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- 春と秋が消える? 流行語「二季」がゴルフ場を直撃 冬のグリーン管理が難しくなる理由
猛暑による芝焼けが注目されがちだが、冬のグリーンにも凍結や霜、寒暖差によるダメージが潜んでいる。春秋が短くなる「二季」化は更新作業の難易度を高め、ゴルフ場管理に新たな課題を突き付けている。
寒暖差が激しいとグリーンが凍結することもある
近年は最高気温が35度を超える猛暑日が続き、もはや40度に達する日も珍しくありません。日本の夏が年々厳しさを増していることは、多くの人が身をもって感じているはずです。
ゴルフ場のグリーンでも、猛暑や酷暑によって芝が真っ赤に焼けてしまうトラブルが各地で発生しており、そうした話を耳にしたことがあるゴルファーも多いのではないでしょうか。
一方で冬は、夏のようなダメージは少ないようにも思えますが、寒い時期にはどのような現象がグリーンに支障をきたすのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、次のように話します。

「初歩的な話として、日本のゴルフ場では、暖かい気候を好む高麗芝を夏用に、寒さに強いベント芝を冬用として、1ホールに2種類のグリーンを設けるのが従来の方法でした。
その後、ボールの転がりに優れていることから、比較的温暖な日本でもベントグリーンが主流となり、ニーズに合わせてさまざまな品種が開発されてきました。ただ、ここ数年は猛暑やそれに起因する水不足の影響で、度重なる改良を施しても、グリーンが赤く焼けてしまう事例が各地で発生しているのが現状です。
では冬はどうかというと、ベント芝はもともと寒さに強いため、夏ほど深刻な問題が起きるわけではありません。
しかし、夜間に急激に気温が下がる地域では、グリーン表面に霜が降りたり、凍結したりすることがあります。芝が凍った状態で刈り込みを行うと、物理的なダメージを与えやすくなりますし、寒暖差によって凍結と融解を繰り返すことで、芝の細胞そのものが傷ついてしまいます。
さらに、ボールの跳ね返りや転がりも不安定になり、プレーに支障をきたす恐れがあります。そのため、特にスタートホールから少なくとも3ホール分のグリーンについては、夜間に大きなカバーを被せるなどして、凍結防止対策を行っています」
また、飯島氏によると、冬のグリーンではごくまれに「アントシアン」と呼ばれる現象が見られることがあるといいます。芝は気温が低下すると光合成がしづらくなりますが、その際に赤紫色の色素を生成することで、自らを守ろうとします。
冬のラウンド中、グリーンの一部に赤や紫の斑点が見られることがありますが、これがアントシアンの作用です。病気ではなく、寒い時期には高い確率で発生する自然な現象のため、過度に心配する必要はないそうです。
2025年の流行語にもなった「二季」はゴルフ場にどんな支障をきたす?
猛暑や酷暑に関連して、2025年の新語・流行語大賞で「二季」という言葉がトップ10にノミネートされたことも話題となりました。
これは、地球温暖化の影響で日本の気候から春と秋が短くなり、夏と冬の二極化が進んでいる状況を指す言葉です。こうした「二季化」は、グリーン管理にも大きな影響を及ぼすのでしょうか。飯島氏は次のように指摘します。
「1年のうち、春と秋には、グリーンを良好な状態に保つための『更新作業』が行われます。
多くのゴルファーが毎日グリーンに立つことで、芝だけでなく土壌も踏み固められてしまいます。そのため、肥料を補充したり、酸欠を防ぐために『エアレーション』と呼ばれる作業を行ったりします。
特にエアレーションでは、専用の機械を使ってグリーン表面に無数の穴を開けますが、春に行った直後に急激に気温が上がると、土壌の水分が奪われ、極端に乾燥してしまう恐れがあります。
本来は比較的涼しい時期だからこそ実施できる更新作業も、『二季化』によって適切なタイミングを見失う可能性は十分に考えられます。
さらに、カビの繁殖によって発生する『ラージパッチ』や『ダラースポット』といった芝特有の病気を予防する作業も、春や秋に行われます。夏と冬の期間が長くなればなるほど、コース管理の難易度はますます高くなっていくでしょう」
コース管理者の少子高齢化が進む中、年々過酷さを増す日本の気候に対し、グリーンを良好な状態で維持し続けられるのか。不安は尽きません。
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