色にこだわるのはナンセンスかつ時代遅れ!ティーマークの正しい選び方とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

色にこだわるのはナンセンスかつ時代遅れ!ティーマークの正しい選び方とは?

「打つ場所がたくさんあってどこから打てばいいか分からない……」初めてゴルフ場に行った際に、まず混乱するポイントかもしれません。1打目を打つティーイングエリアにはティーマークがあり、色によって難易度が別れています。では、それぞれのティーマークの色の意味とは? 解説します。

決まりはないが大抵長いほうから青・白・金・赤

「ティーマーク」とは、1打目を打つ場所、ティーイングエリアの場所を決めるための目印を指します。ティーマークは2つで1組となっていて、これら2つのティーマークで定められた、奥行き2クラブ分の長方形エリアのことを「ティーイングエリア」といいます。

アマチュアゴルファーの憧れ「青ティー」ですが…… 写真:AC

 プレーヤーは、このティーイングエリアの範囲内でボールをティーアップまたはセットすることで「ティーショット」と呼ばれるそのホールの第1打を打つことができます。

 ティーイングエリアの範囲内にボールがセットされていれば、プレーヤーの体はティーイングエリアの外側に出ていてもよく、右打ちのプレーヤーであれば左端のティーマークの内側にボールをセットして、足のスタンスはティーマークの外側にはみ出ていても問題ありません。

 ティーマークはほとんどのコースで少なくとも3種類以上あり、多いところでは5~6種類以上あるでしょう。それぞれが異なる色で、異なるヤード数を示します。

 ここからは、ゴルフ場で採用される主な4つのティーマークを紹介していきます。ただし、ティーマークの色がルールで決まっているわけではないので、ゴルフ場によって多少のバラツキはありますが、日本で最も一般的な色分けは下記の通りになります。

◯青色
バックティーという名称で、主にゴルフ場での競技が行われる場合や、プロ・上級者が使用するティーで、ビジターが使用する際はコースに申請が必要となる場合がほとんどです。

◯白色
レギュラーティという名称で、主に男性アマチュアが使用しますが、飛距離がある女性が使用する場合もあるティーです。

◯金色・銀色
主にシニア男性が利用するティーで、白のティーより前方、赤よりも後方に設定されます。

◯赤色
レディースティーと呼ばれ、一般の女性アマチュアやジュニアゴルファー、あるいはゴルフを始めたばかりの初心者が主に使用するティーです。シニアティーの前方に設定されています。

 この他にもプロトーナメント向けに設定されたチャンピオンティーと呼ばれる黒色のティーを設定しているコースもあります。逆にコースデビュー間もない初心者のためにレディースティーよりもさらに短いティーを設定するコースも増えてきています。

 このように、プロ・上級者向けのものから、女性や初心者用のものもあり、さまざまな種類に分かれているティーマークですが、この中でどれを使用するのが最適なのでしょうか?

飛距離225ヤードのゴルファーに最適な長さは6000ヤード以下

 実は多くのアマチュアゴルファーは、自分の飛距離に適した長さよりも後ろのティーからプレーしている傾向があります。

 アマチュアゴルファーが今の自分のレベルよりも高いティーマークからプレーする場合、ドライバーの距離を伸ばすことが必要になりますが、そう簡単なことではありません。

 一例として、今年の全米オープンの会場となったトーリーパインズ・サウスコースのそれぞれのティーマークからのパー4における平均ヤーデージを見てみましょう。

◯ブラック :450ヤード
◯ブルー  :428ヤード
◯ホワイト :410ヤード
◯グリーン :391ヤード
◯レッド  :328ヤード

 弾道計測機器のトラックマン社が公表している、アマチュアの平均ヘッドスピード(93.4 mph=約41.5m/s)に基づいて、プレーヤーがドライバーで最大255ヤード打てるとします。もし、このプレーヤーが約50%のパーオン率を達成したい場合、セカンドショットは約140ヤードである必要があります。

 つまり、パー4は平均395ヤードになるという計算になります。トーリーパインズ・サウスコースのティーマーク表に戻ると、ホワイトとグリーンのティーの間、どちらかというとグリーン寄りに該当します。

 この距離設定はドライバーでのベストショットを想定しているため、理論的には平均的アマチュアゴルファーが50%のパーオン率を実現できる最大ヤーデージが395ヤードということになります。

 実際には50%のパーオン率など夢のまた夢、という人が多いと思います。しかし、ラウンドでほとんどパーパットやバーディーパットを打てないゴルフは寂しいと感じる人もまた、たくさんいるでしょう。パーオン率が50%なら、そうしたチャンスをラウンドで何度も経験でき、もっとゴルフを楽しめるはずです。50%に遠く及ばないということは、それだけ“無理をした”ゴルフをしていると考えたほうがいいのかもしれません。

 USGAとPGA・オブ・アメリカは、プレーヤーの平均飛距離に基づいた18ホールの総ヤーデージを推奨するために、以下の「Tee It Forward」チャートを作成しているので、参考にすると良いでしょう。

【ドライバーの飛距離:推奨されるヤーデージ】

◯275ヤード:6700~6900ヤード

◯250ヤード:6200~6400ヤード

◯225ヤード:5800~6000ヤード

◯200ヤード:5200~5400ヤード

◯175ヤード:4400~4600ヤード

◯150ヤード:3500~3700ヤード

◯125ヤード:2800~3000ヤード

◯100ヤード:2100~2300ヤード

 この表に自分の飛距離を当てはめてみて、今までずいぶん後ろからプレーしていたんだなと思った人は多いでしょう。男性だから、女性だから、何歳だから、とティーの色にこだわらず、色は忘れて自分が楽しくプレーできる距離から回ってみてはどうでしょうか。

※ ※ ※

 もちろん、これはあくまで1つの目安であり、例えば長いクラブやアプローチの技術を磨くために、少し長めのティーマークを使用したり、逆に短いティーから良いスコアを出して「好スコアの出し方」に慣れる練習をしたり、その選び方はさまざまでしょう。プレーヤー自身の目的に応じて、目安を参考にしながら自分に合ったティーマークを選ぶことが大切です。

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2019年ANAプリンセスカップのティーマーク 写真:Getty Images
2021年BMWチャリティープロアマ(米国)のティーマーク 写真:Getty Images
アマチュアゴルファーの憧れ「青ティー」ですが…… 写真:AC

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