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- もう需要がない? 減少傾向にあるゴルフ場の「メンバーズルーム」 誰がどんな目的で使う場所なの?
多くのゴルフ場では、クラブハウスの奥に行くとメンバー以外の入室が制限されている「メンバーズルーム」という部屋があります。このメンバーズルームとはどのような部屋なのでしょうか。
メンバーしか体験できない上質な空間
多くのゴルフ場では、クラブハウスの奥に行くとメンバー以外の入室が制限されている「メンバーズルーム」という部屋があります。このメンバーズルームとはどのような部屋なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「クラブハウスのフロント周りには、ソファやテーブルが置いてあって、メンバーはもちろんその同伴・紹介で来たゲスト、ビジターも利用することができます。しかし、メンバーズルームは、その名の通りゴルフ場のメンバーしか立ち入ることができず、スタート前の待機場所として利用したり、ラウンドから上がった後に仲間と談笑したりと、クラブハウスでの時間をゆったりと過ごしたいメンバーのために設けられています」
「コンセプトや内装はゴルフ場によってさまざまですが、豪華なところではバーが併設されていてお酒を飲めるようになっていたり、窓が大きくて眺望が優れていたりしています。ほかには、ハーフターンでの食事をレストランではなく、メンバーズルームでとれるようにしている場合もあります。また、クラブ内で開催される“理事長杯”や“クラブチャンピオンシップ”などの競技で、優勝者に贈られるトロフィーが展示されていることも多いです」
北海道の「恵庭カントリー倶楽部」のメンバーズルームは、ドリンクやお菓子類が用意されているほか、トラックマンを導入したシミュレーションゴルフも楽しめるようになっており、シミュレーターに関してはメンバー同伴のゲストも利用できるようになっています。また、福岡県の「古賀ゴルフ・クラブ」では、メンバーズルームのさらに奥に“エグゼクティブルーム”が設けられ、より静かで荘厳な雰囲気を楽しむことができるようです。
バブル崩壊以降はゴルフ場のサービスも徐々に変化
飯島氏は「メンバーズルームのようなメンバーしか受けられないサービスは減少傾向にある」と続けます。
「バブル経済が崩壊して以降、ゴルフ場はメンバー主体のままでは経営を続けることが難しくなってしまったため、余った予約枠はインターネットで公開したり、お得なプランを設定したりしてビジターをどんどん受け入れる方針へと転換しました」
「ところが、その影響でメンバーとビジターの間の待遇格差が小さくなっていき、場合によってはビジターの方が優遇されているのではと思わざるを得ないゴルフ場も現れました。そして、メンバーズルームもそういった風潮に従い数を減らしているのが現状です」
「誰もが気軽にラウンドできるゴルフ場作りをするのも大事ですが、個人的にはメンバーしか受けられないサービスはしっかりと残し、高額な会員権を所有するメンバーにしか体験できない、特別待遇を確保する必要はあると思います」
なお、飯島氏は2009年〜2014年までの5年間、茨城県の「イーグルポイントゴルフクラブ」で代表取締役社長を務めていましたが、当クラブでもメンバーズルームを筆頭にさまざまなメンバー向けサービスが展開されてきました。クラブハウスに到着したゴルファーの代わりにスタッフがクルマを駐車し、帰りまでキーを預かる「バレーパーキング」や、レストランにはメンバー専用のワインセラーも設置しているそうです。
インターネットでの予約が当たり前となった現在、メンバーズルームの需要は少なくなってきています。しかし、私たち一般ゴルファーの「ステータス」であり続けるために、そしてゴルフ場側も「大人の遊び場」としての風格を残していくためにも、メンバーズルームはこれからも必要なのかもしれません。
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