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ゴルフライフ

ティーショットはカートのアナウンスが流れてから最低20秒待つべき!? “打ち込み”トラブルを回避する安全策とは?

2025.11.12 野上雅子
ゴルフ場 マナー

打ち込みが起きる背景にはさまざまな要因があります。乗用カートに搭載されたナビのガイダンスに従ったりプレーファストを心がけたりするのは大事なことですが、いずれもやり過ぎによって打ち込みを誘発する場合もあります。

打てると判断する距離に“遊び”が少ない人が多い

 ルールやマナー以上に、ゴルフで最優先されるのは安全の確保です。しかし、打球の“打ち込み”が後をたちません。

 打ち込みが起きる背景にはさまざまな要因があります。乗用カートに搭載されたナビのガイダンスに従ったりプレーファストを心がけたりするのは大事なことですが、いずれもやり過ぎによって打ち込みを誘発する場合もありますので注意が必要です。

 打ち込みなくすには、すべてのプレーヤーが前後両方の組を意識しながらコースを回る配慮が欠かせません。どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダーで、競技ゴルフの経験も持つ安藤俊介氏にお聞きしました。

「昨今のゴルフカートはGPS機能つきのナビが搭載された便利なものが多くなりました。だからといって依存しすぎるのは問題です。例えば、前のカートとの距離が250ヤード以上離れると『前方の安全を確認してからティーショットを打ってください』といった音声ガイダンスが流れると思います。しかし、打ち下ろしやドッグレッグホール、またフォローの風が吹いている場合などは、当たり前ですが自分の飛距離以上にボールが飛んだり転がったりすることがあります。安易にナビに従うのではなく、自分の目で状況をよく見て確認し、頭でしっかり判断して打つことが大切です」

万が一打ち込みそうになったら、組の全員で全力の「フォア―」を 写真:PIXTA
万が一打ち込みそうになったら、組の全員で全力の「フォア―」を 写真:PIXTA

「打ち込みは若いゴルファーがしがちだと思っている方が多いように感じます。あくまで私個人の感想ですが、多くの若いゴルファーは自分の飛距離以上にボールが飛んだり転がったりすることは理解していると思います。前の組にキャリーで打ち込むのはもってのほか、プレーヤーの足元近くへボールが転がっていくこともないように考えているとは思います」

「そのうえで、打てると判断する距離に“遊び”が少ないように感じます。そのため前の組に着弾音が聞こえる場合があるのかもしれません。打球が落ちた音に驚いて前のプレーヤーが振り返るようなら、打ち込みにはあたらないとしてもマナーとしてもう少し待った方がいいでしょう」

 打ち込みの危険回避さらに着弾音が聞こえないように距離をとるには、前の組がグリーン上にいると仮定して何ヤード手前まで打っていけるのでしょうか。

「ゴルフ場によって異なりますが、少なくとも30ヤードまでだと思います。一部のコースでは前の組の50ヤード以内に打球が入ってはいけないという“50ヤードルール”があります」

 一般的なゴルフカートの最高速度は時速19キロ前後、自動運転サポートシステムを備えたモデルでは時速9キロ前後とされています。1秒間に進む最大距離は前者で約5.2メートル、後者は約2.5メートルとなります。後者の場合、遊びも含め50ヤードの間隔を確保するには前のカートが250ヤード以上離れたとアナウンスのあった地点から少なくとも20秒動いたあとに打つ必要がありそうです。個人差はありますが、一般ゴルファーのショットにはおよそ20~30秒かかります。前のカートが動き始めたのを確認してからルーティンに入るくらいで、ちょうどいいかもしれません。

プレーファストのためにカートをプレーヤーより先に進めてしまう

「カートについては前の組の動かし方に問題があるケースもあります。セルフプレーでは、スロープレー防止の意識が高いせいかカートをどんどん先へ進めてしまう人がいるのです。例えばドッグレッグホールで曲がり角の先、後ろからは見えないところで2打目、3打目を打とうとしているプレーヤーがいる。それなのに同伴者が気を利かせたつもりでカートをグリーン近くまで動かしてしまう。するとGPSが感知して後ろの組のカートに『ティーショットを打ってください』という音声ガイダンスが流れます。プレーファストを意識してのことであっても、これでは打ち込まれる原因を作っているのと同じで大変危険です。カートの位置は、“ここにプレーヤーがいます”という後ろの組へのメッセージ。打つ人のラインに止めておくことによって打ち込まれないための防衛策をとることが大切です」

 とはいえ、それでも打ち込まれてしまうことはあると思います。トラブルに巻き込まれないためにどう対応するのがいいか安藤氏に教えてもらいました。

「足元まで転がってくるようなことが一度ならず発生するようなら、ハーフ終了後などにキャディーマスター室へ伝えるのが良いでしょう。先ほど若いゴルファーのケースを私なりに分析しましたが、足元に打球が転がってくるような打ち込みはシニアゴルファーにも意外とあります。その原因は、自分の飛距離を把握していなかったり打球が見えていなかったりということがあると思います。打てると判断する距離に遊びが少ないのも打球が見えていないのも、打ち込んだのも、自覚がない場合もあるのです。それを指摘したり直接クレームをつけたりして相手を変えることは、ハードルが高いと思います。打ち込みをやめさせるどころかトラブルに発展する恐れもあります」

「他人や環境に対して怒ったり負の感情を持ったり当人同士で言い合ったりすることは、事態を大きくし、自分の平常心を乱すだけです。もし打ち込まれたときはキャディーマスターに伝え、それ以上は気にしない。過去のことをほじくり返したり未来に起きるかもしれないことを不安がったりしても、何もプラスになりません。すべてのプレーヤーが前後両方の組を意識しながら目の前のプレーを一所懸命楽しむことが大切なんじゃないでしょうか」

 前の組に対しては50ヤードルールを守り、後ろの組にはカートで自分たちの位置を知らせる。これをゴルファー全員が徹底すれば打ち込みは減りそうです。

【解説】安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)

米ニューヨークでの駐在員時代「アンガーマネジメント」に出会い、帰国後、一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会を設立した。代表理事を経て現ファウンダー。ゴルフは4年前に再開してのめり込み、軽井沢と千葉でゴルフライフを満喫している。JGAハンデ6.2。

【画像】こんなヤツはマジでお断り これがゴルフ場に出没する“迷惑ゴルファー”の特徴です

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