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- バブル時代の遺物!? バンカーや池が“的外れな場所”に配置されたコースがあるって本当? ゴルフ場関係者に聞いてみた
ゴルフ場を設計するにあたっては、専門の設計家が建設予定地の地形を考慮しながらバンカーや池などを配置していくのが基本です。一方、一部のゴルフ場は、「福笑いのようなコース」という言葉で批評されることがあるそうです。
あてずっぽうで造られた「福笑い」のようなコースが存在する
ゴルフ場を設計するにあたっては、専門の設計家が建設予定地の地形を考慮しながら緻密にバンカーや池などを配置していくのが基本であり、いわばラウンドすることは設計者からの「挑戦状」に挑むことでもあるといえます。

一方で一部のゴルフ場は、「福笑いのようなコース」という言葉で批評されることがあるそうです。具体的には、どのようなコースを指すのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「『福笑いのようなコース』という言葉は、私と日本を代表するゴルフ場設計者であった加藤俊輔さんとの間でよくいっていたもので、要するに『あてずっぽうで造られたコース』の総称という意味で使っています」
「お正月遊びの定番として古くから親しまれている福笑いは、目隠しをした状態で顔の輪郭だけが描かれた台紙の上に、目・鼻・眉毛・口といった顔のパーツをあてずっぽうで並べていくものですが、目や口などを本来置くべきところに置けていないのが一般的でしょう」
「ゴルフ場の各ホールの形状を顔の輪郭と捉えた場合、グリーンや池、バンカーといったコースを形成する要素は、顔のパーツと置き換えることができると思います。そして、『バンカーはショットがちょうど届くぐらいの位置に作る』『池はグリーンの周りに絡みつくように配置する』といった具合に、福笑いと同様、置くべきところに置くのが望ましい姿とされています」
「しかし、なかには適切ではない的外れな場所にバンカーが掘られていたり、弱い者いじめのような位置に池が造られているゴルフ場も残念ながらあります。このような、ハザードやトラップを適当に散りばめたとしか思えない設計がなされたコースを、『福笑いのようなコース』と呼んでいます」
たとえば、池がティーイングエリアのすぐ目の前にあるホールもありますが、上級者にとっては何の障壁にもなっていない反面、ビギナーにとっては高確率で池ポチャしてしまうかもしれません。
バンカーや池を適切な位置に配置すれば、あらゆるレベルのゴルファーが“対等”に楽しめるだけでなく、ショットバリューも増えて何度訪れても楽しいゴルフ場になるそうです。
ちなみに加藤さんは「伊豆ハイツゴルフ倶楽部」や「JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部」など、全国各地70カ所以上ものゴルフ場で設計を手掛け、飯島氏が代表取締役社長を務める「株式会社TPC」の設立の際には顧問として携わっていました。
福笑いのようなコースはどのくらいあるの?
では、いわゆる「福笑いのようなコース」に当てはまってしまうゴルフ場は、日本にどのくらいあるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「ゴルフ場のなかには、ジャック・ニクラスなどの名プレーヤーが自らの経験をもとに造ったダイナミックなコースもあれば、井上誠一をはじめとした設計者があらゆるレベルのゴルファーが楽しめるようにと考えを巡らせた名コースも多く存在します」
「その一方で、ゴルフやゴルフ場設計の知識をあまり持っていない大手ゼネコンなどが建設を担当し、名コースを見よう見まねで造ったと見られるゴルフ場も一定数あります。特に、バブル期に起こったゴルフ場の建設ラッシュでこういったコースが一気に増えました」
「『バンカーの位置を変える』といったことも、後になってコース改良を行う際には可能ですが、非常に手間も時間もお金もかかってしまうのが現実です」
「バンカーは単純に穴を掘って砂を入れているだけだと思われがちですが、実際は砂の下に透水シートや砕石が敷かれており、さらに排水をよくするための溝や集水マスが設置されています。もしもバンカーを移設するとなると、その下にある設備も新しく別の場所に整備しなければならないので、全てのホールを改造するのはかなり大変な工事が必要となるでしょう」
ほかにも、バブル期の建設ラッシュ時に造られたゴルフ場は、設計図や地図など平面上のデータばかりを参考にして芝を敷いていることも多かったそうで、現地のアンジュレーションと芝の根の張り方がマッチしておらず、なかなか活着できないケースもあったようです。
ゴルフ場といってもいろいろありますが、「福笑いのようなコース」は、日本におけるゴルフ場建設の歴史を象徴するものの一つといえるのかもしれません。
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