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- 「上級者は本革、アベレージゴルファーは合皮のグローブにするべき」という考えは古い!? 令和のグローブ選び最前線とは?
ゴルフグローブには大きく分けて2種類あります。主に羊の皮を使用した天然皮革と、ポリウレタン素材(PU)を使った合成皮革です。ひと昔前は、プロや上級者は天然皮革、ビギナーやアベレージゴルファーには合成皮革がいいといわれていました。しかし、もうそういう時代ではありません。時代の変化とともにゴルフグローブも進化していました。
合成皮革を選ぶツアープロも増えている
みなさんはどういう基準でゴルフグローブを選んでいますか。実際にアンケートを取ってみると「価格」という人も多かったです。
ゴルフグローブには天然皮革と合成皮革がありますが、価格帯が大きく違います。天然皮革の本革グローブは2500円以上のモデルが多いです。アイテムとしてはフットジョイの「ピュアタッチ」、ブリヂストンの「ツアープレミアム」、テーラーメイドの「TP ジェニュインレザー」などです。

合成皮革になると2000円前後、1500円未満の商品も増えます。人気モデルだとフットジョイの「ナノロックツアー」「ウェザーソフ」、ブリヂストンの「ソフトグリップ」、テーラーメイドの「プレーヤーズグローブ」などです。
グローブ選びに関するアンケートでは「そんなにうまくないから、合皮(合成皮革)にしている」という回答も多かったです。
たしかにゴルフグローブの選び方としてはプロや上級者は天然皮革、ビギナーやアベレージゴルファーは合成皮革という定説がありました。そもそも天然皮革と合成皮革は何が違うのでしょうか。今回はテーラーメイド ゴルフでソフトグッズプロダクトを担当している奥谷千尋さんに話を聞きました。
奥谷千尋さん(以下、奥谷) 天然皮革は言葉のどおり、上質な羊の皮を使った一枚モノのグローブです。合成皮革より薄くてフィット感があり、羊の革独特の着け心地のよさもあるので、より繊細なフィーリングを求めるゴルファーに好まれます。一方、デメリットは雨や汗に弱いこと。一度濡れてしまうと皮がカチカチに硬くなってしまうので使えなくなってしまいます。また薄くて、素手に近いフィーリングのよさがある一方、耐久性は合成皮革に比べて劣ります。摩擦によってイタんできたり、穴が空いてしまうのは天然皮革の方が早いです。
――では合成皮革の特徴は?
奥谷 まず雨や汗に強いこと。雨の日でもグリップ力が落ちませんし、使ったあとは風通しのよい場所に保管してもらえれば、次のラウンドで問題なく使えます。天然皮革のようにカチカチになってしまうことはありません。また基布の上をPU(ポリウレタン)やPVC(ポリ塩化ビニル)でコーティングしていることによって耐久性も高く、長持ちします。ある程度の厚みがあることによってすり切れや穴が空いたりしにくい反面、薄手の天然皮革の方がフィーリングがよいという意見もあります。
――高価だけど着け心地がよくて素手に近いフィーリングを出せる天然皮革と、耐久性がよくて雨・汗にも強いやや厚手の合成皮革。その特徴の違いからプロは天然皮革を選んでいるのでしょうか?
奥谷 昔はそうでした。しかし、最近のツアープロは合成皮革のグローブを選ぶ人も増えてきています。その理由は素材の進化によって、合成皮革でも薄くできるようになったからです。また弊社の『プレーヤーズグローブ』などはスエード風の起毛をつけることによって、握ったときの心地よさもあります。
――なぜ、ツアープレーヤーでも合成皮革を使う選手が増えたのでしょうか?
奥谷 これは合成皮革が薄くなってきたことにより、フィーリングが天然皮革に近くなってきたことが一つ。昔みたいに合成皮革だからといってゴワゴワしたモデルばかりではありません。もう一つは合成皮革のメリットとしてグリップ力が高いこと。特に女子プロには天然皮革よりも合成皮革の方がいいという選手が多いです。
――最新のグローブを調べると合成皮革にもたくさんのカテゴリーがあることがわかりました。今回、話を聞いたテーラーメイドのモデルだと「プレイヤーズグローブ」は薄手の合成皮革もあれば、合成皮革にポリウレタン・ポリエステルを組み合わせた「インタークロス」は厚手でグリップ力を重視した合成皮革になっています。
奥谷 弊社だけでも合成皮革のグローブは10種類以上あって、その中にはプロが使っている『プレーヤーズグローブ』もあれば、通気性を高めた夏仕様の『プレーヤーズエアー』。パーツ別に3層構造になっている『パワーバイト2.0』もあります。だから、合成皮革の中でもターゲットがわかれている感じです。
クラブとの唯一の接点である「グローブ」は超重要
――では、シンプルにどうやってゴルフグローブを選べばいいのでしょうか?
奥谷 一番は着け心地だと思います。実際にゴルファーの方に話を聞いても着け心地で選んでいるという人が一番多いです。
――グローブを交換する時期やタイミングは?
奥谷 生地が一カ所でも薄くなってきたら、そろそろ交換してもいいと思います。全体的に黒くなってしまったグローブはグリップ力も落ちていて、加水分解がはじまっている可能性もあるので、すぐ交換したほうがいいでしょう。グローブはゴルファーと体をつなぐ唯一の接点です。どんなによいクラブ、シャフトを使っていても、グローブがボロボロだったらその性能や打感を100%発揮することは難しい。それだけグローブは重要なパーツです。

――グローブを長持ちさせる方法はあるのでしょうか?
奥谷 一番ダメなのはラウンドが終わったあとに、グローブをキャディバッグのポケットに入れてそのまま保管することです。ラウンドが終わったら、キャディバックの取っ手などに引っかけてしっかり乾燥させること。乾燥させた後は、なるべく風通しのよいところで保管させると高いパフォーマンスを発揮できる状態で長持ちすると思います。
※ ※ ※
総合的に性能、コスト、耐久性を考えると、今の時代はまずツアーモデルの合成皮革が最も万人向けのグローブだといえるでしょう。ツアーモデルの合成皮革を試したうえで、さらに繊細なフィーリングを求める人なら天然皮革、もっと強いグリップ力が欲しくなったらポリウレタン素材などを使った高機能タイプの合成皮革がオススメです。
さらに最近は猛暑対策として冷感タイプのグローブなども各メーカーから発売されています。夏でもゴルフに行く機会が多い人は夏用もアリです。
取材中、グローブの専門家でもある奥谷さんは「グローブは体とクラブをつなぐ唯一の接点です。間違いなく打球にもスコアにも影響します」と何度も語っていました。キャディバッグに入れっぱなしにしているグローブが黒くなっている人は、そろそろ新しいグローブに交換してみてはどうでしょうか。
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