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- ゴルフ場のプロに聞く! 失礼ですけど… マスター室前の“グリーン情報”看板はどこまで信用していいですか?
ゴルフ場のマスター室前で、「グリーンスピード」や「コンパクション」「刈高」と書かれた看板を見かけます。これは、当日のグリーンのコンディションを示したものですが、本当に正しい数値が示されているのでしょうか。
グリーンが置かれた環境でコンディションは変化する
ゴルフ場のマスター室前で、「グリーンスピード」や「コンパクション」「刈高」と書かれた看板を見かけます。これは、当日のグリーンのコンディションを示したものですが、本当に正しい数値が示されているのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「グリーンスピードやコンパクションは、必ずしも看板に示された通りの数値になっているとは限らず、多少の誤差がある点は否めないでしょう。というのも、一般的な18ホールのゴルフ場では1グリーンタイプなら18面、2グリーンタイプなら36面、そしてプラスアルファでパッティングやアプローチの練習用グリーンが設けられていますが、計測対象となるグリーンはランダムに選ばれ、さらにその中でもできるだけ平らなポイントを3カ所選定したうえで測ります」
「また、グリーンのある環境はホールによって異なり、周囲に木が少なければ日光が当たりやすかったり風通しが良かったりします。気温や湿度によって、芝が成長するペースや保持される水分量は変わってくるため、その日計測が行われたグリーン次第では全体の平均と比較して遅い数値が表示される場合もありますし、反対に速い数値が当日のグリーンスピードの目安として示される場合もあるのです」
グリーンスピードは、「スティンプメーター」と呼ばれる器具を使って測定されるのが一般的で、公式のものは長さがUSGAの規格で3フィート(およそ91センチ)と決められています。片方の端にはボールをセットするための切れ込みが刻まれており、ボールがセットしてある方を上に、そうでない方をグリーン面に付けた状態で少しずつ持ち上げていきます。
一定の角度を超えると、ボールが自然に動き出してスティンプメーターから滑り落ちてグリーンへと転がっていき、止まるまでにボールが進んだ距離が、その日のグリーンスピードとなるのです。
また、土の硬さを表すコンパクションに関しては「コンパクションメーター(土壌硬度計)」という器具を使い、先端に取り付けられた針を地面に刺して、反発によってバネが伸び縮みした長さで求められます。
日本のゴルフ場では、「山中式」のコンパクションメーターが用いられるのが主流で、国内トーナメントの平均である「24」を基準に硬いか柔らかいかが判断され、グリーンスピードと同様にボールの転がり方を左右するものとなっています。
一日の中でもグリーンスピードは変わってしまう
さらに、飯島氏は「実際のグリーンスピードやコンパクションが、数値とは違って感じる要因は他にもある」と話します。
「グリーンスピードやコンパクションの計測は、営業が始まる前の朝早い段階で行われますが、そこから日が昇って何時間か経過するだけでもグリーンの芝に対する環境は変化します。さすがに、1日の間で芝が一気に何センチも伸びることはないとはいえ、湿度によって晴れた日の日中には早朝より乾きやすくなっていますし、途中で雨が降ってきた際には反対に芝や土が湿ってボールが転がりにくくなるでしょう。またゴルフ場には毎日200人程度が来場し、グリーン面はラウンドが進むにつれて多くのゴルファーの足に踏まれていきます」
「それだけでも圧力がかかったり足跡がついたりするため、ラウンドスタートが最初の方の組と最後の方の組とでも、体感するグリーンスピードやコンパクションには差が生じます。中には、『思っていたよりボールが転がりにくかった』とプレーした後に不満を感じた人もいるかもしれませんが、グリーンスピードやコンパクションの計測は毎日早朝の1回だけ実施されるのが基本で、そこから外的要因によって多少誤差が出てしまうことは仕方がないと考えた方が良いと思います」
なお、外国人設計者が手掛けたコースだとグリーン上のアンジュレーションがきつい傾向にあるため、グリーンスピードの計測結果が正しいとしても、傾斜によって体感ではボールの転がる速さが、違って感じることもあるようです。
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