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- たまには最後まで打ちたいのに… 「OK」を遠慮するのはマナー違反? “強制終了”を回避するうまい言い方とは
ゴルフの“OKパット”は、主にプレーファストのために生まれたローカルルールですが、受け取る側にとっては複雑な思いが残ることも。押しつけず、相手のスタイルを尊重するにはどうすればいいのか。OKを巡る“微妙な心理戦”を専門家と考えます。
OKしてほしい派と最後までやりたい派の見分け方
アマチュアのゴルフには、ショートパットを打たなくても入ったとみなす「OK」があります。ボールがカップに1グリップ程度まで近づいたとき、同伴者が認めれば1打としてカウントしてボールをピックアップできる、主にプレーファストを実践するためのローカルルールです。
しかし、すべての人がOKを納得のうえ受け入れているとは限りません。状況にもよりますが、最後の1打はプレーヤーにとって大きな意味を持つケースもあるからです。期待と緊張のなかでケアレスミスせずに決めきる。ゴルフの醍醐味が詰まったショートパットを自分でしっかり沈めたいと思うゴルファーもたくさんいるのではないでしょうか。
プレーファストを心がけるのは当然としても、普通にプレーが進行しているときまで、同伴者のOKによってその1打を味わえなくなってしまうことに違和感を感じる人もいるでしょう。
OKを巡ってプレーヤー同士がギクシャクしがちな“強要問題”について、アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入した安藤俊介氏(社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダー)と一緒に考えてみました。

「コンペや競技では基本的にOKがないのでこういう問題は起きませんが、プライベートでは、わりとあることです。OKを出す側と出される側とでは立場が異なるので、分けて考えたいと思います」
「まずOKを出す側についていうと、その根底にはプレーファストの精神とプレーヤーに対する思いやりがあるのだと思います。実際、1グリップ程度のパットはタップする時に体制を崩すようなイレギュラーなことでも起こらない限り入りますから、省略しても差し支えないでしょう」
「しかし、残りが50センチくらいになると外す確率が高くなります。下りやサイドからのラインだとその可能性はぐんと上がります。にもかかわらず明らかに1グリップ以上あるときや微妙なラインが残ったときでも、直前のストロークがうまかったりすると、その流れやプレーヤーの頑張りをくんで『ナイスタッチ!(最後のパットは)OKです』となりがちです」
「良いプレーに対する褒め言葉の裏で、微妙なパットは免除してあげましょうという忖度といえなくもありません。たとえOKが褒め言葉や思いやりから出されたとしても、それを受け取る側にはさまざまな思いがあるでしょう」
「そもそもゴルファーには、ショートパットをできるだけOKしてほしい派の人と最後までやりたい派の人とがあり、一緒に回る人がどちらのタイプのプレーヤーか最初のうちは分かりません。そこで私は、同伴者が微妙な距離にボールを寄せてきたとき一言つけ加えるようにしているんです。相手がジュニアや学生ゴルファーなら『OKでいいから打ってごらん』、年長者やあまり親しくない人だったら『OKですが、打ってみますか?』。その反応によってOKに対する相手のスタンスが見えてくるからです」
「例えば『えっ、打っていいんですか?では、やらせてもらいます』なのか『えっ、OKでいいんですか? ありがとうございます』なのかでは、皆さん感じると思いますが、だいぶ違いますよね。前者だったら最後までやりたいタイプの人かな、後者ならOKしてほしいタイプの人かな、と。それを頭の片隅に置いてプレーを進めていくと、相手のリズムがつかめてきて、ギクシャクすることなく回れるのではないでしょうか」
OKは、プレーファストの精神と思いやりから出されることが多々あります。だからこそ押しつけるのではなく、OKを認めつつプレーヤーの判断を尊重したいものです。相手に水を向けることで、最後まで打ちたい人が遠慮なくやりやすくなるでしょう。
「ショートパットが苦手なので練習させてください」
いっぽうOKを出される側は、そうした配慮もフォローもなく、OKを受け入れざるを得ない場合が多いと思います。ゴルフはボールをカップに入れるゲームです。同伴者の判断で切り上げさせられることにモヤモヤすることもあります。
「OKを出される側はどうしても受け身です。一緒に回る相手との人間関係にもよるので一概にはいえませんが、OKを出す側が上級者や先輩プレーヤーだったりしたら、それに従わざるを得ないばかりか、ありがたく受け入れて当然の空気が漂うかもしれません」
「にもかかわらず、一度OKが出されたパットを最後までやると言ったら雰囲気が悪くなることも考えられます。OKをむげに拒否されたように感じて『OKと言っているんだから、わざわざ打たなくていいんだよ!』とイラ立つ人もいるでしょう」
「もし私だったら、そうならないようにこう言います。『ありがとうございます。ショートパットが苦手なので練習させてください』。OKに対してお礼を述べつつ、自分はこれを練習したいというニュアンスを伝えて最後までやらせてもらうのです。ゴルフに対する真摯な気持ちをみせれば、大抵の相手は『焦らなくていいですよ』『しっかり入れてくださいね』と応援してくれるんじゃないでしょうか」
「ちなみに、もしそれを外した場合は、打った数を足して申告するのがスマートでしょう。『今のはナシで!』とか『OKでしたよね?』とか言って、なかったことにする人がたまにいますが、それなら初めからOKをもらって終える方がいいでしょう」
OKを出す側は、相手のスタイルや判断を尊重し、押しつけはしない。OKを出された側は、その流れに乗るもよし、流れをつくった人の思いやりを受け止めたうえで流れを変えるもよし。そう考えるとうまくいきそうです。
とはいえ、ラウンド中のこうした気遣いや同伴者との駆け引きは、できるだけ少なくしたいものです。プレーヤー間でOKに対する共通認識を持つことはできないのでしょうか。
「近年、多くの方が仕事の場で“グラウンド・ルール”に接していると思います。これは会議などを円滑に進めるために『時間を守りましょう』『人の発言をさえぎらないようにしましょう』といった参加者が守るべき基本的なルールや約束を事前に決めることです。それをゴルフに取り入れてみてはいかがでしょうか?」
「例えば、朝のスタート前に『今日は完全ホールアウトでやってみませんか?』といった提案をし、その日の約束事を決めておくのです。もし完全ホールアウト、つまりOKなしと取り決めた場合、プレーヤーは下りの1グリップであろうと50センチのパーパットであろうと、最後までカップインさせなければなりません」
「そうなれば『50センチはありそうだけど、パーパットだからOKを出してあげないと悪いかな』と忖度したり空気を読んだりすることはないし、『パーパットは自分で決めたいのに、OKを出されてできなかった』『少しくらいおまけしてほしいのに、OKを出してもらえなかった』とモヤモヤした気持ちが生じることもなくなります」
安藤氏はこう言って、ゴルフ版グラウンド・ルールの導入を勧めます。
スタート前にルールを決めておけば、まだそれほど親しくない人とでも同じ認識を持つことができるので、よけいな気を使ったり使われたりすることは少なくなるでしょう。いつものメンバーとのラウンドも、その日によって約束事をアレンジすれば、ゆるいゴルフもガチなゴルフも楽しめそうです。
【解説】安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)
米ニューヨークでの駐在員時代「アンガーマネジメント」に出会い、帰国後、一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会を設立した。代表理事を経て現ファウンダー。ゴルフは4年前に再開してのめり込み、軽井沢と千葉でゴルフライフを満喫している。JGAハンデ6.2。
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