みんなで楽しめれば“プレーと無関係の賞”も全然アリ!? 最近のコンペではどんな賞が設定されてるの？

　春になると新入社員との出会いや人事異動が発生しますが、親睦を深めたりコミュニケーションを通して連携を強くするのを目的に、ゴルフコンペを開催する会社も増えるでしょう。

　コンペはいろいろな賞が設定されるのも醍醐味ですが、具体的にどのような賞があると最後まで盛り上がるイベントになるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏（株式会社TPC代表取締役社長）は、以下のように話します。

「まずシンプルに、最終的なネットスコアが最も良かった人には『優勝』、2番目に良かった人には『準優勝』がありますが、コンペだからこそ設置できる賞もあります。たとえば『ベストグロス賞（ベスグロ）』は、ハンディキャップを計算しない純粋なスコアで最も成績が良かった人に贈られるものです」

「前半の9ホールと後半の9ホールのスコアの差が最も大きかった人に贈られる『大波賞』や、反対に最も小さかった人に贈られる『小波賞』、加えて前後半のスコアが全く同じだった場合の『さざ波賞』もポピュラーな賞ですね」

「さらに特定のホールで競う賞としては、パー3のホールでティーショットを一番カップに近づけられた人への『ニアピン賞』、ドライバーショットを一番遠くまで飛ばせた人への『ドラコン賞』も有名です」

　また、最終的なスコアが最下位の「ブービーメーカー賞」や、最下位から2番目の「ブービー賞」は、コンペでありがちな賞の中でもある意味で有名なものといえるかもしれません。

　飯島氏によると「ブービーには『ビリ』や『間抜け』といった意味があり、一見すると不名誉な賞にも感じられます」「しかし、あえて賞品を豪華にしてあげれば、参加者全員が平等で満足のいくコンペにできるだろう」とのことです。

　ほかにも5位や10位などキリの良い順位の人に対する「飛び賞」や、コンペの開催日と同じ数の順位だった人に対する「当日賞」など、順位そのものに関連した賞もよく設定されます。

　また飯島氏は、「プレーとは直接関係がないような賞も用意しておくと、より場が盛り上がるだろう」と話します。

「最近はゴルフウエアの多様化が進んだり、女性のゴルファーも増えているので、『ベストドレッサー賞』や『ベストダンディ賞』といった、いかにオシャレな格好をしてきたかを競う賞もあります」

「また、何かの賞を受賞した人と関係があった人に賞が贈られる機会も多く、たとえば優勝者と一緒にラウンドしたプレーヤーには『エンゼル賞』、スコアが一番悪かった人と一緒にラウンドした人には『パートナー賞』というものもよく設定されています。ほかにも、参加者の中でもっとも自宅とゴルフ場の距離が離れていた人には『遠路はるばる賞』というものもあるようです」

「さらにスコア関連でもゲーム要素を取り入れたり、ミスショットを連発した人の努力を認めてあげるような、ユニークな賞もどんどん作られています。たとえば自分のスコアを最も正確に予想した人には『ノストラ賞』、逆に大きく外してしまった人には『大ぼら賞』というのもあります」

「最も打数が多かった人には『猛打賞』、最もOBの数が多かった人には『最多OB賞』、池に打ち込んでしまった回数が一番多かった人には『池ポチャ賞』を贈るというコンペもありますね」

　ほぼベストスコアで回れた人はもちろん、調子が上がらず大叩きしてしまった人や周りを盛り上げた人など、さまざまな参加者をターゲットにした賞を用意すれば、全員が最後まで楽しめるコンペになりそうです。