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- 派遣キャディーには“ファン付きベスト”を支給しないところも… ゴルフ場ごとに雲泥の差がある“キャディー待遇”の今
本格的なコンペシーズンに突入し、キャディー付きプレーの需要も高まる季節になりました。最近は多くのゴルフ場でハウスキャディーの確保が追いつかず、派遣業者を通じて人数確保しているのが実情です。しかし、そんな派遣キャディーへの待遇はゴルフ場によって大きく異なるといいます。
熱中症対策で浮き彫りになったキャディーの待遇格差
今夏にキャディー付き営業のゴルフ場でプレーしたゴルファーは、キャディーがファン付きベストを着ている姿を見かけたのではないでしょうか。
筆者のゴルフ仲間は、知人の誘いで久しぶりにキャディー付きプレーのゴルフ場を訪れたところ、すべてのキャディーがふっくらした体型であることにビックリしたそうです。でも、それは体型がふっくらしているのではなく、全員がファン付きベストを着ていたため、ふっくらしているように見えただけの話でした。
2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、労働者を雇用するすべての事業者に対して職場の熱中症対策が罰則つきで義務化されました。熱中症対策としてキャディー全員にファン付きベストを支給したのでしょう。
ところが先日、ゴルフ場にキャディーを派遣するビジネスを手がけている事業者と世間話をしていたら、派遣キャディーにファン付きベストを支給してくれるゴルフ場と、支給してくれないゴルフ場があるそうです。どういうことなのか詳しく話を聞いてみました。
「うちの会社は複数のゴルフ場にキャディーを派遣していますが、ある都道府県のゴルフ場はすべての施設でファン付きベストを支給してくれました。一方で、別の都道府県のゴルフ場は『ファン付きベストは自分で用意してください』というスタンスでした。派遣キャディーは自分たちが雇用している労働者ではないから、熱中症対策を講じる義務はないということのようです」
「『それはちょっとおかしいだろう』と思いましたが、うちの会社で補助金を出してファン付きベストを購入させました。でも、普通に考えればハウスキャディーも派遣キャディーも一律に、ゴルフ場の名前入りのファン付きベストを人数分購入して、着用させたほうがよくないですか」
少し補足説明をすると、ゴルフ場のキャディーには、ゴルフ場が直接雇用しているハウスキャディーと、派遣業者から配属されている派遣キャディーがいます。見た目は基本的に一緒なので、ゴルファーには見分けがつきません。

ひと昔前は、全組キャディー付き営業のゴルフ場は、休日のローテーションの都合なども考慮して組数分以上のハウスキャディーを雇用していました。しかしながら近年は、高齢になったキャディーは職場を卒業し、新規採用は人手不足で苦戦し、ハウスキャディーを雇用するのが難しくなっています。
また、ゴルフ場も土日祝日は満員になりますが、平日の稼働率は50~70%程度です。組数分以上のハウスキャディーを雇用しても、平日は仕事を割り振ることができません。したがって必要最小限のハウスキャディーを雇用し、不足分は派遣キャディーを手配するのが一般的になっています。それなのに派遣キャディーに対する待遇があまりにもひどいのではないかと前出の関係者は語ります。
キャディーフィー値上げもキャディーに還元されない
コロナ禍でゴルフを始めたゴルファーは、三密(密閉・密集・密接)を避けて楽しめるスポーツとして選択していますから、キャディー付きプレーの経験がまったくない人もいます。
しかし、それ以前からゴルフに親しんでいるゴルファーは、同伴者をおもてなしするラウンドの際は、おもてなしをサポートしてもらうためキャディー付きプレーを選択します。接待ゴルフを中心に、キャディー付きプレーは今でも一定の需要があります。
「それに乗じてキャディーフィーを値上げしているゴルフ場がたくさんあります。キャディーフィーを値上げしたのであれば、こちらもスタッフに多くの賃金を支払いたいので、派遣料の増額を要求します。それに快く応じてくれるゴルフ場もありますが、『増額に応じることはできません』というゴルフ場もあります」
「『そうなるとうちのスタッフは待遇の良いゴルフ場への派遣を希望し、そちらへの派遣を希望するスタッフは減りますが、それでもいいですか?』と伝えると、『それは困ります』というのです。そんなの筋が通りませんよね。ゴルフ場はキャディーの待遇をもっと真剣に考えたほうがいいです」
これからの季節は1年間で最もコンペが多く、キャディー付きプレーの需要も増えます。需要に応じたキャディーを確保するためには、待遇をいち早く改善する必要がありそうです。
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