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- ゴルフ場の芝生に危機! 地球温暖化で日本のコースのメンテナンスが難しくなる特有の事情とは?
芝はデリケートな植物であるため、高度な管理技術や設備が求められますが、特に夏は芝が弱ってしまうのを水を撒くことで防がなければなりません。しかし、日本のゴルフ場は散水に必要なスプリンクラーの数が少ないと言われているそうなのですが、本当でしょうか。
暖地型の芝でも散水設備が少なくて弱りやすくなっている
美しく整備された緑のフェアウェイでプレーできるのはゴルフの大きな醍醐味ですが、その裏にはコース管理者のたゆまぬ努力があります。芝は非常にデリケートであるため、高度な管理技術や設備が求められます。中でも夏は芝が弱ってしまうのを水を撒くことで防がなければなりません。

しかし、昨今の地球温暖化で日本のゴルフ場の美しい緑は危機にさらされています。その大きな原因として、日本のゴルフ場は散水に必要なスプリンクラーの数が足りていないことがあるといいます。いったいどういうことなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、次のように説明します。
「北海道など日本の中でも比較的涼しい地域では、フェアウェイにもベント芝が用いられていることもありますが、大抵のゴルフ場の場合は高麗芝が使用されています」
「ベント芝は、もともと冷涼な気候を好む特性を持つため、頻繁に水を散布できるように周囲にスプリンクラーをはじめとした設備が整えられています。一方で、高麗芝は温暖な気候を好む特性があってベント芝に比べれば気温が高くなっても耐えられるので、あまり散水装置を多く設置したり、こまめに水をやったりしなくても良いというのが一般的な考え方でした」
「ところが、最近は気温が35度以上の猛暑日を記録する日が増えただけでなく、時として40度近くにまで達する日もあるため、暖地型である高麗芝でさえも耐えられない熱ストレスがかかるようになりました。要するに、今までのコース管理の考え方のままでは通用しなくなってきているのですが、実際の設備は旧態依然なところが大半であるため、スプリンクラーの増設および改修が必要不可欠なのです」
日本のゴルフ場でスプリンクラーの設置数が少ないと言われている背景には、「海外との芝種の違い」と「水資源に対する考え方」の2つの側面があるとされます。まず芝種の違いに関して、欧米諸国のフェアウェイはベント芝が一般的であり、夏になるとより芝の管理を徹底しなければならないため、日本よりも散水設備が整えられています。
一説によると、同じ18ホールのコースでも、スプリンクラーヘッドの数は日本が700個程度なのに対し、欧米では2倍の1400個もあると言われているそうです。さらに、日本の中でも東北地方より北の地域では、グリーンやティーイングエリアにしか設けられていないこともあるようで、その場合は18ホールでたった300~400個となるようです。
次に水資源に対する考え方ですが、日本は1年を通して温暖湿潤な気候で雨の量も多く、地下水も豊富に蓄えられています。
ただ、地下水に困らないぶん散水設備への投資があまり重要視されてこなかったため、気候変動に合わせた設備の更新が遅れてしまったことも、スプリンクラーの数が乏しい原因として挙げられるようです。
少しずつではあるものの日本でも改善が見られる
では、近年のゴルフ場における散水設備はどのような変化を遂げているのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「スプリンクラーの中でも『開放型』と呼ばれるタイプは、水を一直線に出すことしかできず広範囲をカバーできず、特定の場所にしか水が行き届かず散水過多になってしまうという欠点があります。また、もっとアナログなタイプではグリーンの近くにある散水栓にホースをつなげ、水撒きが必要なところまで人力でホースを持っていかなければなりません」
「しかし、『バルブヘッド』と呼ばれる最新のタイプは、水を霧状に撒くので散水過多を防げるだけでなく、水量も自在に調節できるので、芝の状態に応じてフレキシブルに対応が可能です。さらに、コンピューターによる集中制御やモバイル端末でどこからでも操作できる体制を整えれば、少ない人員でも万遍なく散水できるとともに、他の仕事も同時に行えるようになるでしょう」
たとえば愛知県にある「春日井カントリークラブ」では、今年で開場60周年を迎えることを契機として、老朽化した散水設備の更新をはじめとした大規模な改修が実施されました。
特に、高台にある芝の生育状況が悪化していたことが問題視されていましたが、中央制御によるシステム導入や国際基準に近い1100個以上のスプリンクラーヘッドを設置し、井上誠一氏設計のコースをいつまでも美しく保つ取り組みが今後も行われるようです。
コースの芝がいかに美しくメンテナンスされているかは、ゴルフ場全体の評価にも大きく影響します。近年の気候変動に対応した設備を整えていくゴルフ場が、これからも増えていくことを期待したいものです。
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