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- 「絶対にOBを打たないラウンド」はどうやったら実現できる? 単に「ドライバーを持たない」ではダメな理由
ドライバーを封印すればスコアが良くなるはずだけど、実際のラウンドでは「セコイと思われるかも」とか「刻もうとしてミスすると余計にショック」などと心が揺れてしまう……。
ドライバーを封印しても好スコアで回ることは十分に可能
14本のクラブの中でもっとも飛距離が出るドライバーは、やはりゴルフの華であり醍醐味のひとつ。勢いよく飛び出したボールが描く放物線は、ほんの数秒ながら、他には代えがたい恍惚をゴルファーに味わわせてくれます。一方、もしもミスしてしまった場合には、その後の展開が苦しいものになり、思わぬビッグナンバー(大叩き)につながることもあります。

ドライバーに苦手意識があり、何度も痛い目にあっているゴルファーなら、「ドライバーを使わない方が、いつもより良いスコアで回れる気がする……」と感じたことがあるはずです。とはいえ、実際のラウンドでは「ドライバーを使わないと仲間にセコイと思われるかも」とか、「刻もうとしてミスすると余計にショックだし、だったらドライバーでミスした方が悔いがない」などと考えて、なかなか踏み切れない方もいるかもしれません。
今回は“ドライバーを封印するラウンド”について、レッスンプロの小松拓夢氏に話を聞いてみました。
「最も遠くへ飛ばせるドライバーの場合、打ち出し時は少しだったズレが、着弾点では大きなズレになることがあります。また、スライスやフックなどの度合いも大きくなるため、OBや林の中に打ち込むといったトラブルのリスクも高まります」
「もしもドライバーでミスやOBを連発して、スコアを台無しにしてしまうようであれば、試しにドライバーを封印してみるのもアリでしょう。とくに距離が短いコースやレギュラーティーなら、ドライバーを封印しても好スコアで回ることは十分に可能です」
「たとえば、350ヤードのパー4でのティーショット。ドライバーをOBにしてしまうと、前進4打からうまく打てたとしてもボギーあるいはダブルボギーになり、それ以上のビッグナンバーになってしまう可能性もあります」
「一方、ユーティリティーやアイアンでティーショットすればOBのリスクは激減し、3打目で“ボギーオン”すれば2パットでもボギー、1パットならパーが取れます。これを徹底して“OBなし”のラウンドを実現できれば、自ずとスコアはまとまっているはずです。普段よりも面白みに欠けるゴルフになるかもしれませんが、『スコアはOBがないだけで大きく変わる』ということを強く実感できるはずです」
リスクに見合うリターンがあるのかを常に考えてほしい
では、ドライバーを封印すればスコアが良くなるはずだけど、「セコイと思われるかも」とか「刻もうとしてミスすると余計にショック」などと心が揺れてしまうゴルファーは、どのようにプレーしていけば良いのでしょうか。
「ゴルフ本来の目的は、18ホールをいかに少ない打数で回るかにあります。“ドライバーを封印するラウンド”とは少し矛盾してしまうかもしれませんが、ティーイングエリアに立つ前には、そのホールを攻略する上で本当にドライバーの飛距離が必要なのか不要なのか、リスクに見合うリターンがあるのかないのかを常に考えてほしいです。いわゆるコースマネジメントです」
「周りからセコイと思われるのを気にしたリ、なんだか恥ずかしいとか思ってしまう方は、ゴルフ本来の目的を見失っているかもしれません。また、『ドライバーじゃないんだ~』などと茶化してくる声も、まったく気にする必要はありません。ドライバーを使わない選択は自分なりにマネジメントした“戦略”であり、何も考えずにドライバーを振っている方よりもワンランク上の視点からコースに向き合っているので、むしろ胸を張っても良いぐらいです」
「また、『どうせならドライバーでミスした方が悔いがない』と考える方の気持ちも理解できますが、実際にドライバーでミスしたときに、後悔する気持ちがまったくないわけではないでしょう」
「一方、刻もうとしてミスするケースでは、“中途半端なクラブ”を選んでいることが多いように思われます。少しでも距離を稼ごうとして不安要素があるフェアウェイウッドを選ぶのではなく、絶対にOBになることはないと、自信を持って振りきれるクラブを選ぶべきです。それは人によってユーティリティーだったり、あるいはアイアンだったりするかもしれませんが、いずれにしても不安要素があるショットは成功率も下がるので、極力避けていくべきです」
筆者は先日、千葉県屈指の難コースであることから、“ヤバイディング”などと呼ぶ人もいる「アバイディングクラブ ゴルフソサエティ」のレギュラーティーから回ったのですが、ドライバーはわずかに3回しか握っていません。なぜなら、リスクに見合うリターンがほとんどないと判断したからです。
“今日イチ”のドライバーショットはゴルフの魅力の一つで、ドライバーを打つ回数が増える分だけ可能性も高まりますが、同伴した仲間がラウンド後までそのショットを覚えていることは少なく、最終的に記憶に残るのはスコアだけだったりもします。“上がってナンボ”というゴルフの本質を念頭に置きながら、ドライバーとの付き合い方を見直してみるのも悪くないでしょう。
文/のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.7」。
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