- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- ナイスショットのはずが“ヤツ”に当たってあらぬ方向へ… ゴルフ場の“排水事情”を調査!
フェアウェイ上に排水溝やマンホールが設置されている場合も多く、「わざわざプレーに邪魔になるようなものをなぜ置いているのだろう」と思ったことがある人もいるでしょう。では、コース内の排水溝やマンホールは何のために置かれているのでしょうか。
コースが水浸しになるのを防ぐのに重要な構造物
ゴルフコースのフェアウェイ上に、「排水溝」や「マンホール」が設置されている場合がありますが、一体何のために置かれているのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「コースの地下には、『暗渠排水管(あんきょはいすいかん)』という管が設置されており、起伏(アンジュレーション)に合わせて雨水が流れていくので、効率よく集水できるように魚の骨状に細かく分岐しています」
「しかし、アンジュレーションは元々の地形を生かしたものだけでなく、切り土や盛り土など人為的に作られたものも多いですが、時間が経つにつれて上下左右のうねりは少しずつ変化していきます。その原因としては、地下水のくみ上げや地震などが原因で起こる地盤沈下のほかにも、目砂による盛り上がりも挙げられます」
「芝の生育を促すためには目砂が必要であり、ゴルファーにもディボット跡ができたら各自でかけてもらいますが、コース管理者の場合はもっと広範囲にわたって目砂を散布します。状況によっても異なりますが、1年間でおよそ1センチ目砂で地面が盛り上がるとすれば、10年経てば10センチ近くまで上昇します」
「そうすると、それに伴って水が流れる方向も変わって、雨水を集める能力が低下してしまう可能性が考えられるため、暗渠排水管を使った『下からの集水』に加えてマンホールによる『上からの集水』も組み合わせ、カジュアルウォーターをできにくくしているのです」
なお、万が一、ボールが排水溝やマンホールの上に止まってしまった際は「動かせない障害物」に該当するので、救済を受けることができます。
その場合は、ボールが止まった位置から最も近いプレー可能な場所をニアレストポイントとし、ティーやグリーンフォークなど目印となるものを地面に置きます。次に、ニアレストポイントを起点に1クラブレングス以内で、かつピンに近づかない範囲に救済ポイントを決め、ヒザの高さからドロップします。
「あるがまま」の原則から離れないよう、ゴルフ場では対策をしているの?
救済措置が決められている点からも分かるように、マンホールはコースに必要不可欠とはいえ、その存在によってゴルフに本来あるべき「あるがまま」の原則から少しかけ離れてしまうのは、どうしても否めないでしょう。
では、プレーに影響が出るのをできるだけ抑えるために、ゴルフ場ではどのような対策が取られているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「日本のゴルフ場の場合、マンホールというより厳密には金属の格子を使った排水溝が表面排水に用いられていることが多いです。その方が排水には優れている一方で、ボールの跳ね返り方がイレギュラーになるなどして、プレーに支障が出てしまいやすくなるのが欠点とされています」
「そこで、特に海外のコースではプラスチック製の丸い蓋が使用されるのが一般的で、国内でも一部で採用例があります。また、配慮がもっと行き届いているところではマンホールの上に人工芝を被せ、救済措置を取らなくても大丈夫なようにもしています」
「ほかにも、芝に水を撒く際に必要な電磁弁や散水栓といったパーツとセットにしてより機能性をアップさせたマンホールにし、さらにそこにカバーを取り付けてプレーの邪魔にならないような作りにしているものもあります」
「できれば、排水溝やマンホールを設置する数や位置はプレーに干渉しない範囲で抑えたいですが、集水を目的にしている以上どうしてもボールも水と同じく傾斜を下って集まりやすくなってしまいます。ですので、ゴルフ場はもちろんのこと、引いてはコース設計家はマンホールひとつを取ってもゴルファーへの配慮が求められるでしょう」
とくに山岳コースと呼ばれるゴルフ場は、平地と比べて天候が変わりやすく、降水量も多くなりがちなため、暗渠排水だけでは対処しきれないケースも珍しくありません。そこで、マンホールや排水溝を多く設けて排水が間に合うようにしながら、人工芝を敷いてプレーへの影響を最小限にしているところもあるようです。
正直、自分のボールが排水溝やマンホールの上に止まってしまったら救済措置をしなければならず、少々面倒だと思う人もいるかもしれません。また、ナイスショットのはずが排水溝であらぬ方向に跳ねて、深いラフやOBにいってしまうケースもあります。とはいえ、コースが水浸しになるのを防ぐ大切な設備なので、少しは大目に見てあげた方が良いでしょう。
最新の記事
pick up
-
ナイスショット連発で上重アナも仰天!? キャロウェイ「ELYTE」シリーズをラウンドで使用するとアマチュアにとって大きな恩恵が!<PR>
-
【連載コラム】なぜフォーティーンのクラブは人を魅了するのか? 美しいフォルムに宿る揺るぎない性能・その秘密を開発者に聞く<PR>
-
クラブと体の「接点」は重要! テーラーメイドのツアーボール「TP5」「TP5x」と「プレイヤーズ グローブ」は細部までこだわった逸品<PR>
-
今より「2センチ小さいサイズ」を試すべき!? 新品ゴルフグローブを「ピッタリ」で選ぶべきではない理由とは?
-
【クイズに答えて200名さまに抽選で当たる!】Taylor Made Golf(テーラーメイドゴルフ)ボール
ranking