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- 巨大なゴルフ場でも“正社員は3人”なんて当たり前!? 若い人が“職場”としてゴルフ場を選ばない理由とは?
キャディーバッグの積み下ろしやカートへの積載、さらにプレー後の精算など「ゴルフ場のセルフ化」はプレー以外でもどんどん進んでいます。そのせいか、少ない従業員の高齢化が目立つようになってきました。
プレーする若い人は増えたがゴルフ場で働く人は増えていない
コロナ禍でのゴルフブームによって、ゴルフを始める若い人が増えました。その流れは今でも続いており、テレビに出ているタレントさんやSNSで活躍しているインフルエンサーさんが次々とゴルフを始める姿を微笑ましい気持ちで眺めています。
ゴルフはかつて“オジサンのスポーツ”でしたが、今はもう、そういうイメージはありません。“オシャレで洗練されたスポーツ”へと大いなる変貌を遂げました。特にゴルフウエアの進化は目覚ましく、若い女性を中心にファッションに憧れてゴルフを始める動きも見られます。
ただし、ゴルフショップで販売されているアパレルブランドのゴルフウエアはビックリするほど高いです。なので、一般庶民はユニクロやワークマンなどで高品質・低価格のゴルフウエアを探し求めています。
一方で、若いゴルファーがこれだけ増えているにもかかわらず、ゴルフ場で若いスタッフを見かける機会は減りました。ひと昔前はフロントにもマスター室にも20~30代のスタッフがけっこういた気がするのですが、最近は当時の若者が年を取ってもそのまま働き続けているような印象があります。

それどころか、キャディーバッグの積み下ろしやチェックイン・チェックアウトもセルフシステムで、スタッフと会話をするのはプレー終了時のクラブ確認のみというケースもあります。昨今のゴルフ場で若いスタッフを見かけなくなったのはなぜでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「今のゴルフ場はほとんどのスタッフが基本的に時間給で働いるシニア世代です。うちはコース管理とレストランが外注ですから、正社員は3人しかいません。若い子が入ってきても長続きしません」
「その理由をある求人媒体が指摘していますが、100種類以上の職業の中で賃金がダントツに安いんですよ。それだけではなく、朝が早くて土日が仕事という条件が重なりますから、ゴルフ場の運営母体が大企業だったりしない限り、若い人たちが来てくれません」
「親御さんからしても、ゴルフ場はいつ民事再生や法的整理があるか分かりません。昔は地元の中ではいい職場だったかもしれませんけれども、今はそういう時代ではありませんから、若い人は本当に来ないですね」
若い人たちがゴルフ場で働く魅力を発信する取り組みが必要
ゴルフ場が全国各地に次々と造られていた時代は、山の中にお城のような大きなクラブハウスが建ち、そこにお金持ちのオジサンたちが都会から高級車に乗って集まってきましたから、地元の若者にとって憧れの職場でした。
ところがバブル崩壊後はゴルフ場の経営が一気に苦しくなり、2000年の民事再生法施行をきっかけに多くの施設が法的整理を選択しました。ゴルフ場業界に経営交代ラッシュが起こり、若い世代に安定した雇用を提供できる職場ではなくなりました。
その流れがようやく落ち着き、ゴルフ場の需要が再び高まっているのかと思いきや、大半の施設が若い人たちの待遇を改善して迎え入れるほどの業績改善には至っていないようです。
ただ、プロゴルファーを目指す若者は男女ともに増えていますから、かつての研修生のようにゴルフ場で働く代わりに練習環境を提供する雇用形態で、若いスタッフを集める施設も目立つようになりました。
彼らは朝が早くても土日が休めなくても苦にしません。実践的な練習を日常的に行なうことができる環境を優先し、ゴルフ場で働いています。これをほとんどのゴルフ場が単なる人手確保ととらえている気がするのですが、それだけではもったいないと感じます。
ゴルフ場の美しい景色や動物たちがフェアウェイを横切る姿などは、日常生活ではなかなか見られない特別な空間です。ゴルフを始めている若い人たちはその魅力に気づき、写真や動画で積極的に情報発信していますが、ゴルフ場自体の情報発信が追いついていません。
その役割をゴルフ場で働く若いスタッフたちが担うようになれば、ゴルフ場が“遊ぶ場所”として魅力的なだけでなく“働く場所”としても魅力的な未来を再構築できるのではないかと感じています。
保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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