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- そのままでも問題なさそうだけど… 大金を掛けてまでコースを改造するのはなぜ? 一般ゴルファーのメリットは!?
ゴルフ場といえば、ほぼ年中無休で営業しているイメージも強いですが、なかにはコース改修で休業することもあります。そのままでも問題なくプレーできそうにも見えますが、どのような目的でコース改修が行われるのでしょうか。
ゴルフ場のデザインを時代の流れに合わせるため行われる
ゴルフ場は年中無休に近い体制で営業している場合が多いですが、時にはコースの改修を目的に休場することもあります。
素人目からすると、大掛かりな工事をしなくても問題なくプレーできそうにも見えるかもしれませんが、具体的にどのような目的でコース改修が行われるのでしょうか。
ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「コースが改修される大きな要因として、まず、クラブやボールの進化が考えられます。特に平成初期まではドライバーやフェアウェイウッドで木製のヘッドを使用した『パーシモン』と呼ばれるクラブが使われていましたが、そこから短期間で一気に金属製のメタルヘッドが台頭していきました」
「さらにボールに関しても、核となる部分にゴム製の糸を何重も巻き、その上にカバーを被せた『糸巻きボール』から、2ピースや3ピースといったゴムの層を重ねたボールへと進化を遂げました。そうすると、飛距離が従来と比べものにならないくらい向上し、ドライバーならアマチュアでも250ヤード越えは珍しくないものになりました」

「一方で、コースが古い性能の道具に合わせた設計のままだと、クロスバンカーやフェアウェイバンカーをやすやすと超えるなど、戦略的に不釣り合いな状態が起きてプレーの面白味が欠けてしまうでしょう。バンカーは本来、引っかかるか否かのギリギリのポイントに置かなければならないので、改修が求められることになるのです」
また、日本のゴルフ場では1ホールにメインとサブの2つのグリーンが設けられているところも多いですが、こういったコースではサブグリーンにボールがオンしてしまった場合、芝を保護する観点から無罰で救済を受けなければならないとルールで決まっています。
ただ、2011年までは日本のサブグリーンはルール上の「目的外グリーン」ではなく「スルーザグリーン」(現在のジェネラルエリア)の扱いだったため「インプレーのボールに触れるケースが常態化しているのはおかしい」という議論があったり、「ゴルフは本来、ショットを進めるごとにターゲットが絞られていくものであるべき」という設計理論上のセオリーに近づけるため、1グリーン化を推し進めたゴルフ場も相次ぎました。
もともとの設計思想は無視されてしまうの?
では、改修にあたって、そのコースの原設計を手掛けた人のポリシーや意思は受け継がれるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「それぞれのゴルフ場には最初にコースを設計した人物がいる訳ですが、残念ながら改修が行われる際に設計当時の本人の思想やポリシーが受け継がれるケースは、あまり多くありません。背景として、ゴルフ場はあくまでも不特定多数の人が利用する“遊戯施設”というのがそもそもの存在意義ですので、造られた当初の価値が保持されるとは限らないのです」
「景観やデザインの美しさが求められる点から見れば、設計者にとっては“作品”の一種と捉えられるのは確かでしょう。しかし、長年にわたって娯楽目的で利用されるものであるため、時代によるニーズの変化などに適応していく必要に迫られるのです」
「例えば、グリーンの芝はボールがより滑らかに転がるよう品種改良が続けられてきましたが、その分ちょっとの下り勾配でもどんどん転がってしまうようにもなりました。そこで、設計者が当初描いていた思想に反して、グリーン上の起伏をなだらかにするなどの改修が行われることもあります」
その一方で「設計者のポリシーや思想がしっかり尊重されるケースも少なからずある」と飯島氏は続けます。
「のちの改修でデザインコンセプトがなるべく維持されるコースの特徴として、『戦略性や景観など当初の設計理論が明確』であり、『高く評価されている人物が設計を手掛けた』ということが挙げられます。こうしたコースをリニューアルする際は、設計者の意図を隈なく読み取り、受け継ぐ部分を多く残す方法がとられます」
「そして、ただ単に前からあったものをそのまま残すのではなく、原設計者が当時考えていた思想を現代風にアレンジすることによって、今のニーズに合わせるのがリノベーションを担当する設計家の腕の見せ所といえます」
時代の流れでコースに手直しが加えられるのは、仕方のないことではあります。しかし、偉大な設計家のポリシーを後世に残すためにも、できる限り当時のデザインは尊重されるべきなのかもしれません。
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