして転がしで寄せていく場合、ウェッジとパターのどちらが簡単かといえば、やはりパターになります。そもそもパターは、転がすことに特化して作られたクラブだからです」
「ウェッジで寄せていく場合、直接グリーン面に落とすケースがほとんどなので、カラーで受ける芝の抵抗を計算しなくて済むというメリットがあります。その一方、ザックリで目の前にポトンとか、トップで大オーバーといったミスのリスクもともないます」
ちなみに筆者のホームコースでは、「カラーで使用できるクラブはパターのみ」というローカルルールがあるため、そもそもパターしか選択肢がありません。このローカルルールによって、カラーの芝を保護しつつ、ゴルフ場全体の流れをスムーズにしているのです。
パターで寄せる経験の積み重ねがスコアアップにつながる
カラーはあくまでもグリーンではないため、ボールをマークしてピックアップしたり、汚れを拭き取ったりできないので、ビギナーの方は留意しておきましょう。
そして、カラーから寄せる場合は「どのような状況でもパターがもっとも堅実」と小松プロは言いますが、さらに踏み込んだ質問をしてみました。
たとえば冬と夏、上り傾斜と下り傾斜、順目と逆目といった異なる状況では、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
「カラーから寄せるアプローチは、季節を問わずにパターを推奨します。カラーのように転がしていける状況の場合、統計的にはパターを使った方が、たとえミスしたとしてもうまくいったケースとの差が小さくなります」
「ウェッジの場合、うまくいくケースもあるかもしれませんが、想定外の大きなミスになることもあるでしょう。構えた時の安心感も、パターの方が大きいはずです」
「下り傾斜になると、こういった傾向がさらに強くなります。上り傾斜の場合、グリーン面が受けている分だけリスクは小さくなりますが、パターを使った方が距離感のタッチを合わせやすく、その後に打つパットにも生かしやすいはずです」
「順目の場合、芝の抵抗を気にすることなく、シンプルにストロークしていいと思います。逆目の場合は、芝から受ける抵抗の分だけ大きめにストロークする必要がありますが、ウェッジのようにヘッドが地面に刺さる心配がないので、安心してストロークできるはずです」
「ちなみにカラーよりも外側の、フェアウェイにボールがある場合は、カラーにごく近い場所でない限り、パターで転がす方法はあまりオススメしません。フェアウェイの芝はカラーよりも長く“食われやすい”ため、距離感を合わせることが難しくなるからです。芝が薄い冬ならまだしも、芝が元気な夏はさらに難易度が高まります」
「ただし、グリーン周りのウェッジに苦手意識があったり、グリーンに乗ればOKと割り切るのであれば、パターを選択するのも完全にナシではありません」
カラーからアプローチする場合、「練習だからウェッジで打ってみる」という人もいますが、そんな時こそ「パターで寄せる練習」をした方が、スコアアップに直結する距離感が磨かれるかもしれません。
文/のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬をこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.7」。
最新の記事
pick up
ranking