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- パー3、パー4、パー5の並び順に法則は? 18ホールで“1つの物語”を描くコース設計者の巧みな計算とは
ゴルフコースは、パー3・パー4・パー5を組み合わせて18ホールを形成しています。一見すると並び方がランダムになっているようにも見えますが、これらの並び順には何か意図が込められているのでしょうか。
混在させることでプレーヤーのやる気を引き出している
ゴルフコースは規定打数が3打のパー3、同4打のパー4、そして同5打のパー5を組み合わせて18ホールを形作っています。
その内訳は、パー3とパー5が4ホールずつで、残りの10ホールをパー4とするのが一般的とされていますが、コースマップを見る限り並び方にあまり法則性がないように感じます。
では、パー3、パー4、パー5の並び順にも何か意図があるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「コース設計のノウハウをしっかりと学んでいる人は、ラウンドの中で起こりうる戦略性のバリエーション、プレー進行におけるリズムの良さなどを勘案し、全てのゴルファーを飽きさせないようにホールをデザインしています」
「例えば、『1~4番ホールがずっとパー3、5~8番ホールがずっとパー5、そして残りの10ホールが全部パー4』といった並び順はかなり極端ですが、規定打数やヤーデージが似かよったホールが連続していたら、つまらなさを感じるのは想像に難くないはずです。そのため、特にパー3とパー5に関してはできるだけ近接し過ぎないように気を付けるのがプロのテクニックです」
「また、18ホールは“フロントナイン”と“バックナイン”で9ホールずつに分かれていますから、それぞれ『パー3とパー5を2つずつ、パー4を5ホールずつ』と前半と後半のバランスを均等にするようにもしています」
「さらに、コースは18ホール全体で『1つの物語』を描いており、1番ホールから少しずつ難易度が上がっていくとも言われていますが、パー3は距離が短い分ティーショットの打ち出し角が高くなって風の影響を受けやすくなるので、4ホール全てを別々の方角に向けて異なる難しさを提供するのが理想的ともされています」
加えて、飯島氏によるとパー5の中にはティーイングエリアの種類や設置範囲に幅を持たせることにより、ビギナーには前の方から打って難度を低くする一方で、上級者には攻略性の高いタフな設定とすることを両立させたホールも存在するそうです。
そして、パー4には10ホール分が充てられているぶん短いものから長めのものまで様々な種類を作ることができ、プレーヤーはあらゆるクラブ選択を求められるので飽きにくく、時おり良いスコアを出せそうなホールが現れれば、コース戦略やショットに意欲を持てるようになるといいます。
パー3がスタートホールや最終ホールになることはあるの?
また、「スタートホールはパー4で最終ホールはパー5になっていることは多いけど、パー3が最初や最後に出てくるゴルフ場はあまり聞かない」という人もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「ビギナーだと『パー3が1番簡単に思える』と考える人も少なくないはずですが、ティーイングエリアからカップをピンポイントに狙ったり、ティーショットをアイアンで打ったりする点で、パー3は少々特殊なホールだと捉えることもできるでしょう。その分、上級者の中には『パー3こそが最も難しい』と答えるゴルファーも多く、見た目以上に高度な技術が要求されるのです」
「スタートホールは、全てのプレーヤーが気持ちよくラウンドを始められるとともに、自分のペースを整えられる場であることが大事とされているので、バンカーやアンジュレーションが少ない通常ヤーデージのパー4を置くのが基本的です」
「対して、最終ホールにパー3を置くかどうかは各コースが、“クラシック理論”と“モダン理論”のどちらに基づいて作られているかによって異なります。前者は、スコットランドのリンクスにおけるコース設計をもととした考え方で、終盤はパー4とパー5を中心に組み合わせたベーシックな配列になっています」
「一方で後者は、近現代以降に生まれた新しいコース設計の考え方で、“リスク&リワード(報酬)”というコンセプトに基づいています。その名の通り、『リスクを背負ってチャレンジすればご褒美がもらえる』ことを重視したホール配置にしているので、最終ホールの規定打数には特にこだわりや決まりがないのが特徴です」
パー5から始まるメリットには、「プレー進行がスムーズになる」ことが挙げられると言います。距離が長く、3打目を打つ頃には前の組がすでにホールアウトしているため、結果として7〜8分おきにスタートしても、いきなり渋滞が発生するリスクを減らしやすいのです。
パー3、パー4、パー5の並び順は、一見するとランダムに見えるかもしれませんが、実はコース設計者の巧みな計算が隠されていると言えるでしょう。
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