- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフライフ
- 憧れの“高速グリーン”はアマチュア泣かせ!? ――進行トラブルに芝の悲鳴、ゴルフ場が語る危険な裏側
トーナメント並みの高速グリーンは憧れの存在ですが、速すぎると進行や芝に悪影響も。適度な速さで誰もが楽しめるよう、各ゴルフ場は工夫を凝らしています。
速すぎず、遅すぎない絶妙なスピード調整
トーナメント中継で目にする、ボールが滑るように転がる高速グリーン。あのスリリングなスピードを「一度体験してみたい」と思ったゴルファーも少なくないでしょう。しかし、私たちアベレージゴルファーが本当に「トーナメント並みの速さ」を求める必要はあるのでしょうか。ゴルフ場経営コンサルタントの飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)はこう語ります。

「速すぎるグリーンは、プレー進行の滞りを招くリスクがあります。トッププロなら、わずかなタッチでも正確にボールをコントロールできますが、アマチュアはそうはいきません。3パット、4パットが続出すれば、後続組はどんどん詰まり、ラウンド時間が大幅に延びてしまいます。その結果、ゴルフ場の評判が下がる恐れすらあるのです」
また、トーナメント会場となる名門コースでも、普段はメンバーや一般客がプレーしています。利用者の中には「テレビで見た高速グリーンを味わいたい」と期待して訪れる人もいますが、実際に体験して「思ったほど速くなかった」と感じれば、逆に期待を裏切ることになりかねません。
「そのため、多くのコースではトーナメント時よりは遅く、全国平均より少し速めくらいに設定しているケースが多いのです」
さらに、グリーンスピードを追求しすぎると、芝そのものにも負担がかかります。日本のゴルフ場ではボールの転がりが良いベント芝が主流ですが、もともと寒冷地に適した芝にとって、日本の夏は過酷な環境です。
「夏場にスピードを上げすぎると、秋口になって急にコンディションが落ち、芝が抜け落ちて地面がむき出しになるリスクもあります。特にトーナメントコースでは、来場者の期待と芝の健康のバランスを取りながら管理をしているのです」
ベストな速さ」はコースごとに違う
飯島氏は「最適なグリーンスピードは、演出や設計のスタイルによっても変わる」と説明します。
「アベレージから上級者まで楽しめる基準として、一般的には『9.5フィート』が目安とされています。トーナメントで見られる『最後のひと転がりでカップイン』といった名シーンも、このくらいの速さがあってこそ実現するのです」
また、月例会や理事長杯といったクラブ競技では、開催直前に芝を刈り込んだりローラーをかけたりして、あえて通常よりスピードを上げることもあるといいます。
さらに、設計スタイルも影響します。アメリカンスタイルのコースはアンジュレーションが強く、下り傾斜ではわずかなタッチで転がり落ちることも珍しくありません。そのため、日本独自の比較的フラットな設計よりも、やや遅めに設定される傾向があるそうです。
トーナメントそのものの速さを再現することは難しいものの、多くのゴルフ場は「楽しさ」と「挑戦心」の両立を目指し、日々グリーンを整備しているのです。
最新の記事
pick up
ranking








